その後も、順調に魔の森を進んでいく。
俺はオークや、上位種のボブゴブリンなどを倒す。
ちなみに、ホブゴブリンは一回り大きくなったゴブリンのことである。
カグヤはその知識により、薬草や果実を採取している。
ハクが周りを警戒しつつ、カグヤを護衛している。
……悪くはない。
だが、欲を言えばもう一体使役獣が欲しいところだ。
人間の仲間を増やすとしても、その人間からカグヤを守る必要がある。
全員が善人とは限らないし、ナイルのようにやむ終えない場合もある。
ただ、一つだけ言えるのは……。
俺はこんなことを考えながら、魔物を倒す余裕ができたということだ。
さらには……これが、ある意味1番助かるかもしれないな。
「クロウ!これ食べてみて!」
カグヤはアイテムボックスから、サンドウィッチを取り出して言った。
「ああ……うん、美味いな!なんの肉だ?」
「オークよ!醤油とニンニクで、隠し味にりんごを絞って入れてみたの!」
「おお!それか!この甘みと酸味は!カグヤは料理上手になったんだな」
「えへへー、そうでしょ?い、いつでも、これでいけるわね……!」
「はい?どこか行くのか?」
「そういう意味じゃないわよ!クロウのバカ!」
「グルルー」
「おっ、悪い悪い。ほら、食べな」
「グルッ!」
そう……ハクがいることにより、安全に休憩がとれるようなった。
今の状態は、ハクが木を背にしてうつ伏せの状態で寝転がる。
その長いフカフカの胴体に、俺とカグヤが寄りかかっている形だ。
「これなら安心して食べれるわね!」
「そうだな。ハクは性質上気配に敏感だからな。敵が来てもすぐに気づくだろう。さらに、気づいたことがすぐに俺に伝わるしな」
「グルルー」
「おう、ありがとな」
「なんて言ったの?」
「俺に任せろってさ」
「ハク!良い子!頼りになるわ!」
「グルッ!」
その後しっかりと休息を取り、再び探索を続ける。
「……この辺から気を引き締めていこう。以前ドラゴンがいた場所に近いと思う」
「う、うん……」
「グルルー」
「わぁ!?顔を舐めないでー!」
「ハハ、俺がついているか。先に言われてしまったな」
センサーを最大限にし、魔の森の奥にいく。
こっから先は、4級以上の魔物が出てくるそうだ。
つまり、鍛錬にはもってこいということ。
「グル……!」
「ほう?俺より早く気づいたか。やはり、森の王者には敵わんか」
少し遅れて、俺も気づく。
そして……現れた魔物とは。
「あ、あれって……鬼……」
「ああ、オーガだな。二足歩行の魔物としては、最強種と言われている」
ただ、あれは普通のオーガだから4級だ。
ジェネラルやキングは、桁が違うらしい。
「ガァァーー!!」
「ひゃん!?」
「ほう?中々の気迫に咆哮だ。だが、その行動は万死に値する……!ハク!カグヤを頼むぞ!?」
「グルッ!」
尻餅をついたカグヤの後ろに、ハクが回り込む。
よし、これでカグヤは安全だ。
そして……良い機会だ。
俺も、もう一段上にいかなくては。
剣を地面に置き、オーガに近づいていく。
「ク、クロウ!?」
「大丈夫だ、そこで安心して見ててくれ」
魔力を、身体中にくまなく通す。
「ガァァ」
「よう、強い肉体が持ち味なんだろう?殴り合いといこうか……!」
「ガァァーー!!」
「ハァァ!!」
拳と拳が激突する!
「カァ!?」
「ハッ!どうした!?人間と殴りあうのは初めてか!オラァ!!」
俺の拳が、オーガの腹にめり込む!
「ギャフ!?」
「そんなもんか!?」
「グ、グガァァァ!!!」
常人が喰らえば、木っ端微塵になりそうな拳の連打がくる!
「どれ!殴ってみろ!」
ダメージ軽傷……なるほど、通常種オーガならこの程度か。
「グガガ………」
「なんだ?もう終いか。では死ね……魔拳突き!!」
「ゲハッ!!??」
俺の魔力の込めた正拳突きが、オーガの腹を貫通した!
