呪法奇伝Trash~森部高校のろい奇譚~

 ――奔れ、奔れ、その命の絶えるまで。
 奔れ、走れ、思うさま――。
 お前の望みは叶えられた――、その命尽きるまで、その想いを遂げるがいい。
 ――「()()()()……」その望みのまま逝くがよい。
 その()()()はお前の想い――、
 それこそが、お前の心からの望みであろう?
 ――(わたし)はその想いを叶えるもの。
 さあ――喜びのまま、闇を奔れ――。
 ――そして、……。


 森部市森部町――、その月光の下に、奔る一つの影があった。
 それは人ではあったが、その速度はもはや人ならざる者の走りにて――、
 近くの道行く人すらそれに気づくことはなく、まるで疾風そのものであった。

「おい! 急げ羽村!!」
「ま……まて、この――」

 そして、その疾風をそのはるか後方より追う二人の影もあった。
 それは、森部市立森部高等学校の制服を着た二人の少年。
 その胸には――、
 『羽村誠』――、そして『近藤敏明』――と、名札を見ることが出来た。

「く――、なんて早さだよ! これじゃあ追いつけん!!」
「うぐ……げほ」

 近藤敏明が疾風を遠くに見つつ悪態をつき、羽村誠は口を押えて催す吐き気を我慢している。
 敏明は誠のその姿に頭を掻きつつ言った。

「大丈夫か? 羽村……」
「大丈夫に見えるのか?」
「まあ――、そうだな」

 敏明は苦笑いしつつ走る。それよろよろとした足取りで追いかける誠。

「なあ……羽村。お前のアレで何とかならんのか?」
「それは――、その後の始末はお前がやるっていう意味か?」
「む……」

 誠のその言葉に敏明は口ごもる。それもそのハズ――、

「前にも言ったろ? 今の(おれ)の――、羽村誠の才能じゃ、アレはたいていの場合、一日に一回が限界なんだよ」
「それは――、そうだったな」
「うぐ……くそ。なんて(おれ)は体力がない――。もっと体を鍛えておくべきだった」
「はは――、今からでも遅くないだろ?」

 のんきにそんなことを宣う敏明を睨みつけながら、誠は必死に前方を走る疾風を目指し走る。
 まあ――、当然のごとく追いつくことはできないが。

「うぷ……、ちくしょう。ここは――、こいつで……」

 誠はついにその場に立ち止まって息を荒くしつつ懐を探る。
 前を走っていた敏明が気づいて誠に声をかける。

「大丈夫か?! 羽村!!」
「うるさい――、夜中だぞ……。すこし静かにしろ」

 そう敏明に言葉を返しつつ誠は懐の中の一枚の紙を取り出した。
 ――それは、まるで飛行機――、或いは翼を広げた鳥のように切り抜かれた白い紙であり――、

「疾く――」

 誠がそう呟いた瞬間に、ソレは空へと飛び立ち――、奔る疾風を追うように飛翔していったのである。

「おい――、アレは? 大丈夫なのか?」
「多少、チカラをつかったが――、この程度なら影響はない」
「ならいいが」

 誠と敏明は、その紙の鳥が飛び去った方角を眺める。
 その先に走っていった疾風を――、決して逃がすわけにはいかない。

 乱れる呼吸を整えつつ誠が言う。
 
「ふん――、()()()()の奴。本当に厄介なことをしおって……」
「でも……あいつを止めねばならん」
「当然だ――、絶対に(おれ)が止める」

 それは”決意”――。何よりも今この事態を解決できるのは、自分たちしかいないのだから。

 ――それは、かの矢凪潤が森部市を去って後、数か月後に起こった表には出ることのなかった、とある呪詛事件に関する記録。
 羽村誠――、そして近藤敏明の、二人の静かな戦いの物語である。


 ――そして、物語は()()()へと遡る。
 ……ユルサナイ
 アイツラ……ゼッタイニ
 ソウサ……コレハテンチュウダ
 アンナクサッタヤツラ……イカシテオイテモイミハナイ
 ソウダ……ボクハ

 ボクハ……『――……』ニナッタンダ……



 岐阜県森部市森部町
 森部市立森部高校の体育館裏

「なー……聞いてるん? マコちゃんよ……」
「おいおいww いい加減にしないとマコちゃん泣いちゃうぜww」

 生徒も下校をはじめた放課後。『僕』は三人のクラスメイトに囲まれていた。
 クラスメイトといっても別に友達なわけじゃない。いつも、この三人は『僕』に絡んでくるのだ。
 今日も、家に帰ろうと席を立ったときに、呼び止められここに連れてこられた。

「おい、誠……。今日はこんだけなのか?」

 『僕』を囲んでいる三人のリーダー格『永瀬正人(ながせまさと)』が『僕』の財布を地面に捨てながら言った。
 そんなことをしたら財布が土で汚れるだろうが! ……なんて、その程度のことでわざわざ『僕』は怒ったりしない。

