歩いていると、並木道に出た。冬だから木には何もついていない。
「ここさ、春になると桜が沢山咲いて綺麗なんだよ。」
「そうなんだ。人が沢山来そうだね。」
「いつもここの桜見て、桜に見せたいなって思ってたんだ。だから桜が咲いたらまた来よう。」
もしかしたら純はそれを伝える為に歩こうと言ったのかもしれない。春には生きているがわからないが、私の事を考えてくれた気持ちが嬉しかった。
「うん。私もここの桜見てみたい。」
「一目見たら感動するよ。あの海鮮丼と同じくらい。」
「花と食べ物を比較しないでよ。わかりやすくて純らしいけど。」
「わかりやすいなら何で比較したっていいんだよ。あー、これで桜との楽しみが増えたー」
純はスキップでもしてしまうのではないかと思う程喜んでいた。せめて春までは頑張らないとなと思った。
並木道を抜け、予定より早いけれど純の家に行く事にした。なんだか新婚さんみたいだなと一人で思って、一人で恥ずかしくなった。
「あ、桜、こっちから行こ。」
スーパーを出て、純の家に行く道を歩こうとしたら止められた。
「なんで?こっちの方が近いよ。」
「そっちは桜の家族に会う可能性が高くなる。だから遠回りだけどこっちから行こ。」
私の返事も聞かず、純は私の手を引くと歩き始めた。スーパーでの荷物は全て純が持ってくれてる。それなのに私の手を引けるなんて、男の人の力は凄いな。
話す事もなく歩く事十分。純の家に着いた。純はすぐに家の鍵を開け、私を家に入れてくれた。家族に見られないようにする為だろう。その何気ない気遣いが嬉しい。
「ただいまー」
「お邪魔します。」
「誰も居ないから楽にしてなよ。あ、薬飲む時間平気?」
「今飲む。」
薬ケースから薬を出す。純は買ってきた物の仕分けをしている。前に出かけた時は純に隠れて薬を飲んだっけ。数ヶ月前の事なのに懐かしく感じた。あの日は想像もしてなかったな。まさか私達が恋人同士になって、クリスマスに純の家に来る事になるなんて。
「桜、薬飲んだか?」
仕分けが終わったらしい純が戻って来た。私の隣に座った純の距離が近い。ドキドキする。純の顔を見れない。
「飲んだよ。」
「良かった。てかなんでそっぽ向いてるの?」
俺の事見てよ。と言って頬を軽く掴まれた。純と目が合って凄くドキドキする。顔が赤くなっていくのがわかる。
「純との距離が近いから...」
「いつもこんな感じじゃん。」
「そうだけど!いつもと格好が違うし...」
「もー、可愛い!俺の彼女が世界一!」
純はそう言うと私の事を力いっぱい抱きしめた。ふわっといい匂いがした。
「ここさ、春になると桜が沢山咲いて綺麗なんだよ。」
「そうなんだ。人が沢山来そうだね。」
「いつもここの桜見て、桜に見せたいなって思ってたんだ。だから桜が咲いたらまた来よう。」
もしかしたら純はそれを伝える為に歩こうと言ったのかもしれない。春には生きているがわからないが、私の事を考えてくれた気持ちが嬉しかった。
「うん。私もここの桜見てみたい。」
「一目見たら感動するよ。あの海鮮丼と同じくらい。」
「花と食べ物を比較しないでよ。わかりやすくて純らしいけど。」
「わかりやすいなら何で比較したっていいんだよ。あー、これで桜との楽しみが増えたー」
純はスキップでもしてしまうのではないかと思う程喜んでいた。せめて春までは頑張らないとなと思った。
並木道を抜け、予定より早いけれど純の家に行く事にした。なんだか新婚さんみたいだなと一人で思って、一人で恥ずかしくなった。
「あ、桜、こっちから行こ。」
スーパーを出て、純の家に行く道を歩こうとしたら止められた。
「なんで?こっちの方が近いよ。」
「そっちは桜の家族に会う可能性が高くなる。だから遠回りだけどこっちから行こ。」
私の返事も聞かず、純は私の手を引くと歩き始めた。スーパーでの荷物は全て純が持ってくれてる。それなのに私の手を引けるなんて、男の人の力は凄いな。
話す事もなく歩く事十分。純の家に着いた。純はすぐに家の鍵を開け、私を家に入れてくれた。家族に見られないようにする為だろう。その何気ない気遣いが嬉しい。
「ただいまー」
「お邪魔します。」
「誰も居ないから楽にしてなよ。あ、薬飲む時間平気?」
「今飲む。」
薬ケースから薬を出す。純は買ってきた物の仕分けをしている。前に出かけた時は純に隠れて薬を飲んだっけ。数ヶ月前の事なのに懐かしく感じた。あの日は想像もしてなかったな。まさか私達が恋人同士になって、クリスマスに純の家に来る事になるなんて。
「桜、薬飲んだか?」
仕分けが終わったらしい純が戻って来た。私の隣に座った純の距離が近い。ドキドキする。純の顔を見れない。
「飲んだよ。」
「良かった。てかなんでそっぽ向いてるの?」
俺の事見てよ。と言って頬を軽く掴まれた。純と目が合って凄くドキドキする。顔が赤くなっていくのがわかる。
「純との距離が近いから...」
「いつもこんな感じじゃん。」
「そうだけど!いつもと格好が違うし...」
「もー、可愛い!俺の彼女が世界一!」
純はそう言うと私の事を力いっぱい抱きしめた。ふわっといい匂いがした。