ここは地下二階層のまだ未開拓の通路。
 あれからエルとシルフィアとログスとララファは、周囲を警戒しながら通路を進んでいった。
 その背後からセルギガの眷属の二人がついてくる。

 (なんでついてくるだけなんだ?)
 (エル……確かに変ね。なんのためについてきてるの?)
 (まるで行き止まり……あっ、そうか。行き止まりなら、俺たちは逃げられない)

 そうログスが言うと三人は頷いた。

 (どうする?)
 (どうするって……エル。どっちにしても逃げられないよね?)
 (ララファ、確かにそうだな。そうなると、わざと行き止まりまでいくか)

 そう言いエルは三人をみる。

 (そうね……それしかないわ)
 (俺もそう思います)
 (うんうん、そうしよう)

 それを聞きエルは、ニヤリと口角を上げた。
 その後エル達は、そのまま通路を歩きすすむ。

 ∞✦∞✦∞✦∞

 エル達は行き止まりまでくると、わざと引き返そうとする。
 すると、あとをついて来ていた二人がエル達の前に立ちはだかった。
 それは長身で赤髪の男と小柄で黄緑の髪の男だ。

 「ここならいいだろう」

 そう言い赤色の髪の男は、持っていた五個のアイテムを背後に放り投げる。
 そのアイテムは、仲間に居場所を教えるための物だ。
 それをみたエル達は警戒した。

 (アレってなんだ?)
 (居場所を教えるアイテムよ)
 (じゃあ、五個投げたってことは……)

 そう言いログスの顔は、一瞬で青くなる。

 (五人くる……そうなると七人だな。眷属を、そんなに増やすってことは……)
 (エルのことを、かなり警戒しているってことになるはね)
 (ああ……だが、まだ俺のオーパーツのことは知られていないはず)

 そう言いエルは、目の前の二人を見据えた。
 黄緑色の髪の男は、三つ折りになっている黒く光っている鉄のような棍棒を持つ。その後、即座に折りたたんである部分を真っ直ぐにすると長い棒になった。
 そして黄緑色の髪の男は、黒い棍棒を身構えるとエル達へ視線を向ける。
 片や赤髪の男は、黒い鎖鎌を持ち構えた。
 それをみたログスは、エステルスの十文字槍を持ち身構える。
 片やララファは、魔水晶を持ち詠唱し始めた。そして、エルとシルフィアとログスの強化をする。
 シルフィアは素早くキャットクローを装着すると、目の前の二人組を睨んだ。
 一方エルは、大剣を背中の鞘から抜くと構えた。

 (とりあえず、俺は能力を使わないで戦う)
 (そうね……私もその方がいいと思うわ)
 (そうですね。まだ手の内をみせない方がいいと思います)
 (うん、アタシもそう思う。アタシは戦えないけど、サポートするね)

 そうララファが言うと三人は、コクッと頷く。

 「セルギガの話じゃ……確かエルは、紫の髪のヤツだ」

 そう黄緑の髪の男は言い赤髪の男をみる。

 「ああ、そうなると……分かってるな?」
 「勿論だ。じゃあ、やるとするか」

 そう言い黄緑の髪の男と赤髪の男は、エル達へ突撃した。
 それをみたエル達は、戦闘体勢に入る。
 そして四人はその後、黄緑の髪の男と赤髪の男と戦ったのだった。