「……よお、明日はもっと持ってきてよね。マコちゃんw ボクタチお小遣いがほしいのww」

 三人のうちのもう一人『国府勝(こくぶまさる)』が『僕』の肩に馴れ馴れしく肩を回してくる。最後の一人『近藤敏明(こんどうとしあき)』 はタバコを口にくわえながらただ『僕』をイライラした表情で眺めている。

 こいつ等は、まさしく糞蝿のように『僕』にたかって来るどうしようもない奴らだ。教師の前ではいい子面しているのがなお悪い。 『僕』がナイフでももって刺してやれば終わりだろうが、まあ『僕』はこんな奴らのために犯罪者になるのはごめんだ。

「おい……きいてんのか?」

 永瀬が『僕』の襟をつかんで『僕』を引き寄せる。そんなことしなくても君の顔は見えてるよ……。

「わかてるよ……。持ってくるから……」

 こういっておけば、たいていこの場は収まる。いつものことだ。

 ……と、その時、――僕はこれが過去の出来事だといまさらに気づく。
 そう――これは――……。


「おい、羽村――、こんなところで寝てると、風邪をひくぞ?」

 学校の校舎の屋上で眠りこけていた僕は――、そんな彼の声で目が覚めた。

「う……ん?」

 悪夢を見た――、ここ最近は見ることのなかった悪夢を。
 そんな僕の事を、心底心配そうに見つめているのは、夢の中にもいたあの――、

「近藤……くん?」
「羽村――、お前は一応病人なんだから――、こんなところで一人でいちゃ駄目だぜ?」
「心配……ないよ」

 僕は近藤君――、近藤敏明から目をそらしつつそう答える。
 病人――、彼はそう言うが、ちょっとした記憶喪失だ――、別に生活に支障がある話ではない。
 まあ――どこかで強く頭を打ったのかもしれないと言われてはいるが――。
 そんな僕の事を本気で心配そうに見つめる近藤君――、
 僕は彼がなぜここまでに変わったのかは知らない。

 元々、彼は僕をいじめていたグループの一人だった。だが僕が記憶を失った――、その数日の間にどうやら彼の仲間の二人が、何かの理由で死んだらしく、彼もまたその間に何かがあって――、まるで人が変わったかのように、周囲に、僕に振る舞うようになったらしい。
 彼は、それまで自身が陰でいじめていた人たちに謝罪し、その罪滅ぼしとして様々なことをしているらしく――、僕にこうして話しかけてくるのも、その一環であろうと推測できた。
 正直、あれほどいじめられてきた僕にとっては――、ただ煩わしいだけで……。

「羽村?」

 近藤君が心配そうに僕を見る。僕は小さく笑って答えた。

「うん……ありがとう。大丈夫だよ」
「そうか……」

 近藤君はそう言って僕に笑顔を向けた。


◆◇◆


 ――近藤君が心を変えたといっても、僕に対するいじめがなくなったわけではなかった。
 中心となる三人組が消えてもなお――、僕に嫌な目を向ける者はいたのである。
 その一人が――、

「おい――マコちゃんよぉ。アレは持ってきたのか?」
「……」
 
 僕は、放課後の校舎裏でその男、堀尾博昭(ほりおひろあき)を黙って見つめる。その態度が彼のカンに障ったのか、僕の襟を掴んで引き寄せて言った。

「てめえ――、最近調子に乗ってんのか?! ゴミのくせして――」

 社会のゴミはそっちだろう――、僕はそう心の中で思ったが口には出さなかった。
 その心を読んだのか、堀尾は怒りの表情を浮かべながら僕の襟をもって持ち上げようとする。
 まあ――、彼の身長は僕より低いから、ちょと無理な体勢になっているが。

「調子に乗って――」

 ――と、不意に、

「そこで何してんだ!!」
「あ――……」

 強い声がかけられた。その主を知っている僕たちは、その声のする方を見た。
 そこに近藤君がいた――。

「堀尾――、てめえ……羽村に手を出すなって、あれほど言ったろ!!」
「ち……、なんだ近藤? 正義の味方の登場か?」
「茶化すな――、俺は」

 堀尾は近藤君を――、心底歪んだ目で見る。かつては楽しげに僕をいじめていた二人が――、お互いに睨み合っている。

「てめえ――、近藤――、いい子ちゃんになって、羽村とお友達になって楽しそうだな」
「そんなんじゃねえよ……」
「ふん! てめえも一緒にこいつで遊んでいたクチのくせして――、なに善人ぶってんだよ! このクズ!」
「堀尾――」

 近藤君は僕たちの前までやってくると、僕の襟をつかんでいる堀尾の腕を掴んだ。

「く……」

 近藤君の腕力で、堀尾の腕は容易く外れる。僕は襟を正した。

「てめえ――、近藤――、”ぶっ殺すぞ”――」
「勝手にしろ――」

 そう言って堀尾の腕を掴んだまま彼を見つめる近藤君。
 しばらくすると、堀尾はその腕を振りほどいて――、そして舌打ちを一つしてその場を去っていった。

「ふう――」

 それを見送りつつ近藤君はため息をつく。そして――、

「羽村――、なんって言うか――、ああいう手合いに呼び出されても、ついていっちゃだめだぜ? もしなんかあれば俺に言えよ?」
「――うん、ごめん」

 僕はそう言って近藤君に謝罪した。
 ――本当に近藤君は変わった。彼はこうしていじめられている、かつて自分がいじめていた子たちを助けているらしい。
 そして――、それはかつては同じグループであった連中と衝突し――、その目の敵とされる行動だったが、彼はどのような嫌がらせを受けても、助けることをやめようとはしない。

