そんな風に言われて私もさっきまでの会いたいと願っていた気持ちがぶわっと溢れて止まらなくて、彼を抱きしめ返す。

「会いたかった、会いたかったのっ! ユリウス様!」
「ああ」

 言葉はなくても想いがひしひしと伝わて来て、嬉しくて嬉しくて涙が自然と溢れてきた。
 ぐすんぐすんと鼻をすすっている様子を耳元で感じたのか、ユリウス様はそっと私を自身から離して、「もう」といいながら指先で涙を拭ってくれる。
 そして私を落ち着かせると、近くにあったベッドに並んで座って話をする。

「落ち着いた?」
「はい、ごめんなさい」
「謝らないで、ほら、せっかく会えたんだから」

 ユリウス様は私の手をずっと握ってくれて、それでうんうんと頷きながら目を見て話を聞いてくれる。
 ああ、久しぶりだ、この安心するけどちょっとドキドキする感じ。
 すると、彼は少し真剣な表情に変わって話を始める。

「無事だったかい?」
「はい、レオ……コーデリア国の王子が安心を保証してくれています」
「君をさらったのは誰かわかるかい?」
「レオ王子です」
「──っ! 王子自ら聖女に手を出すとは……」