「よし、素手でも肉体強化すれば倒せるようだな」
「クロウ!凄いわ!まるでエリゼみたい!」
「そういうことだ、あの人をイメージしている」
「グルルー!」
よし、これは大きな収穫だ。
今までは戦争や集団戦ばかりで、実戦さながらの稽古どころではなかった。
だが、これなら鍛えつつも、稼ぐこともできる。
オーガなら、冒険者ランクも上がりやすくなるだろうし。
「さて……どうするかね?カグヤ、体力はどうだ?」
「まだ平気よ!」
「グルルー!」
「そうだな。カグヤは、いざとなればハクに乗ればいいか」
そのまま、奥に進んでいくが……。
「……おかしい」
「え?どういうこと?」
「静かすぎる……魔物もいない……」
「グルル……!」
「ハク?……どこからかわからないが、強い気配を感じるんだな?」
「グルッ!!」
「ハ、ハクって、この森の王者なんでしょ?そのハクが強い気配を感じるって……」
「……引き返した方がいいか?いや……遅かったか」
なるほど、気づかないわけだ。
俺とハクは、ほぼ同時に空を見上げる。
「ク、クロウ?」
「ハク!わかってるな!?」
「グルッ!!」
ハクが、カグヤの側に寄り添う。
次の瞬間、空から何かが降ってきた!
木々を倒しながら、その何かは倒れこむ!
「こいつは……ワイバーンか!」
5級の魔物で、飛竜もどきとも言われる。
ドラゴンに似ているが、似て非なる魔物だ。
胴体は細いし、身体のほとんどを翼が占める。
毒のある、長い尻尾が特徴的な魔物である。
ただ、数少ない空を飛ぶ魔物ということで、冒険者達から恐れられている。
視界外からの強襲により、犠牲者がでると。
……《《そのワイバーンを倒すということは》》……。
「来たか……」
「グルル……!」
「にゃに!?にゃにがくるの!?」
「ハク!!頼んだぞ!!」
「グルァ!!」
そして……赤い皮膚の大きな生き物が、ゆっくりと降下してくる。
大きな翼、鋭い爪、ギョロッとした眼、俺さえも一飲みできそうな大きな口。
体長5メートル超えで、見るものに畏怖を与えるその姿。
……つまりは。
「ゴギャアーーーー!!!」
完全なるドラゴンである。
俺はオークや、上位種のボブゴブリンなどを倒す。
ちなみに、ホブゴブリンは一回り大きくなったゴブリンのことである。
カグヤはその知識により、薬草や果実を採取している。
ハクが周りを警戒しつつ、カグヤを護衛している。
……悪くはない。
だが、欲を言えばもう一体使役獣が欲しいところだ。
人間の仲間を増やすとしても、その人間からカグヤを守る必要がある。
全員が善人とは限らないし、ナイルのようにやむ終えない場合もある。
ただ、一つだけ言えるのは……。
俺はこんなことを考えながら、魔物を倒す余裕ができたということだ。
さらには……これが、ある意味1番助かるかもしれないな。
「クロウ!これ食べてみて!」
カグヤはアイテムボックスから、サンドウィッチを取り出して言った。
「ああ……うん、美味いな!なんの肉だ?」
「オークよ!醤油とニンニクで、隠し味にりんごを絞って入れてみたの!」
「おお!それか!この甘みと酸味は!カグヤは料理上手になったんだな」
「えへへー、そうでしょ?い、いつでも、これでいけるわね……!」
「はい?どこか行くのか?」
「そういう意味じゃないわよ!クロウのバカ!」
「グルルー」
「おっ、悪い悪い。ほら、食べな」
「グルッ!」
そう……ハクがいることにより、安全に休憩がとれるようなった。
今の状態は、ハクが木を背にしてうつ伏せの状態で寝転がる。
その長いフカフカの胴体に、俺とカグヤが寄りかかっている形だ。
「これなら安心して食べれるわね!」
「そうだな。ハクは性質上気配に敏感だからな。敵が来てもすぐに気づくだろう。さらに、気づいたことがすぐに俺に伝わるしな」
「グルルー」
「おう、ありがとな」
「なんて言ったの?」
「俺に任せろってさ」
「ハク!良い子!頼りになるわ!」
「グルッ!」
その後しっかりと休息を取り、再び探索を続ける。