 ――ああ、本当に煩わしい。僕は――。

「よかったの? 堀尾くんの事は――」
「心配するなよ。これは俺が――解決すべきことだから」
「……」

 死ねばいいと思った――。
 本気で死ねばいいと思った近藤君の事を――、正直僕は心配している。
 本当に煩わしい――。本当に――。

「それより羽村――、放課後空いてるか?」
「う……ん?」

 そうして笑顔を向ける近藤君に、僕はぎこちない笑顔を向けた。


◆◇◆


「畜生――、ぶっ殺してやる」

 闇の中、そう呟く男がいる。それは堀尾博昭。
 彼は夜の街を歩きながら、何度も”ぶっ殺す”――と呪文のように唱えている。
 それは彼の口癖――、本気で相手を殺す根性など彼は持ってはいない。
 しかし、彼はそれを周囲に吐き散らす。

「ああ――、近藤の野郎――、勝手にいい子ちゃんになりやがって」

 かつては一緒に遊んでいた男を憎々しげに思う。
 それは――、どのような感情からなのか?

「それがあなたの、大切な()()()ですか?」

 ――不意に、彼に話しかける者がいた。堀尾は少しぎょっとして、声の聞こえてくる路地裏を見た。
 そこに、()()()はいた――。

「驚かせてすみませんね。僕の名は――」
「??」

 その名を聞いても、堀尾には彼の正体がわからなかった。だから――、

「なんだてめえ――、俺になんか用か?!」

 威嚇しつつそう答える。それに対し――、

「いえいえ――、僕はあなたの心を救うモノ――、その()()()を実現させてあげましょう」
「え?」

 それは闇より響く声――。
 それは、呪詛の籠った()()()――。
 かくして堀尾の口癖は――、チカラを得た。

 ――それが後々まで続く、()()()()()()()()()()()の始まりであった。
「……」

 その時僕は困惑していた。なぜなら今僕は繁華街で、近藤君と買い物をして歩いているからだ。

「どうだ? その服は気に入ったか?」
「う……ん」
「ははは……気にすんなよ? 金なら俺が出すから」
「でも……」

 近藤君の笑顔に僕は困惑の表情を浮かべる。それにかまわず近藤君は笑いながら僕に別の服を示してくる。

「お前は顔は悪くないんだから、服とかしっかりすればもっとモテるはずだ」
「そんなこと……、僕は」
「『どうでもいい』か? 駄目だぜ? お前がモテるようになって、友達が増えれば孤立することもなくなって、きっといじめもなくなるはずなんだ」
「近藤君……」
「まあ俺の勝手な思い込みかもしれんが……、それでも彼女の一つでもできれば俺はうれしい」

 本当に近藤君は変わった。僕はもう申し訳ない気持ちでいっぱいになっていた。

「近藤君……」
「はは……今度はこいつを」
「近藤君!!」
「ん?」

 僕は意を決して近藤君に言葉をかける。

「僕は……もういいから。もう近藤君の事は恨んでいないし。大丈夫だから」
「……」
「だから……、こんなことをしていたら君は」

 近藤君が、その代わりようから彼自身が周囲の昔の仲間から孤立しているのは耳に入ってきている。言っても奴らはいじめ集団なのだ。彼らなら別の生徒を脅迫して近藤君を次のいじめ対象にするぐらいのことはする。
 僕が心配そうに近藤君を見つめていると、近藤君は朗らかに笑った。

「なんだ? 俺を心配してくれるのか? 大丈夫だって……俺はするべきことをしているだけだ」
「でも……、このままじゃ近藤君が……」
「昔のツレどもの事か? あいつらの事は関係ない。まあ、いつか俺があいつらのいじめを辞めさせるって思ってはいるが」
「近藤君」
「俺の心配なんてするな羽村……。俺はただのクズだ……」

 近藤君はそう言って楽し気に笑った。


◆◇◆


 日が落ちて近藤君と一緒に家への帰り道を急いでいると、森部児童公園の前へとたどり着いた。

「……」
「どうした?」

 僕がその場に止まって公園を眺めていると近藤君が心配そうに話しかけてくる。

「うん? 何か……思い出しそうになった」
「そうか?! 記憶喪失が治るかもしれんから、公園によってみるか?」
「え……でも」
「いいから」

 近藤君は僕の手を引いて公園の中へと歩いていく。しばらくして公園の中央にあるベンチへとたどり着いた。

「なんか思い出したか?」
「……なにも」
「……そうか、すまん」
「なんで近藤君が謝るの?」

 近藤君は心底申し訳なさそうに答える。

「まさかと思ってな……」
「まさか?」
「ああ、俺たちがいじめていたのが、お前の精神に影響して、記憶喪失になったのかもって」

 そうか……、やっと僕は理解する。近藤君は記憶喪失の原因が自分にあると想っているのだ。だから、それが治るまでは彼の贖罪は終わらないと思っているのだろう。

「もういいよ」
「ん?」
「もういいんだよ!! もう恨んでなんかいないから!!」
「どうした? 羽村」
「このままじゃ僕と一緒に近藤君までいじめにあうだろ?!」
「そんかこと、かまわ……」
「構わなくないよ!! 何考えてるんだよ!! 昔みたいにしていれば少なくとも孤立なんて……」

