◆
中学の頃、僕の居場所は専ら図書室だった。
頻繁に通い続けると、自然といつも座る席が決まってくる。僕は窓際の一番カウンターから近い席に座って、最近入荷した新しい本ばかり読んで過ごしていた。
ある日、僕はいつものように新刊入荷コーナーの棚でおもむろに気になる本を手に取り、パラパラとそれを捲っていると、名前の聞かない海外作家の小説の本から四つ折りになった紙が床に落ちた。
一瞬貸出カードか何かだと思ったけれど、それは手紙が入った花柄の封筒だった。封筒は閉じられていなかったから、つい僕は好奇心が勝ってしまって、こっそりとそれを広げてしまった。
花柄の便箋には、丁寧な文字が並んでいた。手紙の内容は確かこうだったはず。
”手紙を拾ってくれた誰かさんへ
この本を手に取るなんて、あなたも相当物好きですね。きっと私とあなたは趣味嗜好が似ているのかもしれません。もしよければ、あなたのおすすめの本も教えてもらえませんか?”
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中学の頃、僕の居場所は専ら図書室だった。
頻繁に通い続けると、自然といつも座る席が決まってくる。僕は窓際の一番カウンターから近い席に座って、最近入荷した新しい本ばかり読んで過ごしていた。
ある日、僕はいつものように新刊入荷コーナーの棚でおもむろに気になる本を手に取り、パラパラとそれを捲っていると、名前の聞かない海外作家の小説の本から四つ折りになった紙が床に落ちた。
一瞬貸出カードか何かだと思ったけれど、それは手紙が入った花柄の封筒だった。封筒は閉じられていなかったから、つい僕は好奇心が勝ってしまって、こっそりとそれを広げてしまった。
花柄の便箋には、丁寧な文字が並んでいた。手紙の内容は確かこうだったはず。
”手紙を拾ってくれた誰かさんへ
この本を手に取るなんて、あなたも相当物好きですね。きっと私とあなたは趣味嗜好が似ているのかもしれません。もしよければ、あなたのおすすめの本も教えてもらえませんか?”
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