「そのタイミングで隣のクラスの子が転校したんだ。だから手紙の子はその子じゃないかと思ってる」

「どんな子だったの?」

「図書委員の子だった。実は僕とその子は、いつも顔を合わせていたんだ」

「ええっ!そんなの寂しすぎる……」

「まあ、少しはね」

彼女がいなくなった後も、何一つ普段の生活が変わることなんてなかった。

けれどあの日以来、一層誰かと一緒にいるのが馬鹿馬鹿しくなって、仲間と連むことはしなくなった気がする。

「瞬君、大丈夫?」

「え、ああ、ごめん。何だっけ」

何度か聞き直すと、小夜は悪いと思ったのか、「何でもない」と言ってから黙り込んでしまった。

しばらくそれぞれの時間で過ごしていると、小夜は黙って僕の隣に肩を並べた。