 その僕の言葉に、近藤君は最近ではしなかった怖い顔をした。

「お前は……俺に昔に戻れというのか?」
「そうすれば……」
「俺は……もう昔には戻らないと誓った」
「どうして?」
「……ばあちゃんと。そして俺の命を救ってくれた人たちとの約束だからな」

 ……と、不意にその言葉を聞いて、激しい頭痛が僕を襲った。さらに、言いようのない気持ち悪さが心の奥から昇ってくる。……これは、後悔?

「うう……」
「おい?! 大丈夫か?」

 心配そうに近藤君が僕の身体を支えてくれる。その時、不意に児童公園内に声が響いた。

「ひひほいひひひひひひひひひひひひいひいひひひ……『ぶっ殺す』ぅ……」
「?」

 その声の主の方を見るとそいつがいた。

「え? 堀尾?」

 困惑の表情で近藤君が彼を見る。なぜなら、いまのそいつは明らかに常軌を逸していたからである。

「けははははははははははは……『ぶっ殺す』ぅ!!」
「な?!」

 それはいきなりであった。奇声を上げる堀尾が僕たちに向かって襲い掛かってきたのだ。咄嗟に近藤君が僕を庇い前に出る。

「堀尾!!」
「『ぶっ殺す』ぅ!!」

 ドン!!

 それは現実ではありえない光景だった。その堀尾の拳で殴られた近藤君が、木の葉のように宙を舞ったのである。

「がは!!」

 血反吐を吐いて地面に転がる近藤君。僕は言葉のない悲鳴を上げた。

「羽村ぁ……」

 そいつは常軌を逸した血走った目で僕を見る。それはもはや人の姿をしたバケモノであり……、僕はその場に固まることしかできなかった。

「けははは……お前のせいで」

 不意に堀尾の顔が怒りに表情に歪む。そして僕の襟首を掴んできた。

「う……が」
「ひひ」

 僕は堀尾に片腕で吊り上げられて身動きが取れなくなる。その時……、

「やめろぉぉぉぉぉ!! 堀尾!!」

 口から反吐を吐きながら近藤君が僕の下へと走ってくる。それを見て堀尾は……。

「『ぶっ殺す』ぅ!!」

 僕を思いっきり近藤君へ向かって投げ飛ばしたのである。僕は……、
 そのまま意識を闇へと落とした。


◆◇◆


 ――燃える燃える紅蓮の炎。
 それは深紅の目を持つ炎の(おおとり)
 ああ――、その炎を手のひらで弄びながら、泣き崩れる少年を嘲笑う者がいる。

”本当に馬鹿な奴だ――、君が自殺でもしていればそいつは消し炭になることもなかったのに。”
”すべては君のせいだよ――……くん”

 傲慢に泣く者を見下ろすそいつ。そいつが語ったその名前は思い出せない。泣き崩れて――、失った愛犬の首輪を抱いていたのは誰だったのか?

”僕は正義の味方になった――、悪しき呪いの魔眼を持つ者は、僕が滅ぼす――”

 ああ――、なんという愉悦――、(そいつ)はただいじめられるだけのみじめな存在ではなかった。
 一人目は意識せず殺した――、
 二人目は期待して願いを込め殺した――、
 三人目は――、目の前の泣き崩れる奴に邪魔をされて――、結局生き残りやがった。
 世の中のためにならないクソバエどもを断罪しているのに――、奴は邪魔をしたのだ。
 ”正義の執行”――、(そいつ)は選ばれし”正義の味方”。

 ただ無為に生きる日々――、
 いじめられてみじめに這いつくばる日々――、
 全てはこの日のための試練だった。
 ――だと思っていた。

「そうだ――、僕は、結局騙されて――、愉悦に浸っていた。いじめっ子が焼け死ぬのが――」

 ――楽しくて仕方がなかった。

 ああ――、彼は言った。

「俺の心配なんてするな羽村……。俺はただのクズだ……」

 恨みはあったさ――、殺したいって思うのも仕方がない――のかもしれない。
 でも、僕は確かに力を得て――、そして、彼らがいじめられっ子をいじめるのと同じように――、
 ただ弱いものが嘆くのが楽しかった――。

 ――そんな僕と――
 近藤君と――、
 何処に違いがあると言うのだろう?

