あなたは私を受け入れた。__
こんな私のことを、心から愛してくれた。
順風満帆な恋愛生活を送れると思った。
あの時までは――――――。
*
「おはよー!!」
朝席に着くと私の想い人、咲良がいた。
いつもこんな私のことを気にかけてくれる。
そんなところで、恋に落ちた。
多分、一目惚れなんだと思う。
私はクラスでも腫れ物扱いの問題児――
として、レッテルをはられているが、
実際のところ、何もしていない。
何もしていないは嘘かもしれないけれど。
勝手にオジサンから金もらってる、って
勘違いされてる。
誰がそんなこと言ったか、わかんないけれど。
「おはよ、」
少し素っ気なかったかもしれないけど、
彼女にはこれくらいで十分だ
だって、私と話しただけで、
変なことを言われる。
彼女にはそんな思い、して欲しくないんだ。
今日も誰とも話さずに一日を終えた。
「ねぇ、話があるんだけど。」
お母さんが強い口調で私のことを呼ぶ。
「なに?」
「あのさあんた、」
女の子に恋してるよね?
ガツンと頭を殴られたかのような衝撃が襲った。
冷や汗が出てくる。
「ぇ、あの…なんで、」
「なんでって、愛莉ちゃんから聞いたのよ。」
愛莉は私の唯一と言ってもいい親友だ。
学校からそう遠くない塾の友達。
彼女には、私の想いをさらけ出していた。
まさか、こんなところでバレるとは……、
「で?どうなの?」
「ぁぁ…うん、まぁ」
とんでもなく曖昧な返事を返してしまった。
「なんでよ!!」
大きな声が耳に響く。
「お母さんは…あなたには"
普通"に恋愛して欲 しいの!」
「なんでよ…巫山戯ないで!」
「私の恋愛に口出してこないでよ!」
これは言いすぎた。
ハッとなってお母さんを見る。
トマトみたいな
真っ赤な顔で此方を見ている。
「あんた…お母さんは
あんたの将来を心配してるの!」
「"あなたの為に言ってるの!!"」
あーあ。また始まったよ。
とか思うけど、これを言われたら
何も言い返せないのが子供だ。
「あっそ。勝手に心配してれば?」
とだけ言い残し、家を出た。