一人の家で、ネクタイを締める。
どうせなら、パジャマで寝起きの姿じゃなくて、この姿で梨緒に会いたかったと思った。
そう思える自分は、きっとあの日とは違う。
いつかまた、君に会える日まで。
僕は楽しんで、苦しんで、もがいて。梨緒に十数年、どんなことがあったのかを話せるように。
今日も、梨緒のいないこの世界を生きていく。