体調がおかしいと気づいたのは中二の秋頃だった。
中二となれば受験に向けて勉強を頑張らないといけない時期。この時はまだ両親に期待していた頃だから寝る間も惜しんで勉強をしていた。だから体調が優れないのだろうと軽く考えていた。
だが体調は一向に良くならず、悪くなる一方だった。毎日頭が痛くて、吐き気、身体がフラフラした。些か(いささ)おかしいと思った私は、祖母に相談した。そしたらすぐ病院に連れて行ってくれた。
病院で診てもらうとけっこう大がかりな検査をする事になり二日間入院した。両親には祖母の家に泊まると嘘をついた。祖母は私が両親から酷い扱いを受けているのを知っているから協力してくれた。入院費も検査費も出してくれて、感謝してもしきれない。
全ての検査を終え、私と祖母は診察室に呼ばれた。私達を呼んだ看護師さんの表情が暗かったから良くない事は目に見えていた。
そしてその予感は的中する。
「検査の結果、桜さんはストレス性難病です。名前の通り難病で、今の所治療法がありません。」
医者にそう告げられ、祖母はショックを受けていたが私はそこまでではなかった。入院中、自分の症状を検索したらこの病名がヒットしたのだ。私と症状が一緒で、もしかしたらこれを告げられるかもと覚悟していた。
「この病気は過度なストレスが原因で発症します。症状は人それぞれなのでこれといった事は言えませんが、吐き気や目眩がよく言われています。悪化すると内蔵が使えなくなります。」
「そんな...」
祖母は私の手を握りながら泣いた。私は全く悲しくなかった。むしろ嬉しかった。やっとこの辛い生活から抜け出せるんだって。けれど今そんな事を言ったら祖母が悲しむから言わないけれど。
「私はあとどれぐらい生きれますか?」
「絶対とは言えないけど、高校生活まではもちそうだ。我々も全力で治療法を探すから一緒に頑張りましょう。」
私は病気を治さなくてもいいと思っている。だけど祖母が泣いて医者にお願いしている姿を見るとこれまた言えなかった。
「おーい、桜、聞いてる?」
純の声で我に返った。ここは放課後の教室で純に勉強を教えている所だった。窓から外を見ていたらいつの間にか昔の事を思い出していた。
「ごめん、聞いてなかった。何?」
「桜がボーッとしてるの珍しいな。この問題の解き方教えて欲しくて。」
「あぁ、これはね...」
あれから私へのいじめはぴたりとなくなった。あの日以降、純がずっと私のそばにいてくれたから、私に手出しは出来ないと思ったのだろう。今は純と私が一緒にいるのが当たり前になっている。だからこそ、病気の事はバレてはいけない。
中二となれば受験に向けて勉強を頑張らないといけない時期。この時はまだ両親に期待していた頃だから寝る間も惜しんで勉強をしていた。だから体調が優れないのだろうと軽く考えていた。
だが体調は一向に良くならず、悪くなる一方だった。毎日頭が痛くて、吐き気、身体がフラフラした。些か(いささ)おかしいと思った私は、祖母に相談した。そしたらすぐ病院に連れて行ってくれた。
病院で診てもらうとけっこう大がかりな検査をする事になり二日間入院した。両親には祖母の家に泊まると嘘をついた。祖母は私が両親から酷い扱いを受けているのを知っているから協力してくれた。入院費も検査費も出してくれて、感謝してもしきれない。
全ての検査を終え、私と祖母は診察室に呼ばれた。私達を呼んだ看護師さんの表情が暗かったから良くない事は目に見えていた。
そしてその予感は的中する。
「検査の結果、桜さんはストレス性難病です。名前の通り難病で、今の所治療法がありません。」
医者にそう告げられ、祖母はショックを受けていたが私はそこまでではなかった。入院中、自分の症状を検索したらこの病名がヒットしたのだ。私と症状が一緒で、もしかしたらこれを告げられるかもと覚悟していた。
「この病気は過度なストレスが原因で発症します。症状は人それぞれなのでこれといった事は言えませんが、吐き気や目眩がよく言われています。悪化すると内蔵が使えなくなります。」
「そんな...」
祖母は私の手を握りながら泣いた。私は全く悲しくなかった。むしろ嬉しかった。やっとこの辛い生活から抜け出せるんだって。けれど今そんな事を言ったら祖母が悲しむから言わないけれど。
「私はあとどれぐらい生きれますか?」
「絶対とは言えないけど、高校生活まではもちそうだ。我々も全力で治療法を探すから一緒に頑張りましょう。」
私は病気を治さなくてもいいと思っている。だけど祖母が泣いて医者にお願いしている姿を見るとこれまた言えなかった。
「おーい、桜、聞いてる?」
純の声で我に返った。ここは放課後の教室で純に勉強を教えている所だった。窓から外を見ていたらいつの間にか昔の事を思い出していた。
「ごめん、聞いてなかった。何?」
「桜がボーッとしてるの珍しいな。この問題の解き方教えて欲しくて。」
「あぁ、これはね...」
あれから私へのいじめはぴたりとなくなった。あの日以降、純がずっと私のそばにいてくれたから、私に手出しは出来ないと思ったのだろう。今は純と私が一緒にいるのが当たり前になっている。だからこそ、病気の事はバレてはいけない。