2週間後、ママがパパと離婚を決めたという話を聞いた。
そしてその2週間後、私はママと家を出た。
「ママ、このカーテンとかどう?」
「可愛い〜!
ね、こっちも可愛いと思うんだけど、どうかな?」
ふたりの生活は、結構楽しいものになりそうな予感。
これも幽霊さんのおかげだ。
両親が喧嘩をしなくなって外に出る用事はなくなったが、引っ越す前に悩みが解決した報告とお礼を伝えたいと思い、以前のように夜中に外へ出てみた。
けど幽霊さんとは会えず、結局そのまま引っ越してしまった。
成仏したんだとしたら良かったなとは思う。
けどもう一度くらい会いたかったなぁ。
「ねぇ、ママ」
「うん?」
「幽霊っていると思う?」
「え、何。怖い話?ママそういうのダメなんだけど」
「違うよ。なんで幽霊=怖い話になるの。
ただ、幽霊にも可愛いもの好きがいるかもなぁって思ったの。
もし今ここで私たちのやり取りを見てるとしたら、永遠に決まらないカーテンの柄も、多数決で決まるかもしれないじゃん」
「それはそうかも。ママと星麗だと、もうずっと決まりそうにないもんね」
「あ、でも、私たちみたいに、こっちの方が良くない?って言ってる可能性もあるね」
「見た目より機能性ってタイプなら、意見合わなそうだね」
「ふふ、そうだね」