普通に家に帰ったらお母さんは安心したように

「お父さんと離婚した」と告げた。

そういえば、あの日の蓮未だに忘れないけど

あのお願いが意味わからなかったんだよな。

【「お願いがある。俺華夏のことはもちろん…。
  今週の水曜日。7時にここで待ってる。
 だから来て」】

で、今日は水曜日。

あそこまで行くのに20分はかかるからな

私は時計を見た。

18時。
 
そろそろ出る

私も早く自由になりたい

私はスマホを片手に家を出た

あれから学校をまともに行ってないし

梨奈にも瑠菜にも咲良にも会ってない

会いたくないし

わるいことしたのかな…

そんなことを考えていると

東校舎についた。

屋上に駆け上った

校舎内は電気がついていた

あれ?いつもついてないのに。

蓮かな…?

屋上ついた。

「華夏、早かったな」

「蓮、校舎の電気つけた?」 

「あー、華夏が危ないかなって。
 余計なお世話か?」

「ううん…で、話ってなに?」

「俺……」

心臓がどくどく鳴った

「お前、俺のことどう思ってる?」

「好きと嫌いが混ざった」

「俺な、脳に傷があって余命宣告された」

「そうなんだ……ってえ!?!?」

余命宣告って…、

あと何ヶ月しか生きれないとかのやつだよね…?

事故のせいで…

「事故のせい…だよね、?」

「うん…でも華夏は気にしないで。
 事故の日、華夏を守ったこと俺後悔してない」

私は蓮の優しさに思わず

「蓮……好きだよ……
 もう遠回りも最低なことも言わない。
 だから私の前からいなくならないで。
 本当に…神様…
 いつも風のように現れてくるくせに…
 いなくなるときも風ように消えるなんて…
 私いやだよ…」

私は蓮に抱きついた。

蓮の心臓がどくどくなっていた

生きてる。

蓮は私と同じ空間を生きていた。

「俺も好きだよ。でもね。俺に残された時間は
 あと1年。その1年をより濃いものにしたい。
 それは華夏とじゃないと無理なんだ。」

私は首を横に振った。

「1年…短いよ…」

「1年って言ってもこの間になにが起こるか
わからなくて容態が急変するかもって」

「そんな……」

「あ、あと!来週文化祭だからな?
 俺達のクラスはお化け屋敷するって」

「う…うん…誰も私のことなんか求めてないし
 いらないよ。」

学校はつまらないよ。

「それが…奥田さんたちが謝りたいから
 学校に来てほしいって。
 いつもののりじゃなくて真面目そうだった」

え…?

本当のことだとしても

あの数日間。梨奈達には散々なことをされた。

許すか許さないか迷うところ。

「たとえそれが本当だとしても
 私は許した方いいのかな?」

「俺は知らないよ。
 怖いなら俺が近くで見てるよ。」

「お願い…そうして…」

「じゃあ約束して。
 俺の残りの1年を華夏が幸せにして」

蓮が小指を出してきた。

私はそこに自分の小指を絡め

「約束するよ。
 だからわがままたくさん言って。」

「明日から学校こいよ?」

「わかった」

私は空を見た。

そこには見渡す限りの星空が広がっていた