どの本の内容も面白く,すっかり虜になってしまった。最近よく書店に並んでいるのを見かけるが,人気な理由が分かった気がした。


 
 ふと,電車の汽笛の音が耳に入ってきた。思考が一気に現実へと戻される。

 慌てて自分のスマホを確認すると,『6:40』と表示されていた。気づけば電車が来る時間になっていたらしい。

 慌てて手に持っている本をスクールバッグにしまい,電車に乗り込んだ。

 電車の中はがらんとしており,十数人程しかいない。

 私は端の方の座席に座り,先程しまったばかりの本を取り出し,本のページを開く。