んー…

今日は眩しいくらいに晴れている

「華夏、学校は行くの?」

お母さんはそう言ってくれた

こないだのことを知ったお母さんは

学校行かなくていいよって言ってくれたんだ。



「んー、行ってみようかな。蓮がいるし」

「そっか。行こっか」

私はわかったと返事をして準備した

「準備できたよ。」

「じゃあ行こうか」
 
私は車に乗って外を見た

途中で歩いてる蓮を見た。

「あ、蓮!」

「乗せてく?」

「うん」

お母さんは道に車を止めた

朝だから誰もいないし

「蓮、おはよう。車だから乗ってきな」

「あ、華夏さん。ありがとう」


「ついたよ。」

「ありがとうございました。」

蓮は頭を下げて車から降りた

お母さんは笑顔で手を降っている

私は蓮と下駄箱に向かった

「同じクラスなんですよね?」

「そうだよ」

下駄箱につくと梨奈がいた。

「はぁ。蓮くんおはよう」

「奥田さん。おはよう。」

梨奈が行こっかって言って蓮の腕を引っ張った

「ごめん。奥田さん。痛い」

「あ、ごめぇん」

「うん。華夏さん行こう」

急に話しかけられてびっくりした

「いやいい。」

「華夏さん!」

「さん?まえ呼び捨てじゃなかった?」

梨奈がふと思いついたように言った

「あ、俺は今華夏さんの記憶なくて。」

蓮がぼそっと言った

「事故のせいで!?らっきー!」

梨奈は声をあげた

私は階段を上がって教室に行った

教室に入ると机がなかった

廊下をすみからすみまで探した

「はぁ…あった。」

机を見つけた場所は男子トイレ。

これ入ったら入ったで変態って言われるよね

教室の方を見たら瑠菜と咲良と梨奈が笑っていた

私はその場で立ち尽くした

そしたら横から声がきこえた

「んだよこれ…」



「え?れ…ん…蓮?」

横に蓮がいた

「あ……これは違うの!いたずら?みたいな!」

私はつくり笑いをした。バレててもいいよ

「それはわかったとしても、
 机の上のあの落書きなんなんですか?!」

「っ」

私は蓮を睨みつけた

「あんたのせいでしょ……!
 あんたが私に近づかなければ
 こんなことはなかった!
 記憶がない?覚えてない?
 挙句の果てには好き?
 なにその都合のいいセリフ!」

「華夏さ…ん?」

「もういい!二度と私の前に現れないで!」

私は屋上に向かった。

もういや。

こんな世界

私は屋上についた時

靴を脱いだ。

そして屋上の端に立った。

目を瞑った。

「華夏さん!!!」

蓮が私の腕をぐっと引っ張った

「うわっ!」

私達はその場にころんだ

「いって…」

「いった…」

「なんで止めるの!?」

「止めるでしょ!?」

「あんたのせいで限界なんだよ。こっちは」

蓮はくすっと笑った

「限界か…なんで俺のせいなんですか?」

「っ……いや…ってか!なんで笑うの?」

蓮のせいで傷ついてるなんて言いたくない

「面白いんですよ。あんな事する奴ら。
 底辺だなって思って」

「じゃあ蓮は上辺なの?それは違うでしょ」

「1時間ここで休みましょう。沢山話したいです」

蓮は寝っ転がった

私は頷いた

ここで1時間話すって、

ってかなんで?

