「きらきらした目……?」

そんな表情なんてした覚えがないのだけれど、彼女には一体僕がどんな風に見えているのだろうか。


「俺は土屋理央。そーいえばあんた名前のは?」


「秋山 響」


穂希が言っていた通りだ。

土屋理央、学校ではきまぐれにしか顔を出さないっていう自由人。


「お前ってさ」


「え、な、何……」


名前を教えたにも関わらず僕のことを名字でも名前で呼ぶわけでもなく、お前呼びをされたと同時に僕の方に顔を近づけてきた。



「セーラー服……、いや、スカート、かわいいものに興味があるのか?」


彼女の言葉に心臓がドクンと大きく鳴り響く。

彼女からのまっすぐ見つめてくる瞳に僕は思わず視線をそらし、食べ終わったアイスの棒をくるくると回した。


「……いや、なんでそうなるわけ?」


なんで。

そんな疑問が頭の中をぐるぐると回る。

目を合わせられない、ただ否定しようにもどう話すべきか分からず目が泳ぐ。

どうして僕自身のことを話してもいないのに僕の心を知っているかのように話すのだろう。