「これぐらいがちょうどいいよ。ね、プレゼント交換しよ。」

「そうだね。」

「私から渡すね。はい、これ。」

カバンから小さめの紙袋を出して純に渡した。人にプレゼントを渡した事がないから喜んでもらえるかわからない。

「えー、なんだろー」

純は目を輝かせながら紙袋を開けた。反応が怖くて純を見れない。目を瞑って反応を待った。

「これ...ブレスレット?めっちゃかっこいい。」

目を輝かせたまま、ブレスレットを見ていた。私があげたのはシンプルな黒いチェーンのブレスレット。前に買った時計と合わせたら似合うかなと悩みに悩んで買った。

「喜んでもらえたみたいで良かった。」

「シンプルだけどこういうのがかっこいいんだよ。今つけてもいい?」

「もちろん。」

純は左手首にブレスレットをつけた。明かりに照らされたブレスレットはキラキラ輝いている。

「ありがとな。すっげー嬉しい。」

「良かった。」

こんなに喜んでもらえて私も嬉しい。人に物をあげるって、こんなに心が温かくなるんだ。

「俺も渡すからちょっと待ってて。」

そう言い残し純はリビングを出て行った。二階に上がる音が聞こえ、走って下る音も聞こえた。

「お待たせ!」

少し息を切らせながら戻って来た純を見て、つい笑ってしまった。

「待ってないよ。」

「ありがと。早速だけど目瞑って。」

「うん。」

言われた通り目を瞑ると、キスをされた。そのまま押し倒され、首元を軽く噛まれた。

「痛っ」

「目、開けていいよ。」

恐る恐る目を開けると、純が私の左手を掴んでいた。その薬指にはシルバーの指輪がつけられていた。

「え、これ、指輪?」

「うん。俺もつけてる。」

純の左手の薬指には同じ形の指輪がつけられていた。

「可愛い...」

「だよな。ペアリングって値段がするからさ、探すの大変だった。」

「そうだったんだ...ありがとう。嬉しい。」

「俺があげたかったんだ。俺の物って印にもなるだろ?」

「確かに。」

もう一度指輪を見る。私の指にぴったりで、よくサイズがわかったなと思った。

「よく私の指のサイズわかったね。」

「すっごく悩んだよ。今つけたのもつけるまでサイズが合うかわからなかったから。」

「そうだったんだね。本当にありがとう。」

女性だらけのアクセサリーショップに入って、沢山悩んだのだろう。私が逆の立場だったら恥ずかしくて出来ない。

「なんで泣きそうになってるの?」

「嬉しくて...」

「こんなんで泣いてたら本物の指輪を渡す時にどうするんだよ。」