反省文確定じゃん…

まぁその場合は蓮に書かせよ

「華夏さんって僕のこと好きでしたか?」

唐突に言われて少しだけギクッとした

「前の蓮には思い寄せてたかも」

私は蓮の方を見て笑った

「なにそれひどいですよ!」

蓮は私に適当に返した。

「ってか敬語じゃなくていいよ。ためで話そう」

「わかった。華夏さん。奥田さんは昔から
 華夏さんのことを?」

「ううん…蓮が事故に合った日。」

「つまり一週間前か。
 まさか俺のせいでってそゆことか」

私は言葉が詰まった。

心臓が張り裂けそうなぐらい痛かった

「さ…さぁ…ね。」

「覚えてるんだよ。それは誰かが……」

「誰かが…?」

 「誰か思い出せなくておかしいんだ。
 忘れたのは華夏さんだけなのに。」

私は蓮の記憶がいいのかそれとも偶然か

わけわからなくなった

「だから私につきまとうの?」

「つきまとってはないよ。華夏さんといると
 何か思い出せそうなんだ。」

蓮は遠くの空を見た。

「空って本当に自由だよな……」

それを聞いて私も空を見た。


「うん……
 私一回だけ本当に死にたい
 って思ったことがあって……」

私はこの話は今するべきじゃないなって

途中でやめた。

「やっぱ華夏さん面白い。さてと!
 一旦飛び降りるか!」

「は?本当、馬鹿になった?」

「ほら行くぞ」

蓮が私の腕を掴んだ。

「や、やめてよ!私は…死にたくない!」

蓮が私の顔を覗き込んできた

「あ、やっと言った。
 死にたくないんでしょ?」

私は笑った。

蓮がすごいヒーローに見えた。

私、蓮が……


キーンコーンカーンコーン

「あ、朝のHRの時間だ。
 ってことは時間あるな…ちょっとついてきて」

蓮は走ってどこかに向かっている。

私はその後を追いどこに行くのか

わからないけどついて行った

「蓮どこ行くの?」

「東校舎ー!」

「そこって……」

私の目に写ったのは東の森。

東校舎は森のなかだよ?

今は色々とあって全生徒は西校舎の新しい校舎に

通っている

沢山噂があるけど東校舎はなんか

大変らしい…

「蓮、ここって大丈夫なの、?」

「うん」

蓮はそのまま走った。

私は追うように追いかけた。

やっと東校舎が見えた。

以外に綺麗だな。誰か掃除でもしてるのかな

「はぁ…はぁ…はぁ…」

「華夏!もうすぐつくよ!」

呼び捨てにされたことは気づかなかった。

でもそっちのほうが慣れてたからかな

「う、うん…」

あれから何キロ走ったんだろう

蓮は東校舎の中に入って階段を上がった

「え、校舎の中に入れるの?」

私は怖かったけど恐る恐る一歩踏み入れた

ざくっ

うわ、結構床が緩んでる。

「蓮まってよ!」

おいていくなんて…

「早くしてよー」

蓮の足音がとまった。

そこには

【屋上!!蓮。】

とかいてあった

「ここだよ。目、瞑って」

私は言われたとおり目を瞑った

そしたら蓮が私の手を握って

こっちこっちとどこかに連れて行ってくれた

「華夏、目開けて」

私はゆっくりとまぶたを上げて周りを見た

そこにはありえない光景が浮かんでいた

「す、すごい…」

それは……

足元に大きな青い空の絵が書いてあり

地面から紐に吊るされてるきれいな

海や青空の写真があった。

「自由……」

私は気づいたらぼそっとそう言っていた

「華夏に見せたくて、もしかして前にも見た?」

蓮はいたずらげに笑った

「みたことない……みたことないよ!!」
 これ、全部蓮が?」

「ううん…ほぼ俺だけど昔よくここに来てたんだ
 今はもう亡き友達に手伝ってもらってた。
 今も良くここに絵を足している」

「友達も蓮も絵上手いんだね……」

「まぁな、スポーツ以外にもできることって
 これしかねえから」

私昔にもここ来たことあるっけ?

どこか親近感があった。

その時脳に一瞬だけいつかの記憶が

蘇ってきた。

え?

なんで……

私の記憶じゃない……

これ……

その記憶は

青い筆でなにかを書いている

夢?かな?








その日はあっという間に終わった。

結局授業を休んでいたことがバレて

放課後に反省文をかかされた。

私はずっとあのときの記憶が

いつのかを考えた

私にとって蓮は……何者?