エルはグリモエステルスの前まできた。グリモエステルスを見据え、ゴクリと唾をのみ込んだ。
(……覚悟しろエル! 躊躇うな。大丈夫だ!!)
そう言い聞かせるとエルは、右手でグリモエステルスに触れた。と同時に、グリモエステルス全体が発光する。その後、魔法陣が展開された。すると、全身に激痛が襲う。
「うわぁぁあああああああああ――――!!!?」
体を襲う激しい痛みに耐えられず絶叫する。
その様子をカルネアは、心配そうにみていた。
「やっぱり駄目なのかしら……でも、まだ分からない……信じるしかないわよね」
そう言いカルネアは祈る。
一方エルは、体が引き裂かれるような激痛を必死に堪えていた。その時、エルの全身が激しく発光する。
それと同時にエルは、バタンと床に倒れた。うなり苦しい表情をしている。
カルネアはそれをみて止めようとした。
(駄目、手を出したら意味がなくなる。それにこれは恐らく……)
だがエルは今、第二段階の試練を与えられていると思いとどまる。
∞✦∞✧∞✦∞
――エルは見慣れない場所に立っていた。周囲には、色とりどりの光が至る所に灯っている。そしてその空間には、色々な本が無造作に浮いていた。
「ここはどこだろう? 確か俺は、グリモエステルスに触れたはず」
そう言いながら自分の両手のひらをみる。その後、みえる範囲をみた。
「……」
足元をみたエルは絶句する。そう、下半身が透けていたからだ。
(これって、どういう事なんだ? もしかして、俺は死んだのか……)
そう思い落ち込んだ。
“……何を落ち込んでいるのかね”
その声を聞きエルは辺りを見回した。
「あれ? 誰もいない。今の声って、どこから聞こえたんだ」
“探しても無駄だぞ。儂はこの魔導書【グリモエステルス】である!”
「グリモエステルス、って……えっ、えぇぇぇぇええええ――――!?」
エルは時間差で驚く。
“そこまで驚くことではないと思うのだが……まあいいだろう。それでは本題に移ろうか”
「本題? 何をするんですか」
“儂が出す問題に答えれば良い。だがその答えによっては、君の魂を頂くよ。それと答えられなくても同じだ”
それを聞きエルは頷いた。
「答えられれば、この魔導書を手に入れられるんだよな?」
“そうだな。だが、問題は一問じゃない”
「俺に、拒否権はないんだよな?」
そう聞くとエルは真剣な表情になる。
“勿論だ! 君にその逃げ道はない。さて、余り時間をかける訳にはいかん。そうだな、君の名前を聞いておこうか”
「俺の名前……」
エルは考えた。なんで名前を聞いたのかと……。
(これってもしかして……もう既に始まってるのか? 思い過ごしかもしれない。だけど、用心した方がいいよな。それに、もしそうだったら魂を奪われる)
そう考えがまとまると口を開いた。
「なんで名乗らないといけない。それとも、名乗らなきゃいけない理由があるんですか?」
“ほう、なるほど……面白い。まぁいいだろう。聞かずとも問題はないからな”
「それなら、なんで聞いたんですか?」
そう言いエルは、ムッとしながら周囲を見渡す。
“それを教えろと……君はそれに気づいたから、答えなかったんじゃないのかね”
「やっぱりそういう事か。まだ問題は用意してあるんだよな」
“ああ、まだ終わっていない。さて、何から出そうか”
エルは身構える。次はどんな問題なのかと、そう思いながら待機した。
(……覚悟しろエル! 躊躇うな。大丈夫だ!!)
そう言い聞かせるとエルは、右手でグリモエステルスに触れた。と同時に、グリモエステルス全体が発光する。その後、魔法陣が展開された。すると、全身に激痛が襲う。
「うわぁぁあああああああああ――――!!!?」
体を襲う激しい痛みに耐えられず絶叫する。
その様子をカルネアは、心配そうにみていた。
「やっぱり駄目なのかしら……でも、まだ分からない……信じるしかないわよね」
そう言いカルネアは祈る。
一方エルは、体が引き裂かれるような激痛を必死に堪えていた。その時、エルの全身が激しく発光する。
それと同時にエルは、バタンと床に倒れた。うなり苦しい表情をしている。
カルネアはそれをみて止めようとした。
(駄目、手を出したら意味がなくなる。それにこれは恐らく……)
だがエルは今、第二段階の試練を与えられていると思いとどまる。
∞✦∞✧∞✦∞
――エルは見慣れない場所に立っていた。周囲には、色とりどりの光が至る所に灯っている。そしてその空間には、色々な本が無造作に浮いていた。
「ここはどこだろう? 確か俺は、グリモエステルスに触れたはず」
そう言いながら自分の両手のひらをみる。その後、みえる範囲をみた。
「……」
足元をみたエルは絶句する。そう、下半身が透けていたからだ。
(これって、どういう事なんだ? もしかして、俺は死んだのか……)
そう思い落ち込んだ。
“……何を落ち込んでいるのかね”
その声を聞きエルは辺りを見回した。
「あれ? 誰もいない。今の声って、どこから聞こえたんだ」
“探しても無駄だぞ。儂はこの魔導書【グリモエステルス】である!”
「グリモエステルス、って……えっ、えぇぇぇぇええええ――――!?」
エルは時間差で驚く。
“そこまで驚くことではないと思うのだが……まあいいだろう。それでは本題に移ろうか”
「本題? 何をするんですか」
“儂が出す問題に答えれば良い。だがその答えによっては、君の魂を頂くよ。それと答えられなくても同じだ”
それを聞きエルは頷いた。
「答えられれば、この魔導書を手に入れられるんだよな?」
“そうだな。だが、問題は一問じゃない”
「俺に、拒否権はないんだよな?」
そう聞くとエルは真剣な表情になる。
“勿論だ! 君にその逃げ道はない。さて、余り時間をかける訳にはいかん。そうだな、君の名前を聞いておこうか”
「俺の名前……」
エルは考えた。なんで名前を聞いたのかと……。
(これってもしかして……もう既に始まってるのか? 思い過ごしかもしれない。だけど、用心した方がいいよな。それに、もしそうだったら魂を奪われる)
そう考えがまとまると口を開いた。
「なんで名乗らないといけない。それとも、名乗らなきゃいけない理由があるんですか?」
“ほう、なるほど……面白い。まぁいいだろう。聞かずとも問題はないからな”
「それなら、なんで聞いたんですか?」
そう言いエルは、ムッとしながら周囲を見渡す。
“それを教えろと……君はそれに気づいたから、答えなかったんじゃないのかね”
「やっぱりそういう事か。まだ問題は用意してあるんだよな」
“ああ、まだ終わっていない。さて、何から出そうか”
エルは身構える。次はどんな問題なのかと、そう思いながら待機した。