不意に目に留まった,1冊の本。ふと,その本を手に取る。丁寧にブックカバーが掛けられているが,所々端が折れ曲がっている部分がある。

 既に3周しており,今は4周目に入っている。この本は私にとって大切なものだ。

 私は本を読むことが趣味で,自分の部屋の片面がほぼ本で埋め尽くされるほどだ。

 特にこの本は,私にとって1番のお気に入り。私の誕生日に,ある人から貰った本だからだ。

(元気にしてるかな……)

 そんな事を考えながら,手に持っていた本を開く。

 この本の系統はホラーとミステリー。基本的に,私はファンタジーか青春系の本しか読まない。

 普段読むものとは真逆の本を貰った時,私はすぐに読まなくなるだろうと思っていた。

 でも実際読んでみると,自分が思っている以上にハマってしまい,気づけばその人の書いた他の本も買ってしまう程になっていた。