『光希くんへ!
この手紙を読んでいるということは、無事にあの問題が解けたんだね!
光希くんなら必ず解けると思ってたよ!
いざ手紙を書くと言っても、何を書いたらいいか分からないので、私の思ったことを書きます。
光希くんは覚えていないと思うけど、実は私たちって中学校の時に出会ってるんだよ。
実を言うと、光希くんが足を怪我して病院に来たとき、私もその病院にいたの。
君はバスケで有名だったから、もちろん知ってたよ。
それに私は君に憧れていた。
試合中あんなに輝いている人初めてみたもん。
あの時の君は、すっごいカッコよかった。
でもそんな君が光をなくした様な顔をしてたから、勇気を出して声をかけたんだけど、きっと忘れちゃってるかな。
私もあの時は病気のせいで生きることに絶望していたから、君の言葉に救われたんだよ。
なんて言ったかなんて覚えてないよね。
「少しの可能性があるのなら、その可能性に賭けるよ。
諦めてしまったら全てが終わってしまう」
その日から私は頑張って生きてみようと思ったの。
長かった髪は切って、君のように明るい人を目指したの。
今の私があるのは君のおかげなんだよ。
一言じゃ表しきれないけど、本当にありがとう』
一枚目の手紙はそこで終わっていた。
この手紙がなければ、僕はきっと一生知らなかっただろう。
病院にいた時、一人の女の子が話しかけに来たのは微かに覚えている。
その子は髪が長くて、静かめな印象があった。
まさか、その子が朱莉だったなんて思いもしなかった。
僕の言葉で彼女はあんなにも変わったんだ。
あの時の僕は、見ず知らずの子に、そんなことを言っていたのか。
今考えるとすごい恥ずかしいな。
だけど、僕はずっと勘違いをしていたんだね。
君のおかげで僕が変われたんじゃなくて、僕が君を変えたんだね。
太陽は君の方じゃなくて、僕の方だったのかもしれないな。
『高校に入って君がいることを知った時は、本当に驚いたよ!
でも私が君を見た時、あの頃の君の姿は無かった。
だから私はあの頃の君に戻って欲しくて、バスケを勧めたんだけど、きっと迷惑だったよね。ごめんね。
君がもうバスケをしないって言った時は、悲しかったな。
私は君のバスケをしてる姿が大好きだったから。
でも、また君がバスケをしたいって思えることを、私は願ってるよ!
ずっと言ってなかったけど、私は光希くんのことが好きだよ。
もしかしたら気づかれちゃってたかな?
バスケの試合を見た日から、ずっと君に心惹かれてたよ。
君は明るくてまさに、太陽のような人だった。
私はそんな君に初めての恋をした』
「そんなことわかってたよ・・・・・・」
僕だって君のことが好きだった。
いつだって明るく元気な君の存在が、日に日に僕の中では大きくなっていたんだ。
君にとっての太陽は僕だったかもしれないけど、僕にとっての太陽は紛れもない君なんだ。
もっと早くに好きだと伝えていたら、何か変わっていたのかな。
君は病気に一人でずっと闘っていたのに、僕は君に何もしてあげられなかった。
今すぐ朱莉に会いたいよ。
出来ることなら彼女のことを強く抱き締めてあげたい。
そんな願いは決して叶うことは無いのに。
『きっと私の体はもうすぐで終わりを迎えると思う。
死にたくないよ・・・・・・
光希くんともっと色んなことしたかったな。
沢山お出かけして、美味しい物食べたかったな。
病気じゃなかったら、もっと一緒にいて、ずっと笑っていられたのかな。
出来ることなら、君の彼女になりたかった。
長い人生を君と共にすごしたかった。
もうすぐ終わりが来ちゃう。
だから、私の最後のわがままを聞いて欲しい。
私の分も幸せになって欲しい。
私は君からたくさんの幸せを貰った。
だけど、私は君を幸せにしてあげられなかった。
だから、君はもっとたくさん幸せになって欲しい。
そして最高な人生だったって言えるようにしてね。
