「あのさ」
「うん?」
「大城空としては出会ったばかりで、こんなことを言うのもおかしいのかもしれないんだけど」
「うん」
「僕、君のことが好きみたいなんだ」
「……えっ、……えっ?」
「君が夜中に散歩をしなくなって、君に会えなくなって、君との時間が僕にとってはとても大切なものだったのに気づいた。
この高校を選んだのも、君に会える気がしたからなんだ」
「……そう、だったんだ」
「いや、ごめん。
君はもう同級生で、隣の席で、今日からは以前のように偶然を狙わなくても会えるんだけど、君と急に会えなくなった事があるから、なんとなく、すぐ伝えた方がいい気がして……。
だから、返事が欲しいとかじゃないから安心して」
「……うん」
「こんな事言うのは失礼かもしれないけど、もしかしたら、“幽霊さん”として君と接する時間が好きだっただけかもしれない。
だからこれから、大城空として志田星麗さんと時間を共にしたい」
「うん。じゃあとりあえずは、友達として、よろしく?」
「そうだね、よろしく。
あっでも、君の恋人のポジションは狙ってるから、恋人候補としてもよろしくね」
「……さっきと言ってること違くない?
“幽霊”といい、嘘つくの好きなの?」
「違う違う。
ごめんね、少し伝え方を間違えたかもしれない。
悩ましい顔の君が素敵じゃなかったとは言い難いけど、今日の君はもっと素敵で、例え“幽霊さん”としての時間がなかったとしても、すぐ好きになってたと思う」
……何だこの人。
「……キャラ変したの?」
「好きな人が出来たことがないからわからないけど、多分元からこんな感じだと思うよ。
あぁでも、別に周りと同じである必要はないって気づいたから、僕は僕の好きなものを好きって言っていこうとは思ってるかな」
「それは、すごくいいと思う」
「だよね」