魔物。
それは、大陸のあちらこちらに生息する生き物である。様々な種類があり、人類が把握していない魔物もいるほどだ。
主な二足歩行の魔物は、ゴブリン、オーク、オーガ、トロールなど。
四足歩行では、ドック系、キャット系など。
空を飛ぶのは、ワイバーンや、ドラゴンなど。
さらには、それらに上位種というものが存在する。例えばだが、ゴブリンジェネラルや、ゴブリンキングといったような。
特に、この魔の森と言われる場所は種類が多いようだ。大陸の南西部、そのほとんどを占めている。奥の方には、誰も行ったことがないほどだ。
今回はゴブリンやオーク、トロールなどのようだ。
ゴブリンは150センチほどの魔物で、小鬼とも呼ばれる。
醜い見た目と、出っ張った腹が特徴的だ。
オークは160センチほどの魔物で、ブタ人間とも言われる。
少し太った人の身体に、豚のような顔がついている。
トロールは3メートルほどの魔物で、食人鬼とも言われる。
でかい胴体の割に短い手足、口が大きく人を丸齧りできる。
さて、まずは盗賊に勘違いされては困るな。あの中で1番強そうな奴……アレだな。
俺は当たりをつけ、その人物に近づいていく。
おそらく年齢40歳ほど。俺並みの身長に、俺以上にゴツい身体。頭髪は黒く短め、サイドをピシッと刈り上げている。
「そこの御仁!!」
「ん?……見ない顔だな。その目は盗賊ではない……それに強い。
俺に何の用だ?」
「失礼、俺の名前はクロウ。ここで冒険者として活動したいと思い、今たどり着いたところです。
こちらの指揮官とお見受けしますが……」
「なるほど、そうか。指揮官なんて上等なもんじゃないが、まあ……まとめ役ではあるな」
「戦闘中に申し訳ない。単刀直入に言うと、参加してもよろしいか?」
「だが、お前女連れで……」
「私は大丈夫よ!クロウがいるもの!」
「ああ、任せていただきたい。むしろ、強くなるくらいです」
「……まあ、いい。
じゃあ、あっちに行ってくれ。トロールがいるから、新米の中には死んじまう奴もいる」
「了解した。では、軽く蹴散らしてこよう」
「いや、軽くって……」
「まあ見ていてください。カグヤ!しっかり掴まってろ!」
「わかったわ!クロウ、行きなさい!」
「任せろ!!怖いなら、目をつぶっていろよ!」
「怖くなんかないわ!クロウがいるもの!ま、守ってくれるんでしょう……?」
「当たり前だ!!ハッ!!蹴散らしてくれる!!」
惚れた女にそんなことを言われて、やる気が出ない男などいない!!
さて、どちらの剣を使うか……アスカロンだな。アロンダイトでは潰れてしまうから、カグヤの目にもよくない。
右手にアスカロンを構え、左手でカグヤを抱き寄せる。
「きゃっ!」
「大丈夫か?ちょっと我慢してくれ」
「う、うん……」
そして、魔物の群れに突撃する!
この乱戦では、魔刃剣は迂闊には使えない。なので、人に気を付けながら、剣を振るう!
「な!なんだ!?あいつは!?」
「つ、強えぇ!新人か!?」
「ゴブリンや、オークが瞬殺されていく……」
「まるで猛獣のようだ!!」
「訳あって助太刀する!俺の間合いには入らないようにしてくれ!」
「わ、わかった!!聞いたな!オメーら!」
「「「おうよ!!!」」」
「なんだか、荒くれ者が多いわね……」
「そういう土地柄なんだろう。魔物と戦うために、礼儀とかは気にしていられないんだろうな」
「それもそっか」
「それにしても余裕ありそうだな?」
話している間にも、俺は魔物共を駆逐している。その際に血飛沫や、色々な部位が飛び散っている。
普通なら、悲鳴をあげていてもおかしくはない。
「だって……クロウがいるもの。この左腕に包まれると、安心するの……」
ゴハッ!!なんだこの可愛い女の子は!?
「そ、そうか!」
いかんいかん!今はこっちに集中!
……一つだけ言えることは、俺のやる気がマックスになったということだ!
「邪魔だ!!退けぇ!!」
次々と、ゴブリンやオークを始末していく!
「助かるぜ!ニイちゃん!」
「大型新人か!?」
「あっ!!トロールだ!トロールがきた!」
声の方を見ると、確かにいた……そして、兵士に近づいていく。
「おい!あいつ前に出すぎだ!」
「トロールに掴まったぞ!?もうダメだ!!」
「ク、クロウ!!」
「わかった!任せろ!」
狙いを定めろ……ここだ!
