私はイレナとの買い物の最中で襲われて気づいたらここにいたこと、それから聖女について調べようとしていることを話した。
 ユリウス様もどうやらそのことに思い至っていたようで、すんなりと話を受け入れてくれた。

「これからはどうするか決めているの?」
「いいえ、でも書庫室を含めて何か聖女の手がかりがないか、しばらく滞在して調べてみます」
「あまり無理はしないで欲しい。お願いだよ?」
「わかっております」

 私はユリウス様を心配させないように微笑むと、改めて聖女の秘密を探る決意を固めた。

「今は外交問題に発展する恐れもあるため迂闊に君を連れ出すことはできないけど、必ず助けに来るから」
「ユリウス様」
「それまで信じて待っていてほしい」
「はい……」

 ユリウス様は私が寂しくないようにと朝方までいてくれて、私たちは帰ったらまたあのカフェに行こうとかそんな話をして過ごした──






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【ちょっと一言コーナー】
久々の更新となりました。

【次回予告】
ユリウス様とのわずかな逢瀬を喜んだユリエ。