本当に沢山迷惑かけてごめんね。
わがままばっかりでごめんね。
一緒に居られなくてごめんね。
幸せにしてあげられなくてごめんね。
それでもこんな私の近くにずっといてくれてありがとう。
私に生きる希望をくれてありがとう。
幸せにしてくれてありがとう。
いっぱいいっぱいありがとう。
だいすき!』
読み終わった時、僕は泣いていた。
目の前にあるのは、変わることの無い現実。
どんなに泣いたって、どんなに後悔したって、朱莉にもう会うことなんて出来ない。
彼女のいない世界が、こんなにも真っ暗だなんて思わなかった。
「・・・・・・あかり・・・・・・」
抑え込んでいたものが、一気に溢れ出して止まらなかった。
僕は赤子のようにその場で泣き続ける。
今の僕を宥めてくれる人なんて、もうこの世にはいない。
謝らなきゃいけないのも、感謝をしなきゃいけないのも、全部僕の方だ。
彼女は僕のためを思ってたくさん行動をしてくれた。
なのに僕は、何一つとして彼女を思っての行動が出来なかった。
本当に僕はダメな人間だった。
それでも彼女はいつも僕のそばにいてくれた。
感謝をするのは僕の方だ。
僕の高校生活に色がついたのも、毎日が楽しいと思えたのも、全部君のおかげだった。
君が僕に声をかけてくれて嬉しかった。
君といる時間が一番幸せだった。
君がいたから僕は心から笑えた。
「ありがとう・・・・・・あかり・・・・・・」
僕の言葉が君に届いてくれることを願う。
彼女が生きている時に、何もしてあげられなかったけど、今の僕が彼女のために出来ることがある。
そのためには君のような人にならないといけないな。
君のように笑えるように僕も頑張らないといけない。
なれるのかな、君みたいな人に。
君みたいな自分も周りも明るくできるような人に。
残念だけど、僕はまだ君のようにはなれないな。
だけど、必ず君がやりたかったことを僕はやり遂げるよ。
僕は快晴の空を見ながら、強く決意した。
この手紙を読んでいるということは、無事にあの問題が解けたんだね!
光希くんなら必ず解けると思ってたよ!
いざ手紙を書くと言っても、何を書いたらいいか分からないので、私の思ったことを書きます。
光希くんは覚えていないと思うけど、実は私たちって中学校の時に出会ってるんだよ。
実を言うと、光希くんが足を怪我して病院に来たとき、私もその病院にいたの。
君はバスケで有名だったから、もちろん知ってたよ。
それに私は君に憧れていた。
試合中あんなに輝いている人初めてみたもん。
あの時の君は、すっごいカッコよかった。
でもそんな君が光をなくした様な顔をしてたから、勇気を出して声をかけたんだけど、きっと忘れちゃってるかな。
私もあの時は病気のせいで生きることに絶望していたから、君の言葉に救われたんだよ。
なんて言ったかなんて覚えてないよね。
「少しの可能性があるのなら、その可能性に賭けるよ。
諦めてしまったら全てが終わってしまう」
その日から私は頑張って生きてみようと思ったの。
長かった髪は切って、君のように明るい人を目指したの。
今の私があるのは君のおかげなんだよ。
一言じゃ表しきれないけど、本当にありがとう』
一枚目の手紙はそこで終わっていた。
この手紙がなければ、僕はきっと一生知らなかっただろう。
病院にいた時、一人の女の子が話しかけに来たのは微かに覚えている。
その子は髪が長くて、静かめな印象があった。
まさか、その子が朱莉だったなんて思いもしなかった。
僕の言葉で彼女はあんなにも変わったんだ。
あの時の僕は、見ず知らずの子に、そんなことを言っていたのか。
今考えるとすごい恥ずかしいな。
だけど、僕はずっと勘違いをしていたんだね。
君のおかげで僕が変われたんじゃなくて、僕が君を変えたんだね。
太陽は君の方じゃなくて、僕の方だったのかもしれないな。
『高校に入って君がいることを知った時は、本当に驚いたよ!
