「えーっと、ここであってるよね?」

時間通りに家で待っていたら大きなバスがやってきて乗ってみたけど…

で、で、で、デカくない?

いやもんもでかいんだけど、それ以上に校舎が…

「…えーっと、君新入生?」

だ、誰?

綺麗に茶髪に片耳だけ開けたピアスがいいバランスに、この人顔面偏差値高いな〜

いや、違くて…

「そ、うですけど…」

「じゃ、封筒見せて!」

ふ、封筒?そんなん見て何になるの?

とりあえず、言われた通り封筒を見せてみる。




「…え?君JOKER?」

「JOKERってなんですか?」

「ふーん、君がね…ま、確かにそこらへんの女よりは断然綺麗だけど…」

綺麗?この人美的感覚おかしいのかな?

見事に私の質問スルーされてる様な気がするのは気のせい…ではないと思う

「校舎一緒に入ろ!」

「あ、ありがとうございます。」

ちょうど迷子?分かんなくなってたから助かった〜

「失礼します。そこのお嬢さん、封筒をお見せください」

あ、私のことかな?

「はい」

「おぉ!これはこれは失礼いたしました。どうぞこちらへ、ご案内致しましょう」

「ちょっと待った。彼女は俺が送ってく。いつもご苦労様」

「わかりました。よろしくお願いします。」

「行こうか。」

「はい!」

「っ!」

ん?どうしたんだろう?

あ、そういえばお名前きくの忘れてた!

「あの、」

「ん?なんだ」

「お名前、教えてくれませんか?」

「あぁ、名乗り忘れてたね、これは失敬。俺の名前は… 鏡音樹仁だ、樹仁で構わない」

「わかりました。樹仁さんですね。」

「タメ口で構わないよ」

「でもそれは…」

一応先輩だと思うし…

でも、先輩の目がキラキラしてるし…

うっ、すごい罪悪感

「わ、分かった」

声、ちっちゃくなっちゃった…

ちらっと先輩の方を見ると…





「っ!!」

なぜか顔が心なしかほんのり赤くなってる気がした。

「やばい、クール系かと思ったけど可愛いなこの子」

「ん?何か言った?」

「大丈夫、気にしないでね」

「はーい!」

「さぁ、ついたよ、ここが本校の校舎だ…」

うわ、門から見た時も思ったけど、すごくおおきい、ここの校舎!

「一年生は2階のフロアだよ、今日は組み分け式と色分け式かな?」

ん?色分け?組み分け?

「とりあえず。教室に入るといいよ。 一緒の組になれるといいね」

樹仁さんはどこなんだろう?

「あの、樹仁さんはどこなんですか?

「俺?俺はね、今日わかるよ?」

え?樹仁さんも新入生?

なんて考えが頭をよぎったけど、流石にないか。

「じゃ、またね〜」





このとき私は知らなかった。








彼がDIAMONDの組長だってことを。





彼が彼女は「BRACKのJOKER」最強のJOKERだって予測してたことを







波乱の展開はここから幕を「今」開けた













彼女の名前は  













桐谷紗希