「んー、もう朝か。」
土曜日の朝五時。眠くてもう一度寝たいがダメだ。今日は純と出かけるから早く家の事を終わらせないといけない。そうでなければ次出かけさせてもらえるかわからない。また純と出かけたいからそうはいかない。
重たい身体を無理矢理動かした。
「うっ...」
家の事をやっていると何度も吐き気がした。寝不足もあるのだろう。今日が楽しみで全然寝れなかった。
思い通りに家の事が終わらずに時間ばかりが去っていく。何度もくる吐き気は我慢してなんとか終わらせた。家族は昨日の夜から出かけていていない。なんでも娘に任せるなよと思いながら私も家を出た。
時間五分前に着くと純はもう来ていた。久々に見る私服はシャツにジーンズという随分簡素なものなのにかっこよかった。
「あ、桜。」
どう声をかけようか迷っていると純が私に気がついた。その笑顔は見慣れているはずなのになぜかドキッとした。
「純、おまたせ。待った?」
「俺も来たばっかりだから大丈夫だよ。」
「待たせたかと思ったから良かった。」
「大丈夫大丈夫。さ、行こ。」
「うん。」
今日の天気は雲一つない晴天だ。だからか人が多く、電車は満員だった。
「桜、はぐれたら大変だから手、繋いでもいい?」
「いつもは許可取らずに繋ぐくせに。」
「今日はその...休日に出かけてるから!」
「なにそれ」
純にしては珍しく物をはっきりと言ってくれない。そんな純もたまにはいいなと思いながら手を握った。純の顔は真っ赤だ。
満員電車を降りても手は繋いだままだ。これから行く水族館はあまり有名ではない。だから知り合いに会う事もないだろう。仮に会ったとしても私の事なんて見てもわからないだろう。
水族館に着き、チケットを買うとキーホルダーが貰えた。
「可愛い...嬉しい...」
本当に嬉しくてつい声に出すと、純は笑って私の頭を撫でた。小さい子の扱いみたいで少し恥ずかしかった。
「撮影会やってまーす」
中に入ってすぐ、写真を撮ってもらえる所があった。私はあまり写真が好きではない。
けれど純は...
「桜、俺、撮ってもらいたい!」
写真を撮ってもらうのが好きだ。前に理由を聞いたら、過去を振り返った時に写真がある方が鮮明に思い出せるからだと言っていた。そういう考えもあるなと勉強になったから覚えている。
「撮ってもらってきな。私はここで...」
「桜も一緒にな。」
待ってると言おうとしたが遮られ、断る隙もなく写真を撮ってもらえるスポットに立った。
「お願いしまーす」
純が声をかけるとスタッフさんが写真を撮り始めた。折角撮ってくれてるのだから精一杯の笑顔を作った。
土曜日の朝五時。眠くてもう一度寝たいがダメだ。今日は純と出かけるから早く家の事を終わらせないといけない。そうでなければ次出かけさせてもらえるかわからない。また純と出かけたいからそうはいかない。
重たい身体を無理矢理動かした。
「うっ...」
家の事をやっていると何度も吐き気がした。寝不足もあるのだろう。今日が楽しみで全然寝れなかった。
思い通りに家の事が終わらずに時間ばかりが去っていく。何度もくる吐き気は我慢してなんとか終わらせた。家族は昨日の夜から出かけていていない。なんでも娘に任せるなよと思いながら私も家を出た。
時間五分前に着くと純はもう来ていた。久々に見る私服はシャツにジーンズという随分簡素なものなのにかっこよかった。
「あ、桜。」
どう声をかけようか迷っていると純が私に気がついた。その笑顔は見慣れているはずなのになぜかドキッとした。
「純、おまたせ。待った?」
「俺も来たばっかりだから大丈夫だよ。」
「待たせたかと思ったから良かった。」
「大丈夫大丈夫。さ、行こ。」
「うん。」
今日の天気は雲一つない晴天だ。だからか人が多く、電車は満員だった。
「桜、はぐれたら大変だから手、繋いでもいい?」
「いつもは許可取らずに繋ぐくせに。」
「今日はその...休日に出かけてるから!」
「なにそれ」
純にしては珍しく物をはっきりと言ってくれない。そんな純もたまにはいいなと思いながら手を握った。純の顔は真っ赤だ。
満員電車を降りても手は繋いだままだ。これから行く水族館はあまり有名ではない。だから知り合いに会う事もないだろう。仮に会ったとしても私の事なんて見てもわからないだろう。
水族館に着き、チケットを買うとキーホルダーが貰えた。
「可愛い...嬉しい...」
本当に嬉しくてつい声に出すと、純は笑って私の頭を撫でた。小さい子の扱いみたいで少し恥ずかしかった。
「撮影会やってまーす」
中に入ってすぐ、写真を撮ってもらえる所があった。私はあまり写真が好きではない。
けれど純は...
「桜、俺、撮ってもらいたい!」
写真を撮ってもらうのが好きだ。前に理由を聞いたら、過去を振り返った時に写真がある方が鮮明に思い出せるからだと言っていた。そういう考えもあるなと勉強になったから覚えている。
「撮ってもらってきな。私はここで...」
「桜も一緒にな。」
待ってると言おうとしたが遮られ、断る隙もなく写真を撮ってもらえるスポットに立った。
「お願いしまーす」
純が声をかけるとスタッフさんが写真を撮り始めた。折角撮ってくれてるのだから精一杯の笑顔を作った。