「魔刃剣!!」
俺が放った斬撃は、見事にトロールの腕を両断する!!
そして、腕に掴まれていた兵士が解放される。
「なんだ!?今の!?」
「斬撃が飛ぶだと!?」
「あの肉厚の腕を両断!?」
俺はすぐに馬を走らせ、トロールに接近する!
「おいそこのお前!早く逃げろ!」
「す、すまねえ!恩にきるぜ!」
男は後方へ下がっていく……。
「……大きいわ。ク、クロウ……大丈夫よね……?」
俺は左腕で、優しくカグヤを包む。
「大丈夫だ、怖がらなくていい。一瞬で終わらせる……!」
カグヤを怖がらせるとは……万死に値する!!
「グガ?グォォォーーー!!!」
どうやら、今更腕がないことに気がついたようだ。トロールは食うことしか頭にない魔物だからな。痛覚も鈍く、頭も悪い。
ただ、その強さはゴブリンやオークとは一線を画す。
「だが……俺の敵ではないわぁ!!
死ね!!剛・魔刃剣!!」
俺は、いつもより大量の魔力を込めて剣技を放つ!!
その斬撃は、3メートルあるトロールを真っ二つにする!
奴は自分が死んだことにも気付かずに、二つに分かれ地面に伏す。
「す、凄い……!クロウ!凄いわ!本当に強くなったのね!」
ああ……これだけで、全ての苦労が報われるな。
「良かったよ。この力があれば、大切なカグヤを守れる」
「クロウ………」
「おーい!クロウとやら!」
先程の指揮官殿が、こちらにやってくる。
「いかがされたか?」
「助かった!もう大丈夫だ!下がってくれていい。お嬢さんもいることだしな。
しかし、トロールを一撃で……こいつは、期待のスーパールーキーだな!」
「うおお!!あんたすげーよ!!」
「あんなの見たことないぜ!」
「犠牲者なしにトロールを倒せるとは!」
ふう……これでいいだろう。打算がなかったといえば嘘になる。
これで、この都市に住みやすくなるはずだ。
あとは、カグヤを安心して暮らせる住処を探さなくてはな………。
それは、大陸のあちらこちらに生息する生き物である。様々な種類があり、人類が把握していない魔物もいるほどだ。
主な二足歩行の魔物は、ゴブリン、オーク、オーガ、トロールなど。
四足歩行では、ドック系、キャット系など。
空を飛ぶのは、ワイバーンや、ドラゴンなど。
さらには、それらに上位種というものが存在する。例えばだが、ゴブリンジェネラルや、ゴブリンキングといったような。
特に、この魔の森と言われる場所は種類が多いようだ。大陸の南西部、そのほとんどを占めている。奥の方には、誰も行ったことがないほどだ。
今回はゴブリンやオーク、トロールなどのようだ。
ゴブリンは150センチほどの魔物で、小鬼とも呼ばれる。
醜い見た目と、出っ張った腹が特徴的だ。
オークは160センチほどの魔物で、ブタ人間とも言われる。
少し太った人の身体に、豚のような顔がついている。
トロールは3メートルほどの魔物で、食人鬼とも言われる。
でかい胴体の割に短い手足、口が大きく人を丸齧りできる。
さて、まずは盗賊に勘違いされては困るな。あの中で1番強そうな奴……アレだな。
俺は当たりをつけ、その人物に近づいていく。
おそらく年齢40歳ほど。俺並みの身長に、俺以上にゴツい身体。頭髪は黒く短め、サイドをピシッと刈り上げている。
「そこの御仁!!」
「ん?……見ない顔だな。その目は盗賊ではない……それに強い。
俺に何の用だ?」
「失礼、俺の名前はクロウ。ここで冒険者として活動したいと思い、今たどり着いたところです。
こちらの指揮官とお見受けしますが……」
「なるほど、そうか。指揮官なんて上等なもんじゃないが、まあ……まとめ役ではあるな」
「戦闘中に申し訳ない。単刀直入に言うと、参加してもよろしいか?」
「だが、お前女連れで……」
「私は大丈夫よ!クロウがいるもの!」
「ああ、任せていただきたい。むしろ、強くなるくらいです」
「……まあ、いい。
じゃあ、あっちに行ってくれ。トロールがいるから、新米の中には死んじまう奴もいる」
「了解した。では、軽く蹴散らしてこよう」
「いや、軽くって……」
「まあ見ていてください。カグヤ!しっかり掴まってろ!」
「わかったわ!クロウ、行きなさい!」
「任せろ!!怖いなら、目をつぶっていろよ!」
「怖くなんかないわ!クロウがいるもの!ま、守ってくれるんでしょう……?」
「当たり前だ!!ハッ!!蹴散らしてくれる!!」
惚れた女にそんなことを言われて、やる気が出ない男などいない!!
