ジリリリリリリッ

目覚ましを止めて、目を擦った。
「もう朝か。」
ベッドから降りてカーテンを開けると、眩しい光が私を覆った。夏が始まったばかりの最近の朝は毎日こうだ。でも今日はなんだか一段と眩しく感じる。

隣の時計を見るとまだ6時。いつも家を出るのは7時半だから、まだ大分時間に余裕がある。
昨日、何も食べないで寝ちゃったからお腹空いたな。
階段を降りて、リビングのドアを開けた。
誰もいない。お母さんもう仕事行ったのかな。
「ひかりおはよう!朝ご飯トーストでいい?」
通話中のスマホを片手にスーツのボタンを閉めている母は、そう書かれた紙切れを渡してきた。
「大丈夫、早く仕事行きなよ。」
私は近くにあったボールペンで紙の裏に書いたそのメッセージを母に見せた。
母はありがとうと言いたそうなジェスチャーをして家を出た。