「…どれにしよう…。」
土曜日。私は服とにらめっこしていた。明日の戦、何を着ていくべきだろうか。紺野くんとのトーク画面を開く。まだ、挨拶と私の録音された歌だけが送られていた。なんとなく話してみたいような気もするが、まあいいだろう。多分これから話すだろうし。
明日はいろんな作品を掛け持ちするため、キャラクターTシャツなどは着づらい。あ、前からやってみたかった、地雷系にチャレンジ…は、なんか違う気もする…。それに、紺野くんもいるしな…。…お母さんが買ってきたやつ?あ、踊ってみたの時に着てるあれは…?
私は、白いキツネの面とゆるい白いパーカーをいつも着ている。まあ、下はスカートだったりズボンだったり色々だ。…流石にバレるか。
…やっぱ、お母さんが買ってきたやつかな〜。
タンスの奥をゴソゴソと漁ってみる。いや、決して紺野くんのことを意識しているわけではない。ただ、戦には相応の服で臨みたいだけなのだ。
あ。紺野くんに送らないと…。
『あ、すみません。多分明日、なんか変だと思います。』
よし。完了。…お腹が空いたなぁ…。お昼ご飯食べよっと。
♢♢♢
「…ん…?」
明日、変だと思う?何が?
昼食後、スマホを開いてみたらあった、椎奈からのメッセージ。何をするつもりなんだ?変ってなにが?
疑問が残ったまま、上にある椎奈の歌を開く。
「カモミール」。俺も聞いたことがある、ボーカロイドソングだ。「夜が来ても、君がいるから大丈夫」その歌詞が印象的な爽やか曲だ。…あいつ、音痴だから自己満足の動画になるかも〜とか言ってたのに…めっちゃいいじゃん。これのどこが音痴なんだよ。普段の自信なさげな高くて弱い声から一変して、まっすぐと響く綺麗な声になっている。あいつって、元はこんな声だったんだ…。地声が高めなのも相まって、高い音も綺麗に歌えている。
…いつ言うべきかな…。…まあ、いつか言うか…。
パソコンに椎奈の歌を取り込んで、音楽編集ソフトを開く。
椎奈は多分、俺に歌を聞かれたくない。でも、俺はこれをもっと良くしたかった。
本当は、MIXできる友達なんていない。俺・日向ができるんだ。
というか、「日向」はなんでもできる気がする。
小学6年生の頃、いとこが歌ってみたを見ているところを目にしたのが始まりだった。それまでスポーツ一筋だったのが、「音楽」という新たな道が開かれた。たくさんの曲を聞いて、自分で分析してみたり、アップされている解説動画を見たりした。音楽を作る人に興味を持った。
まず、音楽ソフトの扱い方から始めて、作曲の仕方を学んだ。その時はまだ小6だったから作曲講座に通えなくて、無料のオンライン授業を聞いてたな〜懐かしい。作曲を行ったら、編曲も行えるようになり、MIXもすぐにできるようになった。 作詞は、とりあえず色んな本を読んで語彙力を増やしていたような気がする。あれは大変だった…。エンコードは割とサクッと覚えることができた。興味のあることに関しては、記憶力が抜群なのだ。
中2の5月頃、SNSにアカウントを開設して、依頼募集を始めた。最初は誰も来ないことも多かったが、次第に増えていき、冬ごろには専属のような形のシンガーさんもいた。
よく、そこまで出来るのなら、自分で歌えばいいのでは?と言われる。でも、あまり歌うのはあまり好きじゃない。あくまで作る側でいたいのだ。
さあ、1時間くらい作業して、そしたらランニングに出かけよう。あ、久しぶりにリフティング練習もしたくなってきた。トレーニングゲームをプレイするのもいいな〜。…頑張ろう。
日向が、作業し始める。
土曜日。私は服とにらめっこしていた。明日の戦、何を着ていくべきだろうか。紺野くんとのトーク画面を開く。まだ、挨拶と私の録音された歌だけが送られていた。なんとなく話してみたいような気もするが、まあいいだろう。多分これから話すだろうし。
明日はいろんな作品を掛け持ちするため、キャラクターTシャツなどは着づらい。あ、前からやってみたかった、地雷系にチャレンジ…は、なんか違う気もする…。それに、紺野くんもいるしな…。…お母さんが買ってきたやつ?あ、踊ってみたの時に着てるあれは…?
私は、白いキツネの面とゆるい白いパーカーをいつも着ている。まあ、下はスカートだったりズボンだったり色々だ。…流石にバレるか。
…やっぱ、お母さんが買ってきたやつかな〜。
タンスの奥をゴソゴソと漁ってみる。いや、決して紺野くんのことを意識しているわけではない。ただ、戦には相応の服で臨みたいだけなのだ。
あ。紺野くんに送らないと…。
『あ、すみません。多分明日、なんか変だと思います。』
よし。完了。…お腹が空いたなぁ…。お昼ご飯食べよっと。
♢♢♢
「…ん…?」
明日、変だと思う?何が?
昼食後、スマホを開いてみたらあった、椎奈からのメッセージ。何をするつもりなんだ?変ってなにが?
疑問が残ったまま、上にある椎奈の歌を開く。
「カモミール」。俺も聞いたことがある、ボーカロイドソングだ。「夜が来ても、君がいるから大丈夫」その歌詞が印象的な爽やか曲だ。…あいつ、音痴だから自己満足の動画になるかも〜とか言ってたのに…めっちゃいいじゃん。これのどこが音痴なんだよ。普段の自信なさげな高くて弱い声から一変して、まっすぐと響く綺麗な声になっている。あいつって、元はこんな声だったんだ…。地声が高めなのも相まって、高い音も綺麗に歌えている。
…いつ言うべきかな…。…まあ、いつか言うか…。
パソコンに椎奈の歌を取り込んで、音楽編集ソフトを開く。
椎奈は多分、俺に歌を聞かれたくない。でも、俺はこれをもっと良くしたかった。
本当は、MIXできる友達なんていない。俺・日向ができるんだ。
というか、「日向」はなんでもできる気がする。
小学6年生の頃、いとこが歌ってみたを見ているところを目にしたのが始まりだった。それまでスポーツ一筋だったのが、「音楽」という新たな道が開かれた。たくさんの曲を聞いて、自分で分析してみたり、アップされている解説動画を見たりした。音楽を作る人に興味を持った。
まず、音楽ソフトの扱い方から始めて、作曲の仕方を学んだ。その時はまだ小6だったから作曲講座に通えなくて、無料のオンライン授業を聞いてたな〜懐かしい。作曲を行ったら、編曲も行えるようになり、MIXもすぐにできるようになった。 作詞は、とりあえず色んな本を読んで語彙力を増やしていたような気がする。あれは大変だった…。エンコードは割とサクッと覚えることができた。興味のあることに関しては、記憶力が抜群なのだ。
中2の5月頃、SNSにアカウントを開設して、依頼募集を始めた。最初は誰も来ないことも多かったが、次第に増えていき、冬ごろには専属のような形のシンガーさんもいた。
よく、そこまで出来るのなら、自分で歌えばいいのでは?と言われる。でも、あまり歌うのはあまり好きじゃない。あくまで作る側でいたいのだ。
さあ、1時間くらい作業して、そしたらランニングに出かけよう。あ、久しぶりにリフティング練習もしたくなってきた。トレーニングゲームをプレイするのもいいな〜。…頑張ろう。
日向が、作業し始める。