私はいつもどおり学校に行った

珍しく蓮の姿が見えなかった

もう行ったのかな?

私の教室はなににも使わないから

なんなら私達の教室の階はなにも使わないし

静かだから教室でゆっくりしよう。

なんとなく本が読みたいし。

私は学校について教室に向かった。

階段を登っていると梨奈にあった

いつもより可愛かった。

「え、梨奈!可愛い!」

「当たり前!蓮くんの隣歩くなら!
 あぁ楽しみだけど緊張…」

「頑張れ!」

「ってか今日制服じゃなくて
 服装自由なのになんで制服?」

「教室で勉強したくて」

「え!えらすぎる…じゃ、下駄箱で蓮のこと
 まつからまたね!」

私は手を振ってまた階段を登った

やっぱり誰もいなかった

自分の席について校庭を眺めた

人混みすぎるでしょ

あそこに行ったら頭おかしくなりそう

私は目を瞑った。

ドンッ

うぅ……

あ、やば…寝てた?

私は周りを見た。

ん?

目をこすってもう一度周りを見た。

「え……ここどこ…?」

見たこともない場所にいた。

私は教室らしい部屋を出た

なにここ……

桜丘高校の校舎じゃない…?

私は走って校舎を出た。

学校の名前の名前のところを見た。

「東…中学校…?」

あ、前に蓮が言ってたところ。

私はポケットをあさった。

あれ!?スマホがない!!

「あの…すいません、どこの方ですか?」

後ろから声がした

私は後ろを振り返った。

そこにはここの中学の教頭先生らしき人が

立っていた

「あ、なんでもないです…」

私は頭を下げた瞬間

いつかの記憶が蘇ってきた。

【華夏】

蓮…?

え……ちょっと……まって…

そんなはずは……

あ…もしかして……

私は桜丘高校の東校舎に向かって走った。

何を思い出したのかな…

記憶にはないはずだよ…

私……

なに忘れてるんだよ。

私は東校舎についた。

校舎の前で息があがった

「っ…はぁはぁ…」

私は走って屋上に行った。

屋上って書いてある紙もなかった。

ドアを開けて外に出た。

そこには床の絵も消えていて

絵の具のあとすら残ってはなかった。

「蓮!いるんでしょ!
 いつの日からよ!
 私を避けるようになったの!」

「すいません…どちら様ですか?」

蓮の声がした。

私は振り返った。

「この屋上、バレたことなかったのになぁ。 
 あ、初めてですよ、この屋上に僕以外の人が
 足を踏み入れたの」

「何歳?」

「僕ですか?中3です」

「2年前…?」

「は?ってかあれですね。
 僕の幼馴染に顔似てます。」

蓮がそう言った。

「華夏…?」

私がそう訪ねた。

でも普通に考えると怖いよね

「え…?」

「蓮……じゃなくて蓮くん」

「はい」

「今人生楽しい?悩みいってみて」

「なんであなたに言わないといけないんですか」

「私じゃなくてあの海に。」

私は海を指した

「は…?」

「海はずっとそばにいてくれてる。 
 なんでも受け止めてくれるよ。」


「僕今、辛いんだ。本当は…
 そんなこと誰にも言えないですけどね。
 本当に好きなこともなくて。
 それに…幼馴染が最近病気になったんです。
 いつも隣にいてくれたのにいなくなって
 心が半分かけた感じで、
 でもその幼馴染のおかげで
 頑張れたことも多くて、気づいたら
 幼馴染のこといつの間にか
 好きになってました。
 だからこそ早く学校に来てほしいんです」
 
私は横で泣きそうになった

上を向いて涙を止めた

「幼馴染、早く治るといいね」

「治らないけど、早く復帰してほしいです」

「よし…蓮くん…自由ほしいでしょ」

「え?」

「自由、探してるんでしょ?
 自分の自由なんて無限大にあるんだよ。
 それを探して、もし見つけたら
 私の横で蓮くんから笑ってよ。」

蓮は私を見つめた

そうか…これを言ったのは私だったんだ。

「ここ一面に青空書きたいです。
 それが僕の"自由"です。」

「いいじゃん!自由にかこう!」

私は大きい筆を持ってきた

青い絵の具をつけて屋上を走った

色んな色を混ぜてできた色

青空が完成した。

私だったんだあの人って。

「小さいのにも絵、書きませんか?」

私は頷いて

画用紙に絵を書いた。

「できた……」

「やっと…」

私達は顔を見合わせてハイタッチを交わした

それから沢山話した。

夕日が海に沈み始めた。

「蓮くん、また会おう。」

「え?行くんですか?」

「うん…帰る。幼馴染の子のことちゃんと
 告白して蓮くんのものにしなね。」

「わかりました。また会いましょう」

私は走って東中に行った

またそこで寝れば戻れるかな。

私は東中にいってまた机で目を瞑った

ドンッ

目を開けるとまだ明るい時間。

スマホの時計を見るとやっぱりまだ9時だった。

んー…

タッタッタッ

誰かが走ってくる音がした

「華夏!蓮くんがこない!」

私は寝ぼけていた

「華夏!!」

梨奈は私のほっぺを軽く叩いた

「うわっ!」

「ねぇ、蓮くんこない!もう文化祭はじまる!」

「どゆこと?」

「通学路、探したんだけどどこにもいなくて」

「あ、もしかして!!梨奈まってて!」

私はもしかしたらと思って

東校舎に向かった。

さっきのは夢だったのかな。

いや現実だ。

だとすると今蓮がいる場所は東校舎なはず!

私は東校舎についた。

「蓮…」

屋上まで駆け上って叫んだ

「蓮ー!!!」

「そんなに叫ばなくてもここにいるよ」

横からひょいと蓮がでてきた。

「文化祭は!?」

「今日、俺大切な日なんだよ。 
 お前は知らないと思うけど」

「蓮…自由見つけたでしょ?
 なんで笑ってくれないの?」

「え…?」

「あの人って私のことだったよね。
 蓮…また会おうって言ったじゃん」

蓮が今にも倒れそうだった

「華夏……やっぱりあの時のは……
 未来の華夏…?」

「蓮。私からしたらさっきの今日は、
 蓮に初めて会った日」

蓮が涙を流した。私も泣いてしまった。

「自由。見つけれましたよ。
 でもその代償はかなり大きかったみたいです。
 余命宣告されて、暗闇に落ちました。」
 
「え…?」

「でも今また明るくなりました。だって
【また】がきたんですから。2年間も待ちました」

私は下を向いて涙を拭いた

「またせてごめんね。」

蓮は私にこっちに来てと手でやった

その瞬間手をぐいっと引かれて

抱きしめられた。

「2年間も待ったから、これくらい許して」

私は驚きのあまり笑ってしまった

「馬鹿じゃないの?幼馴染に告白しないの?」

蓮は私を離した

「するわけないでしょ。
 俺が記憶なくなった日、
 華夏のことは覚えてなかった。
 でもあの人は覚えてた。
 だから華夏のことすぐに思い出せたんだよ」

私はなにそれって少し笑った。

でも…そこで改めて蓮を好きと感じれた。

……………

もう死ぬのに…ばかみたい…