さて、どちらの剣を使うか……アスカロンだな。アロンダイトでは潰れてしまうから、カグヤの目にもよくない。
右手にアスカロンを構え、左手でカグヤを抱き寄せる。
「きゃっ!」
「大丈夫か?ちょっと我慢してくれ」
「う、うん……」
そして、魔物の群れに突撃する!
この乱戦では、魔刃剣は迂闊には使えない。なので、人に気を付けながら、剣を振るう!
「な!なんだ!?あいつは!?」
「つ、強えぇ!新人か!?」
「ゴブリンや、オークが瞬殺されていく……」
「まるで猛獣のようだ!!」
「訳あって助太刀する!俺の間合いには入らないようにしてくれ!」
「わ、わかった!!聞いたな!オメーら!」
「「「おうよ!!!」」」
「なんだか、荒くれ者が多いわね……」
「そういう土地柄なんだろう。魔物と戦うために、礼儀とかは気にしていられないんだろうな」
「それもそっか」
「それにしても余裕ありそうだな?」
話している間にも、俺は魔物共を駆逐している。その際に血飛沫や、色々な部位が飛び散っている。
普通なら、悲鳴をあげていてもおかしくはない。
「だって……クロウがいるもの。この左腕に包まれると、安心するの……」
ゴハッ!!なんだこの可愛い女の子は!?
「そ、そうか!」
いかんいかん!今はこっちに集中!
……一つだけ言えることは、俺のやる気がマックスになったということだ!
「邪魔だ!!退けぇ!!」
次々と、ゴブリンやオークを始末していく!
「助かるぜ!ニイちゃん!」
「大型新人か!?」
「あっ!!トロールだ!トロールがきた!」
声の方を見ると、確かにいた……そして、兵士に近づいていく。
「おい!あいつ前に出すぎだ!」
「トロールに掴まったぞ!?もうダメだ!!」
「ク、クロウ!!」
「わかった!任せろ!」
狙いを定めろ……ここだ!
「魔刃剣!!」
俺が放った斬撃は、見事にトロールの腕を両断する!!
そして、腕に掴まれていた兵士が解放される。
「なんだ!?今の!?」
「斬撃が飛ぶだと!?」
「あの肉厚の腕を両断!?」
俺はすぐに馬を走らせ、トロールに接近する!
「おいそこのお前!早く逃げろ!」
「す、すまねえ!恩にきるぜ!」
男は後方へ下がっていく……。
「……大きいわ。ク、クロウ……大丈夫よね……?」
俺は左腕で、優しくカグヤを包む。
「大丈夫だ、怖がらなくていい。一瞬で終わらせる……!」
カグヤを怖がらせるとは……万死に値する!!
「グガ?グォォォーーー!!!」
どうやら、今更腕がないことに気がついたようだ。トロールは食うことしか頭にない魔物だからな。痛覚も鈍く、頭も悪い。
ただ、その強さはゴブリンやオークとは一線を画す。
「だが……俺の敵ではないわぁ!!
死ね!!剛・魔刃剣!!」
俺は、いつもより大量の魔力を込めて剣技を放つ!!
その斬撃は、3メートルあるトロールを真っ二つにする!
奴は自分が死んだことにも気付かずに、二つに分かれ地面に伏す。
「す、凄い……!クロウ!凄いわ!本当に強くなったのね!」
ああ……これだけで、全ての苦労が報われるな。
「良かったよ。この力があれば、大切なカグヤを守れる」
「クロウ………」
「おーい!クロウとやら!」
先程の指揮官殿が、こちらにやってくる。
「いかがされたか?」
「助かった!もう大丈夫だ!下がってくれていい。お嬢さんもいることだしな。
しかし、トロールを一撃で……こいつは、期待のスーパールーキーだな!」
「うおお!!あんたすげーよ!!」
「あんなの見たことないぜ!」
「犠牲者なしにトロールを倒せるとは!」
ふう……これでいいだろう。打算がなかったといえば嘘になる。
これで、この都市に住みやすくなるはずだ。
あとは、カグヤを安心して暮らせる住処を探さなくてはな………。