 結局僕は――……、

 ――と、不意に心の底から湧く何かがあった。

 そうだな――、それは決して正義ではない。
 弱いものを――嘆く者を嘲笑うのではなく――、
 その涙を止めるものこそ――……。

 ――それこそがきっと――。

 その瞬間、僕の心の中で何かがはじけた。


◆◇◆


「『ぶっ殺す』……」
「てめえ……、何考えてるんだ? もしかしてヤクでもやってんのか?」

 俺は……『近藤敏明』は、目の前で口から泡を吐きながら荒ぶる堀尾を見つめる。堀尾はただ、『ぶっ殺す』と繰り返しながら俺を睨み返してくる。

「お前、なんでそこまで? なぜは村をそこまで?」
「羽村ぁ?」

 堀尾は心底つまらないものを見る目で羽村を見る。ならば……、

「まさか……、お前がこだわているのは……、俺なのか?」
「ヶ……ひひひ」

 その言葉に嬉しそうに堀尾は笑う。それを見て俺は心底後悔した。

(そうか……それじゃあ、羽村がこいつに絡まれていたのは、俺が原因で……)

 俺の心の奥から激しい後悔が上ってくる。羽村を危険な目に晒したのは俺なのだ。

(くそ……やっぱり俺は)

「どうしようもないクズでしかない……」
「そうだな」

 不意にその場に突っ伏している羽村から声が響く。

「全部お前のせいだぜ近藤。まさか……心を入れ替えたからって、いまさらいい子になれると思っていたのか? このクズ」
「羽村……」

 俺はその羽村の言葉に心を抉られる。そうだ……、心を入れ替えていろいろしたところで、俺が過去にしたことは変えられない。俺は永遠にただの『クズ』でしかない。

(おれ)は忘れない……。お前がしてきたことを。いくら(おれ)が望んでも、お前は(おれ)を玩具にして遊んで……楽しんでいた」
「ああ……俺は、何を勘違いしてたんだろうな」
「ふふ……やっとわかったか『クズ』。お前は永遠に『クズ』だ、死んだ方が世の中の為だったんだ」
「羽村……」

 俺の心を後悔の闇が押しつぶしていく。しかし……、その中でも確かに小さな光があった。

「でもだからとて、このまま羽村をほおっては置けない」
「……はは、馬鹿か? そいつが相手では死ぬかもしれんぞ」
「俺のせいでこうなったんだ。俺が命に代えても羽村を守る」
「本当の馬鹿だなお前」
「いや……俺は、取り戻せないことに後悔して、ただ馬鹿を晒している、ただの『クズ(trash)』だ」
「……」

 不意に羽村がその場から立ち上がる。そして、俺に向かって……、

「そりゃ偶然だな? (おれ)もその類なんだよ……。恨みとはいえ、人殺しを肯定したただの『クズ(trash)』だ」
「え?」

 その羽村の表情には、それまでにない自信が満ちていた。
 俺はつい思ったことを言葉に出す。

「お前……羽村……なのか?」
「ああ、(おれ)は確かに羽村誠だ……、ただ昔を思い出しただけだ」
「記憶喪失が? 直ったのか?」
「ははは……まあ、余計な記憶も取り戻したがな」
「? お前は本当に? 羽村なのか?」

 その俺の言葉に凶悪に笑いながら羽村は言った。

「この身体ではそういうコトだ……。前世の(おれ)の名は、『蘆屋ど……、いやもうどうでもいいな、それは」
「?」

 闇の中、羽村はその瞳を赤く染めて、凶暴な化け物と化した堀尾を見つめる。

「なあ近藤……、これから、お前にも手伝ってもらうぞ?」

 ……かくして月夜の下で、摩訶不思議な戦いの物語は幕を開けたのである。
「手伝えって? ……何を?」

 近藤がそう言うと羽村は楽しげに笑いながら答える。

「目の前のコイツを止めるのさ」
「止めるって……」

 どうやって? ……と言いかけた近藤を、羽村は赤く輝く瞳で制する。

(羽村の目……なんで赤く……)

 その疑問にあることを思い出す近藤。

「……矢凪……」

 それはかつて自分の同級生であったとある少年の姿である。数か月前に転校していったらしいが、その少年には特殊な霊能力があると言われていて……。

「羽村……お前」
「クク……そう困惑するな。(おれ)は……本当にただの羽村誠だ。ただちょっと普通じゃ思い出せない記憶を思い出しちまっただけでな」
「なんだ……、記憶?」
「そうだ……いまの(おれ)は羽村誠ではあるが、とある人物の記憶も持っている」