でも私が君を見た時、あの頃の君の姿は無かった。
だから私はあの頃の君に戻って欲しくて、バスケを勧めたんだけど、きっと迷惑だったよね。ごめんね。
君がもうバスケをしないって言った時は、悲しかったな。
私は君のバスケをしてる姿が大好きだったから。
でも、また君がバスケをしたいって思えることを、私は願ってるよ!
ずっと言ってなかったけど、私は光希くんのことが好きだよ。
もしかしたら気づかれちゃってたかな?
バスケの試合を見た日から、ずっと君に心惹かれてたよ。
君は明るくてまさに、太陽のような人だった。
私はそんな君に初めての恋をした』
「そんなことわかってたよ・・・・・・」
僕だって君のことが好きだった。
いつだって明るく元気な君の存在が、日に日に僕の中では大きくなっていたんだ。
君にとっての太陽は僕だったかもしれないけど、僕にとっての太陽は紛れもない君なんだ。
もっと早くに好きだと伝えていたら、何か変わっていたのかな。
君は病気に一人でずっと闘っていたのに、僕は君に何もしてあげられなかった。
今すぐ朱莉に会いたいよ。
出来ることなら彼女のことを強く抱き締めてあげたい。
そんな願いは決して叶うことは無いのに。
『きっと私の体はもうすぐで終わりを迎えると思う。
死にたくないよ・・・・・・
光希くんともっと色んなことしたかったな。
沢山お出かけして、美味しい物食べたかったな。
病気じゃなかったら、もっと一緒にいて、ずっと笑っていられたのかな。
出来ることなら、君の彼女になりたかった。
長い人生を君と共にすごしたかった。
もうすぐ終わりが来ちゃう。
だから、私の最後のわがままを聞いて欲しい。
私の分も幸せになって欲しい。
私は君からたくさんの幸せを貰った。
だけど、私は君を幸せにしてあげられなかった。
だから、君はもっとたくさん幸せになって欲しい。
そして最高な人生だったって言えるようにしてね。
本当に沢山迷惑かけてごめんね。
わがままばっかりでごめんね。
一緒に居られなくてごめんね。
幸せにしてあげられなくてごめんね。
それでもこんな私の近くにずっといてくれてありがとう。
私に生きる希望をくれてありがとう。
幸せにしてくれてありがとう。
いっぱいいっぱいありがとう。
だいすき!』
読み終わった時、僕は泣いていた。
目の前にあるのは、変わることの無い現実。
どんなに泣いたって、どんなに後悔したって、朱莉にもう会うことなんて出来ない。
彼女のいない世界が、こんなにも真っ暗だなんて思わなかった。
「・・・・・・あかり・・・・・・」
抑え込んでいたものが、一気に溢れ出して止まらなかった。
僕は赤子のようにその場で泣き続ける。
今の僕を宥めてくれる人なんて、もうこの世にはいない。
謝らなきゃいけないのも、感謝をしなきゃいけないのも、全部僕の方だ。
彼女は僕のためを思ってたくさん行動をしてくれた。
なのに僕は、何一つとして彼女を思っての行動が出来なかった。
本当に僕はダメな人間だった。
それでも彼女はいつも僕のそばにいてくれた。
感謝をするのは僕の方だ。
僕の高校生活に色がついたのも、毎日が楽しいと思えたのも、全部君のおかげだった。
君が僕に声をかけてくれて嬉しかった。
君といる時間が一番幸せだった。
君がいたから僕は心から笑えた。
「ありがとう・・・・・・あかり・・・・・・」
僕の言葉が君に届いてくれることを願う。
彼女が生きている時に、何もしてあげられなかったけど、今の僕が彼女のために出来ることがある。
そのためには君のような人にならないといけないな。
君のように笑えるように僕も頑張らないといけない。
なれるのかな、君みたいな人に。
君みたいな自分も周りも明るくできるような人に。
残念だけど、僕はまだ君のようにはなれないな。
だけど、必ず君がやりたかったことを僕はやり遂げるよ。
僕は快晴の空を見ながら、強く決意した。