目が覚めると、僕はリビングの机にうつ伏せになっていた。どうやら洗濯機が止まるまでの間に寝落ちしてしまったみたいだ。

硬い机に身体を預けていたせいで、寝違えたように首が痛い。

ぼうっとしながら床に落ちていたスマホの画面を確認すると、何通かのメッセージと、画像の通知が表示されていた。

それが何を意味しているのかは、すぐにわかった。

僕は咄嗟(とっさ)に立ち上がり、込み上げてきた涙を拭って、電話の通話ボタンをタップする。


「もしもし、父さん。無事に産まれたんだね」
 


僕らは確かに家族になった。



(完)