その日は何故か早く終わった気がした。

私はクラスの女子4人グループに入れられて

皆で歩いて帰った。

「ねぇ未来ちゃん、拓海くんと知り合いなの?」

急に希良梨ちゃんがそう聞いた

「あー、中学の同級生。絡みはなかったけど
 りくの仲良かった人だから」

「ってかずる!りくとか呼び捨てで呼べる関係」

他の子達がそう騒いだ。

「いいもんじゃない。りくとは幼馴染だから
 それ以上になることはないし」

「は?それ以上になりたいってこと?」

「違う!ただ勘違いする子が多いから」

私は少し焦った。

「にしても未来ちゃんの席、
 二人に囲まれてるのうらやましい」

私はあはは…と苦笑いをした

家について手を洗って部屋に行った

「はぁ…つかれた」

ベットに倒れ込んだ。

着替えよ。

制服から部屋着に着替えた。

あ、そういえば拓海くんって……

私は見たくなかったけど

中学の卒業アルバムを探した。

「あ、あった……」

恐る恐る開いた

その中にはクラスの風景とあって

誰が仲良かったかとかがうつっている

「これ…」

やっぱりりくと拓海くんは一緒に写っていた

「やっぱり仲良かったよね……」

私はそっとアルバムを閉じた。

はぁ…

今日の放課後の友達の話を思い出した

私はまたベットに横になった

私ってそんなに恵まれて見えてるのかな、…

親に恵まれてるわけでもない。

お金は毎月お小遣い4万円。

それ、羨ましいっていう人いるけど

そのかわりお母さんにも会えないんだよ。

だって親なんて毎日朝帰り。

なんの仕事をしてるのかすら知らない。

その上母子家庭。

ほぼお母さんとの時間は朝だけ。

ぶるる

スマホが鳴った

【今日の夜は外で食べて。
 あと8時以降は家には入らないで。
 明日の持ち物全部泊場所に持ってって。
 あと…夕方まで出入り禁止で】

お母さんからだった。

え…どっかにとまれってこと、?

「はぁ」

【わかった】

ついに男の人を家にもつれ込むのかな……

とりあえずりくに連絡っと

【りくー】

すぐに既読がつき返事が来た

【なに】

【あの、今日泊まり行っていいー?】

【またー?まぁいよ】

【ありがと〜!ご飯は外で食べるから!】

【えぇ俺も寿司食いに行きたい!泊まりなんだし
 奢れよ】

【はいはい、わかった】

その4万円は使い道もない。

だからそういうときは奢ってあげれる。

私はシャワーを浴びて髪の毛を縛って

りくと出かけた

「やほ」

「よっ」

私達は幼稚園からずっと一緒にいる

「なんで今日また?」

「お母さんが家入るなって。
 まぁ慣れたよね。」

私は下を向いた

「ふーん…まぁ未来の親はそんな感じだもんな」

「昔から夜の仕事してるし。
 あとはなんの仕事してるかわからないけど
 稼ぎはいいみたい。
 だってブランド品だらけだもん
 お母さんの部屋。」

「小遣いは月4万だもんな〜」

「それみんなから未来ずるいって…」

りくは私の顔を覗いた

「お前さいつまで偽りの未来でいるわけ?
 中学のがトラウマなのかしらんけど今の未来
 だと確実に友達いなくなるよ。」

りくは私にそういった。

偽りって……

「皆これが本当の私だと思ってるの。
 今更変えることなんてしないよ」

「中学のお前は、
 【お前邪魔。どっかいけ】
 って余裕で言ってたじゃん。そのおかげで
 ともだ……」

「りく、あんたなにが言いたいわけ?
 私の弱み握ってます。それがなに?
 しつこい。」

「まぁまぁ、ごめんって」

「はぁ、逃げ場がないんだよ。悪魔になっても
 結局は嫌われて。
 天使になっても嘘って言われる。」

「そんなことはねぇんじゃねぇの?」

私は無言で寿司屋に行った

受付をして席に座った

お寿司を食べてお店をでた。

「え、りくくんと未来ちゃん?」

同級生にあった

最悪……

「未来ちゃん、どゆこと?」

「おー!やほ!なんでもないよ〜」

「幼馴染くんとお寿司に来ただけだよ、ね?
 希良梨ちゃんには言わないから安心して」

「希良梨ちゃん?」

「希良梨ちゃん、
 りくくんのこと好きみたいだし」

私は凍りついた。

「そ、そーなんだ!いいの、?
 りく横にいるけど」

「言わないでくれればいいよ」

私達は手を振って少し歩いて、
 
その場にしゃがみこんだ。

「お前!いい加減にしろ!」

りくが私を怒るように言った

「なにが…?」

「いい顔すんのだよ!見ててイラつくんだよ!」

「じゃあ見なければ!?」

私達は無言でまた歩き出した

りくの家の前まで来た

「おじゃましまーす」

「ただいま」

「え!あら未来ちゃん!
 今日泊まってくんだって!?
 私の部屋で寝よっか!」

「あ、ありがとうございます!」

私はりくの部屋に行った

寝るまで話そうっていう約束をしたから

コンコン

「りくー」

「あ、どぞ」

「りくの部屋って案外きれいだよね」

「まだ10時だし寝ないよな?」

「小学生じゃないんだから」

と私はりくの肩を叩いた

「なぁ、覚えてるか?未来、
 幼稚園のお泊り会で7時になって今から
 自由時間!みたいなときに2人で寝たこと」

りくが笑いながら語った

「あー覚えてる!!
 ブルーのマットの上でだよね」

「そうそう!先生たちびっくりしてたよな〜
 精神年齢が大人だー!って」

りくが苦笑した

ぴこん。

その時一通の通知が来た

「なんか来たぞ」

「う、うん」

私は通知を開いた

誰これ……あ……また…か…

中学生ぶりに届いた。

それはSNSの迷惑メールだった

【りくから離れろ。
 そうじゃないとお前をころすぞ。
 もしくはりくを殺す。
 今も監視してるからな。
 泊まってることしってんだぞ。
 理由?そんなの未来が好きだからだよ。
 返事待ってまーすなんて笑
 ってことで離れるんだな】

は…?覗かれてる…?

私は周りをキョロキョロ見渡した

りくが私のスマホを覗き込んだ。

「なんだよ…これ」

また中学の頃が頭に浮かんだ。

【人殺し!あはは!りくから離れろー】

私は耳をふさいだ。

なんで……

私……

「はぁ…はぁ…はぁ…り…りく……窓開けて…」

「お、おう」

りくは窓を開けた。

私は窓に向かった

空気を吸って息を整える。

はぁ…

「ふぅ…りく、ありがとう…」

りくがその文を見ていた

「なに見てんのよ…人のスマホ…」

私はりくから取りあげた。

「お前、これ、中学の頃の……」

「私が悪いの」

「お前悪くないだろ!」

「……なんにもわからないでしょ……」

「拓海のことか…?」

「もう寝るわ!バイバイ」

私はりくのお母さんの寝室を訪れた

「あら、もう寝る?」

「は、はい」

私は布団に入った。

あーあ。嫌だな。

朝なんかがなければいいのに