「さあ、そろそろ店を開けようか」
「す、すごいお客さんです……」
「……この店をオープンする時よりも並んでいるな」
フィアちゃんやリリアの言う通り、ここのお店を開く時もかなりのお客さんが並んでくれていた。しかしその時よりも大勢のお客さんが、列を作ってアウトドアショップの開店を今か今かと待っている。
「こりゃすごいな……この店が開いた時もこんなに客が並んでいたのか……」
「僕は従業員をやるのは初日なんだけどなあ……やばっ、高ランクのクエストを受ける時よりも緊張してきたよ……」
さすがのドルファもランジェさんも、これだけのお客さんを前に驚いている。でもさすがに高ランクのクエストを受けるよりは全然マシだと思うぞ。
「この店をオープンした時や、そのあとこのお店に来てくれたお客さんが、新製品を販売するって告知を見て大勢来てくれたみたいだね」
先週俺のアウトドアショップの能力がレベルアップしてから1週間が過ぎた。それまでに新しく能力で買えるようになった商品の精査、今日から新商品を販売する旨の広告を冒険者ギルドやこのお店に貼って準備をしてきた。
図鑑や地図については冒険者ギルドのライザックさんとパトリスさんに一任しており、信頼のおける写本が可能な人に依頼をして、現在は地図を写しているところである。
そしてその地図をさらに一般的に雇った人に写してもらい販売をする予定だ。地図のほうは来週にでも販売できそうだが、図鑑のほうはまだまだ時間が掛かりそうである。
写本をしてもらう人は冒険者ギルドでも信頼のおける人らしいが、地図や図鑑の出所が俺であるということを伏せているため、実際に会うことはなさそうだ。まあ地図はこの店でも販売する予定だから、向こうは察する可能性はあるかもしれない。
「とりあえず、開店と同時にまずは新商品の説明をするから、全員で表に出てお客さんに挨拶をしよう。新しいこのお店の制服のお披露目もしたいからね」
そう、俺達は全員同じ黒色のウインドブレーカーを羽織っている。アウトドアショップの能力がレベルアップして購入することができるようになったウインドブレーカーを制服として使用するようにした。
「なんだかみんなで同じ服を着るっていうのはいいね!」
「ああ、いつもより気合いが入る気がするぞ!」
ランジェさんやドルファは軽めの防具の上からウインドブレーカーを着ている。確か元の世界でもユニフォームや制服も同じ服を着ることによって、仲間との連携意識を上げたり、仕事のオンオフを切り替える目的もあったりしたはずだ。
「後ろのマークが格好いいです!」
「うむ、みんなで考えた甲斐があるな!」
そう、ウインドブレーカーをそのまま普通に使ってしまうと、今後このウインドブレーカーを販売した時にお客さんと従業員の区別がつかなくなってしまうため、従業員用のウインドブレーカーの背中にはこのお店のロゴの刺繍が入っている。
このお店の看板を考えた時と同じで、やはりこのお店で最初に売り始め、看板商品である方位磁石を入れようという話になった。
そしてアウトドアショップということもあり、今後販売する予定にもなっているテントを表す三角形の中に方位磁石というロゴが完成した。それに合わせて看板もこのマークに変更してある。
ちなみに刺繍を入れてくれたのはフィアちゃんのお母さんのレーアさんとドルファの妹のアンジュさんである。以前のバーベキューやチョコレートバーとようかんのお礼ということで、快く引き受けてくれた。
「それじゃあお店を開けるよ。忙しくなると思うけれど頑張っていこう!」
「「「おお!!」」」
「みなさま、大変お待たせしました! 本日は朝早くから並んでいただきまして、誠にありがとうございます! 開店の前に、本日より販売する新製品について、簡単に説明したいと思います!」
「「「おお〜!」」」
何度かこのお店で新商品を販売した際の実績があるため、お客さんも期待しているようだ。
「さあさあここに取り出しましたるは、細い棒状の乾燥させた麺でございます。こちらは棒状ラーメンといって、これをお湯に入れて茹でてたったの3分! お湯さえあればたったの3分で完成する優れもの!」
「へえ〜そんなすぐにできるのか!」
「最近はお湯を沸かすのも楽になってきたからな。お湯を沸かせてすぐに食えるのは便利だな!」
実際に草原や森でお湯を沸かすのは結構時間が掛かってしまう。早いのはお湯さえあればだからな。お湯を沸かすのは時間が掛かるけれど、お湯さえ沸かせばすぐだから嘘は言っていない。
「これならどんなに忙しい冒険者であってもすぐに食べることができます! それに難しい作業は一切なし! お湯で茹でたら、インスタントスープと同じこの魔法の粉を入れるだけなので、料理ができない冒険者でも簡単につくることができます!」
「「「おお〜!」」」
そして棒状ラーメンの利点はもうひとつ。誰でも簡単に作れることだ。お湯で茹でて粉末スープを入れるだけ。これなら普段料理を作ることができない冒険者でも、簡単に食事を作ることができる。
「今回は醤油味と豚骨味の2種類を用意しました。こんな朝早くからわざわざ並んでくれたお客様のために、少しだけ試食分を用意しましたので、ぜひ味を見てください!」
