一向にお開きになる気配を感じない居酒屋の個室で、私は両手でぎゅっと帽子を深く被り、身を丸めながら時間が過ぎるのをただじっと待っていた。
出入り口に一番近い席に座っているはずなのに、席を立つことが許されない。そんな空気を感じていた。
私を半ば強引に合コンへ誘った沙耶は、入り口に一番近いところにいる私のことなんて気にも留めず、奥の方にいるグループに加わり、見たことのない色をした瓶を開けて乾杯をしている。
大学に入ってすぐに知り合った沙耶は決して悪い子じゃないけれど、いつも誰かに明るく振る舞う打算的な子だった。そんな計算高い沙耶がなぜ私と一緒にいるのかは、今だによくわからない。
気になって本人に直接訊いてみたこともあったけど、きちんとした理由を教えてくれるわけでもなく「ミケちゃんは私と一緒にいたら絶対に楽しいよ」なんて、勝手に付けたあだ名でそう濁された。
たしかに沙耶は裏表がない子だから、一緒にいると気が楽でもあった。だから私はなるべく沙耶の言う通りにしてみた。
その結果が、これ。合コンに参加しているというわけだ。
出入り口に一番近い席に座っているはずなのに、席を立つことが許されない。そんな空気を感じていた。
私を半ば強引に合コンへ誘った沙耶は、入り口に一番近いところにいる私のことなんて気にも留めず、奥の方にいるグループに加わり、見たことのない色をした瓶を開けて乾杯をしている。
大学に入ってすぐに知り合った沙耶は決して悪い子じゃないけれど、いつも誰かに明るく振る舞う打算的な子だった。そんな計算高い沙耶がなぜ私と一緒にいるのかは、今だによくわからない。
気になって本人に直接訊いてみたこともあったけど、きちんとした理由を教えてくれるわけでもなく「ミケちゃんは私と一緒にいたら絶対に楽しいよ」なんて、勝手に付けたあだ名でそう濁された。
たしかに沙耶は裏表がない子だから、一緒にいると気が楽でもあった。だから私はなるべく沙耶の言う通りにしてみた。
その結果が、これ。合コンに参加しているというわけだ。