エルはシルフィア達と話をしていた。
 するとカウンターの奥から書類を持ったカルシャがくる。

「お待たせしました。では、依頼完了の処理を先にしたいと思います」

 そう言いカルシャは、エルとシルフィアの目の前に一枚ずつ書類を置いた。
 それらにエルとシルフィアは記載していく。
 記載が終えるとエルとシルフィアはカルシャに書類とミラルカードを渡した。
 カルシャは書類を一枚ずつ確認する。

「はい、依頼完了の処理は終わりました。では、次の手続きですね」

 そう言いカルシャは、ミラルカードをエルとシルフィアに返す。その後、カウンターの上に一枚の紙を置いた。

「パーティーの申請手続きをしますので、代表者がここに記載してくださいませ」

 それを聞きエルとシルフィアとログスとララファは、お互いの顔を見合わせる。

「そういえば、誰がリーダーなんだ?」

 そう言いエルはシルフィアとログスとララファをみた。

「勿論、エルでしょ!」
「シルフィアさんの言う通り、こんな大役はエルしかいない」
「ですです。他にやれる人って居ないと思いますよ」

 それを聞きエルは思い悩んだ。

「本当にいいのかな……俺は、シルフィアがいいと思う」
「私? どうだろう……そんなにみんなをまとめる力はないよ」
「それを言うなら、俺の方がない」

 そう言いエルは俯き一点をみつめる。

「ううん、そんなことないと思うよ。エルは、アタシ達のことを考えてくれてる。だから仲間だって言ってくれたんだよね?」
「それは……ただ」
「エル? 観念してリーダーになった方がいいわよ。それにエルは、この中で一番強いんだしね」

 それを聞きエルは、ハァーっと息を吐き観念する。
 そしてエルは、パーティー申請の書類に記載していった。
 エルは記載が終えるとミラルカードと一緒に書類をカルシャにみせる。

「パーティー名は【フェアリーエステルス】で、代表者が【エル・ラルギエ】ですね。ミラルカードの方も確認させて頂きました」

 そう言いエルにミラルカードを返した。
 エルはそれを受け取りバッグに仕舞う。

「あとは……依頼を受けるのですよね?」
「カルシャさん、そうです。何かありますか?」
「そうですね……少々お待ちくださいませ」

 そう言うとカルシャは、カウンターの奥へ向かった。

「フゥー、とりあえずパーティー申請までは終わったな」
「そうね。あっ、私の方がまだだった!」
「まだって……まさか、前のパーティー抜けてないとか?」

 そうログスに言われシルフィアは、テヘッと舌をだす。

「やらかした。待ってて、私の担当の受付の人の所に行ってくるね」

 そう言いシルフィアは、慌てて自分の担当受付嬢の所に向かった。

「シルフィアって、偶にだけど……やらかすよな」
「エル、そうですね。ドジなのは、アタシだけかと思ってたけど」
「うん、でも……それがシルフィアさんのいいところだと思う」

 そう言いながらエルとログスとララファは笑っている。
 そして三人は、シルフィアが戻るまで待っていたのだった。