「す、すごいお客さんです……」
「……この店をオープンする時よりも並んでいるな」
フィアちゃんやリリアの言う通り、ここのお店を開く時もかなりのお客さんが並んでくれていた。しかしその時よりも大勢のお客さんが、列を作ってアウトドアショップの開店を今か今かと待っている。
「こりゃすごいな……この店が開いた時もこんなに客が並んでいたのか……」
「僕は従業員をやるのは初日なんだけどなあ……やばっ、高ランクのクエストを受ける時よりも緊張してきたよ……」
さすがのドルファもランジェさんも、これだけのお客さんを前に驚いている。でもさすがに高ランクのクエストを受けるよりは全然マシだと思うぞ。
「この店をオープンした時や、そのあとこのお店に来てくれたお客さんが、新製品を販売するって告知を見て大勢来てくれたみたいだね」
先週俺のアウトドアショップの能力がレベルアップしてから1週間が過ぎた。それまでに新しく能力で買えるようになった商品の精査、今日から新商品を販売する旨の広告を冒険者ギルドやこのお店に貼って準備をしてきた。
図鑑や地図については冒険者ギルドのライザックさんとパトリスさんに一任しており、信頼のおける写本が可能な人に依頼をして、現在は地図を写しているところである。
そしてその地図をさらに一般的に雇った人に写してもらい販売をする予定だ。地図のほうは来週にでも販売できそうだが、図鑑のほうはまだまだ時間が掛かりそうである。
写本をしてもらう人は冒険者ギルドでも信頼のおける人らしいが、地図や図鑑の出所が俺であるということを伏せているため、実際に会うことはなさそうだ。まあ地図はこの店でも販売する予定だから、向こうは察する可能性はあるかもしれない。
「とりあえず、開店と同時にまずは新商品の説明をするから、全員で表に出てお客さんに挨拶をしよう。新しいこのお店の制服のお披露目もしたいからね」
そう、俺達は全員同じ黒色のウインドブレーカーを羽織っている。アウトドアショップの能力がレベルアップして購入することができるようになったウインドブレーカーを制服として使用するようにした。
「なんだかみんなで同じ服を着るっていうのはいいね!」
「ああ、いつもより気合いが入る気がするぞ!」
ランジェさんやドルファは軽めの防具の上からウインドブレーカーを着ている。確か元の世界でもユニフォームや制服も同じ服を着ることによって、仲間との連携意識を上げたり、仕事のオンオフを切り替える目的もあったりしたはずだ。
「後ろのマークが格好いいです!」
「うむ、みんなで考えた甲斐があるな!」
そう、ウインドブレーカーをそのまま普通に使ってしまうと、今後このウインドブレーカーを販売した時にお客さんと従業員の区別がつかなくなってしまうため、従業員用のウインドブレーカーの背中にはこのお店のロゴの刺繍が入っている。
このお店の看板を考えた時と同じで、やはりこのお店で最初に売り始め、看板商品である方位磁石を入れようという話になった。
そしてアウトドアショップということもあり、今後販売する予定にもなっているテントを表す三角形の中に方位磁石というロゴが完成した。それに合わせて看板もこのマークに変更してある。
ちなみに刺繍を入れてくれたのはフィアちゃんのお母さんのレーアさんとドルファの妹のアンジュさんである。以前のバーベキューやチョコレートバーとようかんのお礼ということで、快く引き受けてくれた。
「それじゃあお店を開けるよ。忙しくなると思うけれど頑張っていこう!」
「「「おお!!」」」
「みなさま、大変お待たせしました! 本日は朝早くから並んでいただきまして、誠にありがとうございます! 開店の前に、本日より販売する新製品について、簡単に説明したいと思います!」
「「「おお〜!」」」
何度かこのお店で新商品を販売した際の実績があるため、お客さんも期待しているようだ。
「さあさあここに取り出しましたるは、細い棒状の乾燥させた麺でございます。こちらは棒状ラーメンといって、これをお湯に入れて茹でてたったの3分! お湯さえあればたったの3分で完成する優れもの!」
「へえ〜そんなすぐにできるのか!」
「最近はお湯を沸かすのも楽になってきたからな。お湯を沸かせてすぐに食えるのは便利だな!」
実際に草原や森でお湯を沸かすのは結構時間が掛かってしまう。早いのはお湯さえあればだからな。お湯を沸かすのは時間が掛かるけれど、お湯さえ沸かせばすぐだから嘘は言っていない。
「これならどんなに忙しい冒険者であってもすぐに食べることができます! それに難しい作業は一切なし! お湯で茹でたら、インスタントスープと同じこの魔法の粉を入れるだけなので、料理ができない冒険者でも簡単につくることができます!」
「「「おお〜!」」」
そして棒状ラーメンの利点はもうひとつ。誰でも簡単に作れることだ。お湯で茹でて粉末スープを入れるだけ。これなら普段料理を作ることができない冒険者でも、簡単に食事を作ることができる。
「今回は醤油味と豚骨味の2種類を用意しました。こんな朝早くからわざわざ並んでくれたお客様のために、少しだけ試食分を用意しましたので、ぜひ味を見てください!」