 それは……、そう言いかけた時、それまで黙ってうめき声をあげていた堀尾が大きく叫んだ。

「きいいあえええええええええええええええ!!」

 その叫びに近藤は耳を押さえるが、羽村は笑顔を消して堀尾を見つめたのである。

「かわいそうに……、誰かに呪詛をかけられてんな」
「え? なに?」

 その羽村の呟きを近藤は聞き返すが。黙って羽村は手のひらを近藤に向けた。

「近藤……今から三分だけ足止めを頼む」
「は? 足止めって?」
「その間に(おれ)は……」

 ……と、不意に堀尾が叫びを止めて、超高速で羽村に向かって襲い掛かってくる。それを羽村は……、

「ち……、反応が……鈍い」

 顔を歪ませながら身をひるがえして、その堀尾の拳を避けた。

「羽村?!」
「ほら!! 償ってくれるんだろ?! 早くこいつの相手を……」

 そう叫ぶ羽村に、意を決して近藤は、両者の間に割って入った。その肩に羽村がそっと手を触れる。

「ノウマクサマンダボダナンカカカソタドソワカ……、その霊威を以て守り給え……」
「え?」

 羽村の口から発せられる、妙な呪文に困惑する近藤。その言葉を発した羽村は、目に見えて顔を青ざめさせた。

「ち……、簡単な呪文一つでこの様かよ……クソが」

 そう悪態をつく羽村は、相対する堀尾と近藤をその場において、背を向けて公園の入口へと駆けて行った。

「羽村ああああああああ!!」
「逃がすか!!」

 羽村が逃げたと思った堀尾は怒りの表情で羽村を追おうとする。それを近藤が制して押しとどめた。

「『ぶっ殺す』ぅ!!」

 そう叫びつつ近藤の襟をつかんで投げ飛ばそうとする堀尾であったが。

「ぐ?」
「え?」

 不思議なことに近藤はびくりともせず、その力を押しとどめることが出来た。

(あれ? こいつの力……明らかに強いはずなのに……、なんでこんなに軽く感じるんだ?)

 近藤は困惑する。それもそのハズ、足元の地面は自身が踏みしめる力でひびが入り、土が半ば盛り上がっており、堀尾自身が発揮する人外の腕力を証明していたのだ。それを自分は事もなく制してしまっている。

(まさか……さっきの呪文のようなもの?)

 それは不思議で普通ならあり得ない事であったが、かつて矢凪潤という少年と邂逅した近藤は、自然にそういった異能の存在を感じてしまっていた。

「これなら……」

 近藤は意を決して堀尾の腕をつかむ。堀尾はとうとう悲鳴を上げて腕を振りほどこうとした。

「もうやめろ堀尾!! 何があったのかは知らんが、もうこれ以上は……」
「『ぶっ殺す』ぅううううう!!」

 堀尾の怪力がさらにアップする。すると……、

 ブチブチ……。

 嫌な音が堀尾の身体から響いてきた。その音を聞いてさすがに驚いた近藤は堀尾の身体を観察する。

「な?! 血?」
「がああああああああ!!」

 近藤が目にしたのは、堀尾の全身から噴き出す鮮血であった。

「なんで?!」
「それはな……」

 不意に近藤の背後から声が響く。それは、息を荒くしながら公園中を走り回る羽村の声であった。

「え? 羽村? 逃げたんじゃ……」
「馬鹿言うな……、(おれ)お前みたいに薄情じゃねえよ」

 顔を青ざめながら走り回る羽村は、地面に何やら手にした石で文字を書いている。

「何をして……?」
「そんなことはどうでもいいだろ? ……で、そいつの全身から噴き出ている血だが……、身体が呪詛が発揮する力に追いついていないんだ」
「呪詛?」
「その通り……、そいつの『ぶっ殺す』ってセリフが力の源になってる」
「な……」

 その羽村の言葉に驚きを隠せない近藤。

「そいつの強い想いがその言葉に入っていやがる。その想いを根源に呪詛が構成され、その馬鹿の身体を強制的に動かしてるのさ」
「それって……」
「”言の葉”を使う呪術はいろいろあるが……。そういった類の呪詛師の仕業だな」

 そう言って会話する間にも、近藤に動きを止められている堀尾は全身を血まみれにしている。

「おい!! それならどうすればいいんだ!!」
「まあ……そのままそいつが死ねば、普通に呪詛も消えるがな」
「な……そんな事」
「……無論、そんな事は考えないさ。(おれ)が見たからには、こんな外法は許さん。それに……」
「……」

 顔を青くしつつ羽村はニヤリと笑って近藤を見る。

「そいつを助けたいんだろ? 近藤……」
「俺は……」

 その言葉に困惑の顔で返す近藤。

「大丈夫……わかってるさ。お前はあの時『あいつらのいじめをやめさせる』っって言ってた。懲らしめるとかではなく、彼らが立ち直ることをこそのぞんだ」
「羽村……」
「恨みがあるなら殺せばいい……、それで終わり。でもお前はそうじゃない」
「俺は……」

 羽村は最後の文字を地面に刻みながら優しく笑う。

「立ち直る保証はどこにもないさ。また理不尽に恨まれて、嫌な思いをするかもしれない。でも……お前は助けたいんだろ? 自分が……、自分こそが立ち直って生きて行こうとしているから」
「羽村……」
「そいつに今一度のチャンスを……、少なくとも俺はそいつを許す」

 そういった羽村の目には強い意志が宿っていた。近藤はその目を見つめた後、確かに頷いたのである。
 近藤は堀尾の方を振り向いて言う。

「お前のその口癖……よく聞いていたな。その言葉は……、仲間内にしか言わなかった」
「うががががががが……」
「それはお前の照れ隠しの言葉だ……、本気で殺そうとか言ってるわけじゃない。俺はそれをよく知ってる」
「『ぶっ……殺す』……」
「わかってる……、お前になら殺されてもいいさ。……そいういう事だろ?」
「うううう……近……ど……う」

