本当の「私」でいられる、その日まで。

 玲紬さんにそう言われ,2人で横並びに廊下を渡る。

「今日1日お疲れ様。初日から大分ハードだったんじゃない?」

「うん,大変だった。しかも宿題も最初から結構な量あるし。全部でワーク20ページくらい」

「マジで!?それヤバそうだね。と言いながら,俺も同じぐらい出されてるけどね」

「お互い今日は徹夜かな(笑)」

「だな(笑)なんなら一緒に勉強するか?」

「別に良いけど……一緒に勉強する必要ある?」

「いや,1人ですんのなんか寂しいから(笑)」

「なにそれ(笑)」

 そんな他愛もない話をしていた。すると,

「ねぇ,あの人カッコよくない?」