自主研に出発する少し前、旅館の出口で「よっ」と肩を叩かれた。振り向いた私の顔は、飼い主にしっぽを振る子犬みたいな感じだったと思うよ。
「グッチーせんせー!おっはぁ」
「おっはぁ、お前ら朝からテンション高いなぁ」
うーんと伸びをするグッチー。咲と令奈も嬉しそう。
グッチーーー山口悠介先生は、私たち三人が入っているテニス部の顧問。最初はちょっとチャラそうだなーと思ったけれど、めちゃくちゃいい先生だった。まだ二十六歳らしいけど、彼女とかいるのかな。
「先生自主研の間どこ行くんですかー?」
「んー、めんどくさいから駅ブラブラしてよっかな」
「えぇ⁉︎一日中?引きこもりやん」
「なんでだよぉ」
「駅引きこもりだ、駅引きこもり」
令奈が言うと、グッチーは豪快に笑う。グッチーって、ほんと友達みたいに仲良く話してくれるんだよね。他の先生たちみたいに上から目線じゃないし、ほんとに親しみやすい。
私は、グッチーの袖をつかんで言った。
「じゃあ私、嵐山で先生にお土産買ってくる」
「えー、いいよ。自分のためにお金使えよ」
そう言いつつ、ほんとは欲しいんだろ。絶対なんか買って来てあげる。
「お、そろそろ行こう」
咲が腕時計を見ながら言う。昨日遊園地で遅刻したから、神経質になってるね。
「じゃ、お土産は良いけど、写真撮ってきてよ」
「写真?」
「ああ、写真。気をつけて行ってこいよ」
「うん!分かった!」
片方の腕を咲に掴まれ、もう片方の手でグッチーに手を振る。両手を振れる令奈が羨ましい。
いつもより少し短くしたスカートを舞わせ京都の光の中に飛び出す私たち。
じゃ、満喫してきます!
「グッチーせんせー!おっはぁ」
「おっはぁ、お前ら朝からテンション高いなぁ」
うーんと伸びをするグッチー。咲と令奈も嬉しそう。
グッチーーー山口悠介先生は、私たち三人が入っているテニス部の顧問。最初はちょっとチャラそうだなーと思ったけれど、めちゃくちゃいい先生だった。まだ二十六歳らしいけど、彼女とかいるのかな。
「先生自主研の間どこ行くんですかー?」
「んー、めんどくさいから駅ブラブラしてよっかな」
「えぇ⁉︎一日中?引きこもりやん」
「なんでだよぉ」
「駅引きこもりだ、駅引きこもり」
令奈が言うと、グッチーは豪快に笑う。グッチーって、ほんと友達みたいに仲良く話してくれるんだよね。他の先生たちみたいに上から目線じゃないし、ほんとに親しみやすい。
私は、グッチーの袖をつかんで言った。
「じゃあ私、嵐山で先生にお土産買ってくる」
「えー、いいよ。自分のためにお金使えよ」
そう言いつつ、ほんとは欲しいんだろ。絶対なんか買って来てあげる。
「お、そろそろ行こう」
咲が腕時計を見ながら言う。昨日遊園地で遅刻したから、神経質になってるね。
「じゃ、お土産は良いけど、写真撮ってきてよ」
「写真?」
「ああ、写真。気をつけて行ってこいよ」
「うん!分かった!」
片方の腕を咲に掴まれ、もう片方の手でグッチーに手を振る。両手を振れる令奈が羨ましい。
いつもより少し短くしたスカートを舞わせ京都の光の中に飛び出す私たち。
じゃ、満喫してきます!