 不意に意味のある言葉を堀尾が口にする。その目には……、

「お前……泣いて」

 それは堀尾の目から流れる涙であった。

「助け……て、こん……ど……」
「わかってる!! 必ず助ける!! ……そうだよな? 羽村!!」

 近藤は泣きながら羽村の方に振り向く。その目を確かに羽村の強い意志の籠った瞳が受け止めた。

「当然だ!! ――だったら、テメエに見せてやるよ!! 外法を砕く蘆屋の極意を!!」

 その瞬間、森部児童公園の地面全体が、まばゆい光を放った。


◆◇◆


 ――消えていく、――消えていく。
 我が想いが――、せっかく、彼の想いを現実にしたのに。
 ――それを邪魔するものが現れた。

 何者かは知らぬが――、まあいい、これから我は人々の夢を現実とする。
 その偉大な儀式をしなければならないのだから――。

 今宵は――ここまでとしよう。

 まばゆく輝く児童公園を遠くで眺めつつその者は背を向ける。
 月明かりのみが、その者”のろい主”を見つめていたのである。
「てめえ!! 何ヘラヘラしてんだ!!」

 森部高等学校――、その校舎裏にまさしくチンピラそのものの罵声が響く。それを発しているのは、髪を茶色に染めたいかにもの不良生徒である。

「ははは……いや、なんていうか……」

 その不良生徒を含む数人に囲まれ――、それでもにこやかに笑っているのは、誰あろう”いじめられっ子”である羽村誠である。その笑顔はひきつった笑いというわけでもなく、とても穏やかに――しいて言うなら孫を見る祖父のような穏やかな笑顔であった。

「てめえ……、本気で俺を怒らせると……」

 罵声を発している不良生徒はその手にナイフを握り、それを羽村誠にちらつかせて威嚇している。それを見ても羽村の穏やかな笑顔は変わらず――、しかし、楽し気な口調で言葉を発した。

「あのさ――」
「あ?」
(おれ)の前世って――、播摩の別所氏、ようは赤松庶家――、三木城ってとこに住んでた殿様に仕えてたんだがな。当然、(おれ)にも初陣ってのがあったわけさ……」
「は? 何言って……」
「当時の(おれ)って実力はあったが結構なびびりでな、殺しをためらった挙句殺されそうになってチビって泣いて逃げたのさ――」
「は……あ?」
「おかげで母ちゃんには、情けないって言われてさ――。……わかるか?」

 羽村はにこやかに笑いながら、こともなげに不良生徒からナイフを取り上げる。

「あ!! てめえ!!」
「人に向ける刃物は殺しの道具だ――、人を殺すっていうのは、お前らガキどもが考えてるほど簡単じゃなく――、とてもキツイものさ。――それに、後戻りが出来ない」
「てめえ!! 返せ!!」

 羽村はイキる不良生徒の喉にナイフを押し当てて言う。

「喧嘩がしたいなら拳を使いな……。刃物はダメだ――、少なくとも(おれ)は、刃物を向けられたらお前を殺すしかなくなる」
「う……ぐ」
「かつてのトラウマでな――、切り殺された瞬間が思い出せるのさ……。三木合戦――”三木の干殺し(みきのひごろし)”ってな――」
「あう……」

 あまりの事態に不良生徒はその場に座り込む。羽村はそれを見て、いたってにこやかに笑いながらため息をついた。

 羽村が手にしたナイフを不良生徒に返すと、その不良生徒を含む全員が、羽村を気味の悪いものを見るような目で見ながら退散していく。――そこに近藤が走ってきた。

「おい!! 羽村!! 大丈夫――か?」
「遅かったな近藤――、集会は終わりだぜ?」
「むう……、どうやら追い返したようだな」
「ははは……当然だぜ? いくら軟弱ボウヤな今の(おれ)でも、あの程度の子供の威嚇でビビるわけがない」
「……、お前、本当に羽村なのか?」

 近藤はジト目で羽村を見る。羽村はにこやかに答えた。

「ははは……本当に羽村誠だって。前世の記憶があるから、その経験が(おれ)の性格をこんな風に変化させただけで――」
「まあ……、アイツらを撃退できるようになったのは良いことではあるが」
「つまらんか?」
「そんなんじゃねえ」

 近藤の困惑顔に羽村は笑顔で返す。ここ数日、こんな調子で羽村はいじめっ子をあしらい続けている。それは、近藤にとっては良いことではあるが――。

「まだ……(おれ)が羽村の意識を乗っ取ったって思ってるのか」
「そうなら――、俺は」
「ふ……、お前は本当に(おれ)を気にかけてるんだな。別にもう(おれ)に対して罪悪感なんざい抱く必要はないんだぜ?」
「でも……」
「お互い様って言ったろ? 俺は――、かつてお前を殺そうとしたんだ」
「……」

 近藤はここ数日の会話で、羽村にかつての自宅の火事が羽村の仕業であることを聞いていた。それは驚くべき事実であったが――。

「俺は恨まれて当然のことをしていて……」
「だから殺されていいってか? 本気で言うなよ?」
「……」
「いくら心を入れ替えたからって、今のお前は自罰が過ぎるぜ?」
「でも――」

