太陽みたいな君に、初めての恋をした

「岩瀬くん、本当にこの大学でいいの?」
満開に咲いていた桜も少しずつ散っていき、春も終わりに差しかかる。
僕たちはもう三年生へと成長していた。
三年生になっということは、進路について考えないといけない。
だけど僕はもう進路は決めている。
あの日から僕の将来の夢は、決まっていたんだ。
進路に関する話で、僕は工藤先生に呼ばれた。
「はい、僕はこの大学に行きます」
工藤先生はだいぶ心配したような顔で、僕の顔を見ている。
「この大学だと必然的に将来の仕事は決まってしまうかもしれないのよ」
「構いません。僕が決めたことなので」
僕は真剣に先生を見つめる。
「分かったわ。それなら頑張りなさい」
「はい、ありがとうございます」

「莉緒と亮太は大学行くの?」
「もちろん」
「私も行くよ」
三年生になって僕たちは同じクラスになった。
二人は今も良好な関係だ。
「光希は大学どうするんだ?」
「僕は行きたい大学があるんだよね」
「お? どこだ?」
「秘密」
二人にはまだ秘密だ。僕が合格したら二人には教えようと思っている。
それまでは悪いけど言うつもりは無い。
「はい、じゃあ進路希望の紙を一人ずつ提出してね」
番号順に一人ずつ紙を出していく。
「お願いします」

僕は先生に教育大学と書かれた進路希望の紙を提出した。