王がいなくなった王宮を支配したのが、現王妃だった。
現王妃は自ら王に正妃の座を迫って実権を握り、元王妃の代の宰相や騎士団長、メイドらを辺境の地へと追いやって自らの息のかかった者たちばかりを王宮に入れた。
(私が王宮書庫室で調べた内容と同じ、食い違いはない)
「そして、今度は第一王子を次期国王とするために聖女を婚約者とした。それがあなたです」
「──っ!」
「調べられたかもしれませんが、この国は元々聖女の力で繁栄した国でした。聖女は他の世界からの人間だったと過去の文献にあったのを王妃は見たのでしょう。私の調べでは王宮魔術師の手を借りてあなたを召喚したことまで把握できています」
(やはり、私は聖女として利用されるためにこの世界にやって来た。そして、昨日執事長の言っていた『聖女』はこのことか)
「そして、王妃は私欲のためにあなたの記憶を改ざんして第一王子の婚約者だと嘘をついて王宮の一角に住まわせた」
そこまで聞き、なんとなく自分の立場と今までの王妃の言動やエリク様の動き、周りの見張るような視線に納得がいった。
ふっと息を吐いて私は自分の出した『答え』を信じることにした。
現王妃は自ら王に正妃の座を迫って実権を握り、元王妃の代の宰相や騎士団長、メイドらを辺境の地へと追いやって自らの息のかかった者たちばかりを王宮に入れた。
(私が王宮書庫室で調べた内容と同じ、食い違いはない)
「そして、今度は第一王子を次期国王とするために聖女を婚約者とした。それがあなたです」
「──っ!」
「調べられたかもしれませんが、この国は元々聖女の力で繁栄した国でした。聖女は他の世界からの人間だったと過去の文献にあったのを王妃は見たのでしょう。私の調べでは王宮魔術師の手を借りてあなたを召喚したことまで把握できています」
(やはり、私は聖女として利用されるためにこの世界にやって来た。そして、昨日執事長の言っていた『聖女』はこのことか)
「そして、王妃は私欲のためにあなたの記憶を改ざんして第一王子の婚約者だと嘘をついて王宮の一角に住まわせた」
そこまで聞き、なんとなく自分の立場と今までの王妃の言動やエリク様の動き、周りの見張るような視線に納得がいった。
ふっと息を吐いて私は自分の出した『答え』を信じることにした。