「……この辺から気を引き締めていこう。以前ドラゴンがいた場所に近いと思う」
「う、うん……」
「グルルー」
「わぁ!?顔を舐めないでー!」
「ハハ、俺がついているか。先に言われてしまったな」
センサーを最大限にし、魔の森の奥にいく。
こっから先は、4級以上の魔物が出てくるそうだ。
つまり、鍛錬にはもってこいということ。
「グル……!」
「ほう?俺より早く気づいたか。やはり、森の王者には敵わんか」
少し遅れて、俺も気づく。
そして……現れた魔物とは。
「あ、あれって……鬼……」
「ああ、オーガだな。二足歩行の魔物としては、最強種と言われている」
ただ、あれは普通のオーガだから4級だ。
ジェネラルやキングは、桁が違うらしい。
「ガァァーー!!」
「ひゃん!?」
「ほう?中々の気迫に咆哮だ。だが、その行動は万死に値する……!ハク!カグヤを頼むぞ!?」
「グルッ!」
尻餅をついたカグヤの後ろに、ハクが回り込む。
よし、これでカグヤは安全だ。
そして……良い機会だ。
俺も、もう一段上にいかなくては。
剣を地面に置き、オーガに近づいていく。
「ク、クロウ!?」
「大丈夫だ、そこで安心して見ててくれ」
魔力を、身体中にくまなく通す。
「ガァァ」
「よう、強い肉体が持ち味なんだろう?殴り合いといこうか……!」
「ガァァーー!!」
「ハァァ!!」
拳と拳が激突する!
「カァ!?」
「ハッ!どうした!?人間と殴りあうのは初めてか!オラァ!!」
俺の拳が、オーガの腹にめり込む!
「ギャフ!?」
「そんなもんか!?」
「グ、グガァァァ!!!」
常人が喰らえば、木っ端微塵になりそうな拳の連打がくる!
「どれ!殴ってみろ!」
ダメージ軽傷……なるほど、通常種オーガならこの程度か。
「グガガ………」
「なんだ?もう終いか。では死ね……魔拳突き!!」
「ゲハッ!!??」
俺の魔力の込めた正拳突きが、オーガの腹を貫通した!
「よし、素手でも肉体強化すれば倒せるようだな」
「クロウ!凄いわ!まるでエリゼみたい!」
「そういうことだ、あの人をイメージしている」
「グルルー!」
よし、これは大きな収穫だ。
今までは戦争や集団戦ばかりで、実戦さながらの稽古どころではなかった。
だが、これなら鍛えつつも、稼ぐこともできる。
オーガなら、冒険者ランクも上がりやすくなるだろうし。
「さて……どうするかね?カグヤ、体力はどうだ?」
「まだ平気よ!」
「グルルー!」
「そうだな。カグヤは、いざとなればハクに乗ればいいか」
そのまま、奥に進んでいくが……。
「……おかしい」
「え?どういうこと?」
「静かすぎる……魔物もいない……」
「グルル……!」
「ハク?……どこからかわからないが、強い気配を感じるんだな?」
「グルッ!!」
「ハ、ハクって、この森の王者なんでしょ?そのハクが強い気配を感じるって……」
「……引き返した方がいいか?いや……遅かったか」
なるほど、気づかないわけだ。
俺とハクは、ほぼ同時に空を見上げる。
「ク、クロウ?」
「ハク!わかってるな!?」
「グルッ!!」
ハクが、カグヤの側に寄り添う。
次の瞬間、空から何かが降ってきた!
木々を倒しながら、その何かは倒れこむ!
「こいつは……ワイバーンか!」
5級の魔物で、飛竜もどきとも言われる。
ドラゴンに似ているが、似て非なる魔物だ。
胴体は細いし、身体のほとんどを翼が占める。
毒のある、長い尻尾が特徴的な魔物である。
ただ、数少ない空を飛ぶ魔物ということで、冒険者達から恐れられている。
視界外からの強襲により、犠牲者がでると。
……《《そのワイバーンを倒すということは》》……。
「来たか……」
「グルル……!」
「にゃに!?にゃにがくるの!?」
「ハク!!頼んだぞ!!」
「グルァ!!」
そして……赤い皮膚の大きな生き物が、ゆっくりと降下してくる。
大きな翼、鋭い爪、ギョロッとした眼、俺さえも一飲みできそうな大きな口。
体長5メートル超えで、見るものに畏怖を与えるその姿。
……つまりは。
「ゴギャアーーーー!!!」
完全なるドラゴンである。