「あー、金遣い荒そうだね」


「はぁ? そんなこと言うならこのアイスも俺が食う」


「ま、待って。今の言葉取り消して。喉渇いたから食べたい」


「……食べてよし」


「僕は犬か何かなの?」



そう言いながらもソーダ味のアイスを受け取り、

カラカラになった喉に潤いを与えるため、さっそくパッケージを開けた。


真夏に輝く水色を齧る。

口に入れた瞬間にただの液体となったアイスは食べた気が全くしないが、渇いた喉が少しずつ潤いを取り戻していった。



「お前ってさっき学校内で俺のことガン見してたやつだよな?」


「え……、なんで知って」


まさかさっきの出来事で顔を覚えられていたことに驚き、食べていたアイスが喉に引っかかり咳き込む。



「あんなキラキラした目向けられたのは初めてだからな」



彼女はしれっとした顔で食べ終わったアイスの棒を咥えながら、額からこぼれ落ちる汗を拭った。