ここはダグル迷宮の地下二階層の隠し通路。そして出入口と思われる扉の前だ。
その扉の前には、エルとシルフィアがいる。
あれからシルフィアは、目覚めるとエルに真実を話そうとした。だが、どこから話せばいいのか悩む。
「……シルフィア。話って、なんなんだ? 黙ってたら、分からないんだけど」
「うん、ごめん。どこから話したらいいか、迷っちゃって。そうだね……話すわ、全てを」
そう言いシルフィアは話し始める。
エルはその話を聞いていた。
「父さんもオーパーツ所持者で、母さんがその眷属。それに、シルフィアも……」
「そう……オーパーツが何かは、言えない。それは、エルも分かるわよね」
「勿論です。下手をすれば……命はない」
エルは真剣な表情でシルフィアをみる。
「そうね。それと、これも話しておくわ。このことと関係があるかもだから」
「それって……もしかして、俺の村が襲われたことですか?」
「そうなるわね。関係ないと思いたいけど、昔の仲間の仕業かもしれない」
そう言われエルは、思っていなかったことがシルフィアの口から出たため驚く。
「えっ!? ちょっと待って。他にも父さんの眷属がいる。それも、その人が仲間と俺の村を? でもそうだとして……なんで、なんにもない村を襲う必要があるんだ」
「所持していたオーパーツが目的だと思うのよね」
「それを盗むために、ってことは家にあったのか?」
シルフィアはそう問われ頷いた。
「多分、そうだと思う。それとエルムスが死んでるってことは、正統な所持者がマルセになっていたと思うわ」
「じゃあ、その権利を奪うために……」
そう思った瞬間エルは、心の奥底から怒りが込み上げてくる。それは、顔に表れていた。
「エル……そうよね。怒りたい気持ちは分かるわ。私も、もしそうだったら……って思うと」
「話を聞く限り、可能性がない訳じゃない」
「そうね……でも、そうとは限らない。できれば、違うと思いたいの」
そう言いシルフィアは、泣きそうな表情になる。
「そうだな。まだ、そうとは分かっていない。とにかく、今はここを抜け出すことが先だ」
「ええ、それでね……」
シルフィアは、グリモエステルスに言われたことをエルに伝えた。
「そっか。それで、全て話してくれたんだな……ありがとう。そうなると、俺がこれからやることは……」
「魔導書を私の方に向けて。そのあとは、私が触れるから」
そう言われエルは魔導書をシルフィアに向ける。
それを確認するとシルフィアは、魔導書の星の部分に左手で触れた。
すると魔導書が黒っぽい紫に発光する。それと同時に魔法陣が展開された。その魔法陣は、光を発しながら左手を伝い頭上までくる。その後、ストンッと全身を覆うように急降下した。
シルフィアの左の太ももの紋章が発光する。それは、紺よりも黒い色だ。紋章には二つの目、その真ん中に剣が逆さに向いていた。
「シルフィア!?」
そう叫びエルは、意識を失い倒れかかるシルフィアを寸でのところで抱きかかえる。
その後、地面に寝かした。
その間、魔導書……グリモエステルスは大きくなりシルフィアの胸の辺りまでくる。すると、パラパラとページが捲れ発光した。
グリモエステルスは開き終えると、ページ部分をシルフィアの方に向ける。それと同時に、シルフィアの全身が激しく発光する。
(始まったのか? グリモエステルスが動かなくなった。大丈夫だよな? でも、オーパーツ同士が話し合って何もなければいいけど)
そう思いエルは、シルフィアのことをみていたのだった。
その扉の前には、エルとシルフィアがいる。
あれからシルフィアは、目覚めるとエルに真実を話そうとした。だが、どこから話せばいいのか悩む。
「……シルフィア。話って、なんなんだ? 黙ってたら、分からないんだけど」
「うん、ごめん。どこから話したらいいか、迷っちゃって。そうだね……話すわ、全てを」
そう言いシルフィアは話し始める。
エルはその話を聞いていた。
「父さんもオーパーツ所持者で、母さんがその眷属。それに、シルフィアも……」
「そう……オーパーツが何かは、言えない。それは、エルも分かるわよね」
「勿論です。下手をすれば……命はない」
エルは真剣な表情でシルフィアをみる。
「そうね。それと、これも話しておくわ。このことと関係があるかもだから」
「それって……もしかして、俺の村が襲われたことですか?」
「そうなるわね。関係ないと思いたいけど、昔の仲間の仕業かもしれない」
そう言われエルは、思っていなかったことがシルフィアの口から出たため驚く。
「えっ!? ちょっと待って。他にも父さんの眷属がいる。それも、その人が仲間と俺の村を? でもそうだとして……なんで、なんにもない村を襲う必要があるんだ」
「所持していたオーパーツが目的だと思うのよね」
「それを盗むために、ってことは家にあったのか?」
シルフィアはそう問われ頷いた。
「多分、そうだと思う。それとエルムスが死んでるってことは、正統な所持者がマルセになっていたと思うわ」
「じゃあ、その権利を奪うために……」
そう思った瞬間エルは、心の奥底から怒りが込み上げてくる。それは、顔に表れていた。
「エル……そうよね。怒りたい気持ちは分かるわ。私も、もしそうだったら……って思うと」
「話を聞く限り、可能性がない訳じゃない」
「そうね……でも、そうとは限らない。できれば、違うと思いたいの」
そう言いシルフィアは、泣きそうな表情になる。
「そうだな。まだ、そうとは分かっていない。とにかく、今はここを抜け出すことが先だ」
「ええ、それでね……」
シルフィアは、グリモエステルスに言われたことをエルに伝えた。
「そっか。それで、全て話してくれたんだな……ありがとう。そうなると、俺がこれからやることは……」
「魔導書を私の方に向けて。そのあとは、私が触れるから」
そう言われエルは魔導書をシルフィアに向ける。
それを確認するとシルフィアは、魔導書の星の部分に左手で触れた。
すると魔導書が黒っぽい紫に発光する。それと同時に魔法陣が展開された。その魔法陣は、光を発しながら左手を伝い頭上までくる。その後、ストンッと全身を覆うように急降下した。
シルフィアの左の太ももの紋章が発光する。それは、紺よりも黒い色だ。紋章には二つの目、その真ん中に剣が逆さに向いていた。
「シルフィア!?」
そう叫びエルは、意識を失い倒れかかるシルフィアを寸でのところで抱きかかえる。
その後、地面に寝かした。
その間、魔導書……グリモエステルスは大きくなりシルフィアの胸の辺りまでくる。すると、パラパラとページが捲れ発光した。
グリモエステルスは開き終えると、ページ部分をシルフィアの方に向ける。それと同時に、シルフィアの全身が激しく発光する。
(始まったのか? グリモエステルスが動かなくなった。大丈夫だよな? でも、オーパーツ同士が話し合って何もなければいいけど)
そう思いエルは、シルフィアのことをみていたのだった。