エルは悩んでいた。

 (どうしたらいい。……恐らくこうやって考えてることは、グリモエステルスに筒抜けなんだろうな。ふぅ~……そろそろシルフィアが目覚める頃か。いい加減、決断しなきゃ)

 そう思いエルは、シルフィアへと視線を向ける。
 シルフィアは、うなされているようだが今にも目覚めそうな雰囲気だ。

 “決心がついたようだね。それで、どうするんだ?”
 (聞かなくても、分かってるよな?)
 “ああ、そうだね。だけど君の口から、ちゃんと聞きたいんだ。それに、これは君にとっての誓いでもある”

 そう言われエルは不思議に思い首を傾げる。

 (誓い? どういう事だ……意味が分からない)
 “……これから君に起こるかもしれないこと、それだけじゃない……覚悟かな”
 (覚悟か。そうだな……この先、何があるか分からない。……分かった!)

 エルは深呼吸をした。

 (恐らく、今の自分じゃ躊躇する……だから能力を使う。それと……これからは、躊躇わず能力を使うと誓う!)
 “それでいい。その覚悟があれば、今までよりも能力を使い熟せるだろう”
 (それって、どういう事だ?)

 それを聞きエルは、意味が分からずそう問う。

 “言葉の通りだよ。君は、今まで能力を使う……解放することを躊躇っていた。そのため能力を解放しても、体が拒否していたんだ。その意味が分かるかい?”
 (ああ、そのくらいは分かる。そうか……じゃあ、前のように体力が減るってことはないんだな)
 “いや、それはない。体力は、儂が代償としてもらっているからね。というか体力……いや、生命エネルギーのようなものだが”

 エルはそれを聞き、ガッカリする。

 (じゃあ、今までと変わらないのか……)
 “それは違うかな”
 (違う? 体力がなくなったら、戦えなくなる……何が言いたいんだ)

 エルはグリモエステルスが何を言いたいのか分からない。

 “分からないのか……話が元に戻ってしまうぞ。確かに覚醒時、君から生命エネルギーをもらっている。だけど、それ以上に体力を消費していたのは君自身の体が拒否していたからだよ”
 (んーってことは、生命エネルギーは減る……だけど前ほど酷い状況に陥らない)
 “ふぅ~、そういうことだね。さて、そろそろシルフィアが目覚める。じゃあ、儀式の方法を教えるか……”

 グリモエステルスは疲れて、半分だけ投げやりになっていた。

 “……なんか、呆れてないか?”
 (そうだね……呆れているというか、ここまで説明する破目になるとは思わなかったよ。まぁいい、早くしよう)

 それを聞きエルは苦笑する。
 そしてその後エルは、グリモエステルスから眷属の儀式の方法を詳しく聞いたのだった。