私は純の笑顔を見るのが嫌いだ。この笑顔を見ると全部話してしまいたくなるから。純の事だから、私が話したら家に乗り込もうとしてくるだろう。私の家庭の事情で純を悩ませたくない。
「別に。良くも悪くもない。」
再び本に視線を戻して答えた。これ以上私に話し掛けないでという思いで。しかし...
「悪くないのはいいけど、良くもないのは心配なんですけど。」
純は私の視線に合わせるようしゃがんだ。純が私の思いに気づかないはずがない。だからこれは言うことを聞かないという反抗だろう。
「心配されなくても自分の事は自分がよくわかってます。早く席に行って下さい。」
「...わかったよ。でも何かあったらすぐ言えよ。」
純はそれだけ言い残し席に戻って行った。何かあっても言う訳ないじゃない。
「皆おはよー。ホームルーム始めるよー」
タイミング良く先生が来て、クラスは一旦落ち着いたのだった。
そして迎えたお昼休み。私は号令が終わると同時にお弁当を持って人気のない階段に座った。この学校の配置は見学に来た時に貰ったプリントで覚えた。クラスで気まずい事になったらここに来ようと決めていた。こんなに早く来るとは思わなかったけれど。
お弁当を食べていると、スマホが鳴った。どうせ公式からだろうと見ると、純からだった。
─今どこ?一緒にお昼食べよう。─
すぐにスマホの音を消した。もしこの辺りにいて通知の音でも聞かれたら、純はここに来るだろう。それを毎日されたらクラスの人達に何言われるかわからない。純に迷惑だけはかけたくなかった。
その後も通知や着信があったが全て無視した。私なんかと関わってないで、新しい友達作ればいいのに。
お昼休み終了のチャイムが鳴り、純がいないか確認しながら教室に戻った。幸い、純には会わなかった。
五、六時間目の休憩時間、純ぎ話し掛けてくることはなかった。他の人と一緒に居るのが見えたから私と関わるのはやめたみたいですごく安心した。これで純らなにかされなくて済む。
放課後、私は久々に走って学校を出た。誰かに引き止めれてバイト初日に遅刻なんてしたくなかったから。
「初めまして。今日から働く田辺と申します。よろしくお願いします。」
「よろしくねー」
制服に着替え、居る人全員に挨拶すると優しく受け入れてくれた。でもまだ油断出来ない。これからこの人達の本性が出てくるかもしれない。結構酷いことを考えている自分に腹が立った。
「田辺さんは基本的にレジをやってればいいよ。暇になったら商品の向きを揃えたり、外の掃き掃除かな。」
「わかりました。」
「別に。良くも悪くもない。」
再び本に視線を戻して答えた。これ以上私に話し掛けないでという思いで。しかし...
「悪くないのはいいけど、良くもないのは心配なんですけど。」
純は私の視線に合わせるようしゃがんだ。純が私の思いに気づかないはずがない。だからこれは言うことを聞かないという反抗だろう。
「心配されなくても自分の事は自分がよくわかってます。早く席に行って下さい。」
「...わかったよ。でも何かあったらすぐ言えよ。」
純はそれだけ言い残し席に戻って行った。何かあっても言う訳ないじゃない。
「皆おはよー。ホームルーム始めるよー」
タイミング良く先生が来て、クラスは一旦落ち着いたのだった。
そして迎えたお昼休み。私は号令が終わると同時にお弁当を持って人気のない階段に座った。この学校の配置は見学に来た時に貰ったプリントで覚えた。クラスで気まずい事になったらここに来ようと決めていた。こんなに早く来るとは思わなかったけれど。
お弁当を食べていると、スマホが鳴った。どうせ公式からだろうと見ると、純からだった。
─今どこ?一緒にお昼食べよう。─
すぐにスマホの音を消した。もしこの辺りにいて通知の音でも聞かれたら、純はここに来るだろう。それを毎日されたらクラスの人達に何言われるかわからない。純に迷惑だけはかけたくなかった。
その後も通知や着信があったが全て無視した。私なんかと関わってないで、新しい友達作ればいいのに。
お昼休み終了のチャイムが鳴り、純がいないか確認しながら教室に戻った。幸い、純には会わなかった。
五、六時間目の休憩時間、純ぎ話し掛けてくることはなかった。他の人と一緒に居るのが見えたから私と関わるのはやめたみたいですごく安心した。これで純らなにかされなくて済む。
放課後、私は久々に走って学校を出た。誰かに引き止めれてバイト初日に遅刻なんてしたくなかったから。
「初めまして。今日から働く田辺と申します。よろしくお願いします。」
「よろしくねー」
制服に着替え、居る人全員に挨拶すると優しく受け入れてくれた。でもまだ油断出来ない。これからこの人達の本性が出てくるかもしれない。結構酷いことを考えている自分に腹が立った。
「田辺さんは基本的にレジをやってればいいよ。暇になったら商品の向きを揃えたり、外の掃き掃除かな。」
「わかりました。」