時々,玲紬さんは人が変わったように口調が荒くなる。それは昔からの癖だ。

(変わってないな………)

「玲紬さん,ありがとう」

「どういたしまして。久しぶり,純麗」

 玲紬さんから呼ばれる私の名に,心地良さを感じた。やっぱり私って単純なんだな。

「久しぶり。2年ぶりだね」

「え?もうそんなに経ったっけ?」

「だって2年前,玲紬さん受験生だったじゃん」

「あぁ,思い出した。それで勉強に集中したくてしばらく会ってなかったな。というか,純麗身長伸びたか?」

「そりゃ2年も会ってなかったら身長も伸びるでしょ。そういう玲紬さんこそ伸びてるんじゃない?」