なんて言ってしまったけど、本当にこんなにストレートに好きを伝えてくるとは思わなかった。

あの日から彼は、毎日のように好きを伝えてくれている。


「志田さん、また悩み事?」


「ちょっとね」


「僕でよければ話聞くよ」


あなたの事だから話せません、とも言えない。


「大丈夫。多分そのうち勝手に解決するやつだから」


「そうなの?」


「うん。だって私も大城さんのこと好きに……、あ」


ついうっかり言ってしまいそうに、というかここまで言ったら言ったも同然だ。

どうしよう……!


「やっぱりその悩み聞こうか?」


ニコニコしながら詰め寄ってくる大城さん。
私はあわてて距離をとった。


「結構です!
じゃ、次移動教室だから!」


もう何も言わないように、言わせないように、机の上に用意していた移動教室に必要なものを手に取り、さっさと教室を出る。


「あ、待って。僕も一緒に行く」


「ちょっと離れて歩いてください!」


「なんで?」


「なんでも!」


そう言ったのに、まるで聞こえてなかったかのように隣までやってきて、話し始める。


「今度、この辺りで流星群が見られるの知ってる?」


「そうなの?知らなかった」


「良かったら一緒に見ない?」


「……暇だったらいいよ」


「やった。
久しぶりだね、一緒に星見るの」


「うん、そうだね」


「まあ僕はいつも“星”見てるんだけどね〜」


「好きって言ってたもんね」


「うん。大好き」


満面の笑みでこちらを見る。


「何?」


「えー、わかんないの?“星”麗ちゃん」


……そっちの星か……。

何だこの人、恥ずかしいったらない。


「……私も“空”なら毎日見てるよ」


「好きだっけ?」


「……うん。好きになった」