「へ?何が?」
「笑ってるよ。なにか良い事あったの?」
先生に言われて頬に手を当てる。笑っている自覚なかった。なんで私は笑ってるの?
「自覚なかった...」
「笑うのはいい事だよ。彼氏とか出来たの?」
「彼氏なんてそんな...」
彼氏と言われてすぐ純の顔が浮かんだが違う。純はただの幼なじみだ。
そんな私を見て先生は微笑んだ。
「田辺さんが笑ってる所初めて見た。それほど、良い事があるんだね。」
「良い事...」
前回の通院から変わった事といえば純と過ごす様になっただけだ。それが私が笑っている理由?少し違う気がした。
「その笑顔を守りたいから治療しようね。」
「うん...」
看護師さんに点滴をつけてもらい、終わるまでの間は暇だ。何となくスマホを開くと純からメッセージが届いていた。
─今度の休日、遊びに行かないか?─
今までの私なら無視していたが今の私はそんな事しない。純と最後に遊んだのは小学生の時だったが、楽しかった気がする。
─いいよ。どこ行く?─
一時間前のメッセージだったからすぐ既読はつかないだろうと思いながら返信したら、秒てわ既読がついて返信が返ってきた。
─桜、こういうの好きだったよな?─
その文とともに送られてきたのは、ずっと好きなキャラの写真だった。
─うん。好き。─
─このキャラが今、水族館とコラボしてるんだって。今週の土曜から数量限定のキーホルダーが貰えるんだって。─
─めっちゃ詳しいじゃん。─
─たまたま見つけたんだよ。どうする?─
─行く─
─決まりだな。土曜の十時、駅集合でいいか?─
返事をしようと文字を打とうとした時。猛烈な目眩でベットに座っていた私は床に倒れてしまった。その衝撃でスマホがどこかにいってしまった。だが息が苦しくてスマホの行方どころではない。
「田辺さん!?」
すぐに看護師さんが先生を呼びに行ってくれた。その間どうする事も出来なくて苦しかった。これは発作なの?点滴が合わなかったの?わからない。今わかっているのは、このままだと死んでしまうって事だけ。
やだ。まだ死ねない。純と水族館に行く約束をしたばかりなのに。
そこで私はさっき先生の前で笑った理由がわかった気がした。治療法が見つからないと思っているが、心の奥底では治療法が見つかると思っていて、純と一緒に成長する姿を想像したからだ。いつの間にか純は私の中で大事な存在になっている事に今、気づいた。
「田辺さん、わかる?」
先生が来てそう聞いてきた。それで少し安心した私は意識を失った。
「笑ってるよ。なにか良い事あったの?」
先生に言われて頬に手を当てる。笑っている自覚なかった。なんで私は笑ってるの?
「自覚なかった...」
「笑うのはいい事だよ。彼氏とか出来たの?」
「彼氏なんてそんな...」
彼氏と言われてすぐ純の顔が浮かんだが違う。純はただの幼なじみだ。
そんな私を見て先生は微笑んだ。
「田辺さんが笑ってる所初めて見た。それほど、良い事があるんだね。」
「良い事...」
前回の通院から変わった事といえば純と過ごす様になっただけだ。それが私が笑っている理由?少し違う気がした。
「その笑顔を守りたいから治療しようね。」
「うん...」
看護師さんに点滴をつけてもらい、終わるまでの間は暇だ。何となくスマホを開くと純からメッセージが届いていた。
─今度の休日、遊びに行かないか?─
今までの私なら無視していたが今の私はそんな事しない。純と最後に遊んだのは小学生の時だったが、楽しかった気がする。
─いいよ。どこ行く?─
一時間前のメッセージだったからすぐ既読はつかないだろうと思いながら返信したら、秒てわ既読がついて返信が返ってきた。
─桜、こういうの好きだったよな?─
その文とともに送られてきたのは、ずっと好きなキャラの写真だった。
─うん。好き。─
─このキャラが今、水族館とコラボしてるんだって。今週の土曜から数量限定のキーホルダーが貰えるんだって。─
─めっちゃ詳しいじゃん。─
─たまたま見つけたんだよ。どうする?─
─行く─
─決まりだな。土曜の十時、駅集合でいいか?─
返事をしようと文字を打とうとした時。猛烈な目眩でベットに座っていた私は床に倒れてしまった。その衝撃でスマホがどこかにいってしまった。だが息が苦しくてスマホの行方どころではない。
「田辺さん!?」
すぐに看護師さんが先生を呼びに行ってくれた。その間どうする事も出来なくて苦しかった。これは発作なの?点滴が合わなかったの?わからない。今わかっているのは、このままだと死んでしまうって事だけ。
やだ。まだ死ねない。純と水族館に行く約束をしたばかりなのに。
そこで私はさっき先生の前で笑った理由がわかった気がした。治療法が見つからないと思っているが、心の奥底では治療法が見つかると思っていて、純と一緒に成長する姿を想像したからだ。いつの間にか純は私の中で大事な存在になっている事に今、気づいた。
「田辺さん、わかる?」
先生が来てそう聞いてきた。それで少し安心した私は意識を失った。