 それは近藤にとって大切な誓いからくること。だから辞めるつもりはなかった。

「なんとも……、生きづらい奴だな」

 呆れた顔で羽村は近藤を見つめた。

「で? ――あの堀尾は今何してるんだ?」

 不意に羽村が話題を変える。数日前に呪詛を受けて暴走したいじめっ子の話題である。

「ああ……、アイツは今病院に入院している。全身の靱帯や筋肉がボロボロになってて、数か月――下手をすると一生起き上がれなくなるって」
「そうか――、もうちょっと早く解呪できてればな……」
「……”解呪”か――、お前本当に妙な力が使えるのか?」

 近藤が困惑の表情で羽村を見つめる。羽村は真面目な表情になってこたえた。

「本来は――、お前みたいな一般人には話したらダメなんだが……、お前にはこれから(おれ)の助手を務めてもらわなければならんからな」

 羽村はそう言って近藤の肩に手を置いてさらに話を続ける。

(おれ)は前世で――そこそこの腕を持つ呪術師だった……。その記憶がよみがえったゆえに、かつての力もある程度取り戻している――、その術というのは蘆屋流陰陽道……」
「蘆屋流――陰陽道……」
「俗にいう呪術――、呪法と言ったモノだ」

 その羽村の言葉に近藤は息をのむ。本来なら信じられない荒唐無稽な話であるが――、彼は身をもって経験している。

「そして――、今回堀尾をあんなふうにした外道も――」
「呪術を扱える者?」
「その通りだ――」

 羽村は難しい顔になって言う。

「いいか? 今この森部市には……呪詛を扱う、呪詛師が暗躍している――。その犠牲者こそ堀尾だ」
「そうか――ならば」
「そいつを探し出して何とかしないと――堀尾の件は解決したことにはならない」

 ――だから、と羽村は近藤に手の平をむける。

(おれ)が目覚めたのは多分偶然ではない――。奴の気配が(おれ)を呼んだんだ」
「……」
「俺は――、無法な外法を許さない……。次の犠牲者が出る前に何とかして、その呪詛師を捕まえる」

 羽村は今度は笑顔になって近藤に目を向ける。

「いいか? これからお前には――、(おれ)の助手としてそいつを見つけるために走ってもらう」
「……わかった。俺も堀尾をあんなにしたやつを許すことはできない」
「うむ――、で、その堀尾はその呪詛師の顔を……」
「フードが深くて顔が見えなかったそうだが――、奴はとりあえずの名を名乗っていたらしい」
「ほう……」

 その次の近藤の言葉に……、羽村は深く頷いて決意の表情を見せた。

 ――その名を”のろい主”、と――。


◆◇◆


 ――奔れ、奔れ、その命の絶えるまで。
 奔れ、走れ、思うさま――。
 お前の望みは叶えられる――、その命尽きるまで、その想いを遂げるがいい。
 ――「()()()()……」その望みのまま逝くがよい。
 その()()()はお前の想い――、
 それこそが、お前の心からの望みであろう?
 ――(わたし)はその想いを叶えるもの。
 さあ――喜びのまま、闇を奔れ――。
 ――そして、……。
 
 ――その想いを――、喜びを我に捧げよ――。
★名前:羽村誠

性別:男性
生年月日:西暦2002年8月12日
血液型:AB型
身長/体重:166cm/51kg
髪の色:黒
目の色:黒
プロフィール:
『呪法奇伝Trash』の二人の主人公の一人。
かつて、妖魔に騙されて正義の味方を気取っていじめっ子を焼き殺した少年。直接手を出してはいない為、記憶を消去されるだけで特に咎められることはなかった。
そうして平凡な高校生活に戻った彼であったが、ある事件がきっかけで前世の記憶を取り戻し、性格もその影響で大きく変化を遂げる。
実際彼は前世の魂に乗っ取られているというわけではなく、前世の経験を記憶で追体験することによって大きな自信を手に入れた状態であり、生来の正義感もあってヒーロー然とした意志の強い熱血漢となっている。
それ以前の性格は、いじめの事もあり表裏が大きかったが、現在はそのような事はなく、論理的で意志が強く表裏のない性格となっている。
彼の前世は――、とりあえず”蘆屋道満”ではないとだけ言っておく。


★名前:近藤敏明

性別:男性
生年月日:西暦2002年11月11日
血液型:A型
身長/体重:182cm/ 73kg
髪の色:茶
目の色:茶
プロフィール:
『呪法奇伝Trash』の二人の主人公の一人。
オールバックの茶髪の不良少年。かつては教師に隠れていじめをしていたが、ある事件を切っ掛けに改心して、そういったいじめられっ子を助けるべく奔走している。
中々の体格を持ち、喧嘩もかなり強く、運動神経は上位から数えた方が早いほどのスポーツマン。
現在は前世の記憶に覚醒した羽村誠の相棒として、のろい主を捕らえるべく行動している。
れっきとした一般人ではあるが、羽村誠の呪術をその身に受けながら最前線で戦う。

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