コーデリア国からクリシュト国に戻った私とユリウス様は、国王と話をしていた。

「では、やはりコーデリア国の侵攻は国王と王妃の暴走のもとおこなわれておったのだな」
「はい、レオ殿下がこちらにコンタクトを取ってくれたおかげで、ユリエも救うことができました」
「ああ、無事でなによりじゃ」

 国王は私の方へと視線をやると、笑みを浮かべる。
 私はありがとうございます、と告げながらお辞儀をした。

 隣にいたユリウス様が「叔母様のことなのですが……」と話題を出すと、国王は一気に真剣な面持ちに変わった。
 ユリウス様の叔母様──ようするに国王の妹君であらせられるリリア様は、コーデリア国との架橋となっていたが、数ヵ月前より病に伏せっていたのだという。
 そのことを伝えようとリリア様の夫であるヒュートン公爵が使者を出したのだが、それが敵方への内通と疑われてしまった。
 そうして、ヒュートン公爵とリリア様は、コーデリア王族の厳しい監視下におかれてしまい、それ以降連絡を取る手段がなかったのだそう。

「リリアの具合は?」