「新しく従業員のドルファが入ったことだし、明日の休みのお昼頃からこのお店の裏庭で親睦会をしようと思うんだけれど、みんなの予定は空いているかな?」
無事にドルファが入ってから1週間が経ち、正式に従業員として働くことになったわけだし、このお店での親睦会をしようと思っている。
もうリリアやフィアちゃん達とも普通に話せるようにはなっているが、ここらで息抜きと親睦を深めようというわけだ。
この世界の親睦会なら、元の世界のあまり嬉しくない会社の親睦会ではなく、ちゃんと楽しめるはずだ。俺も上司って感じではないからな。
「私は大丈夫だぞ」
「フィアも大丈夫です」
「ああ……いや、俺は……」
リリアとフィアちゃんは大丈夫で、ドルファは予定あるのかな。主役がいないなら別の日の方がいいな。それともこういう店員同士の交流とか煩わしかったりするのか。
「もし予定があるなら明後日はどうだ? それかあんまり大勢で酒を飲んだりとかは嫌か?」
「すまないが、休みの日はずっと妹のアンジュと一緒にいると決めているんだ」
「「「………………」」」
……さすがにこれは想定外の理由だった。まあ休みの日は各自の自由だしな。しかしアンジュさんはそれを認めているのか? 休みの日に勝手にストーカー行為とかしてないよな……
「もし良かったら妹さんも一緒にどうだ? 珍しい料理を用意しておくぞ」
「アンジュも? いいのか?」
「ああ、何人か増えても変わらないしな。それにこういうのは人が多いほうがいい。フィアちゃんも予定が空いていたら、お母さんも誘ってみてくれる?」
「はいです! テツヤお兄ちゃんありがとう!」
「わかった。明日アンジュの予定はないはずだが、念のためにすぐに確認してくる。もし大丈夫ならぜひ参加させてくれ」
「ああ、せっかくなら2人とも参加してくれると嬉しいよ」
妹さんの予定を当然のように把握していることについてはスルーしておこう……
閉店作業が終わったあと、一度家に帰って妹さんと一緒に参加するという連絡をもらった。フィアちゃんのお母さんはまだ仕事中だったが、明日は休みだからたぶん参加できるとフィアちゃんが言っていた。
明日の午前中で準備をして、お昼はみんなでパーっと過ごすとしよう!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「休みって素晴らしい!」
今日は休みだ。休みって素晴らしい! 最高だぜ、ヒャッハー!
……いかんいかん、久しぶりのまともな休みでテンションがおかしくなっていた。こっちの世界に来てからはブラックな環境で働いていたわけではなかったが、それでも起きる時間をそれほど考えなくていい休日は最高である。
もうこんな時間か。いつもリリアは早起きだし、もうとっくに起きているに違いない。
「やっほ〜! お久しぶりだね、テツヤ!」
「……久しぶりだね、ランジェさん」
自分の部屋の扉を開けて居間へ行くと、そこにはエルフのランジェさんが当たり前のように座っていたので驚いた。
「おはよう、テツヤ。朝ランジェが来たから、中に入ってもらったぞ」
「おはよう、リリア。大丈夫だよ、ありがとうね」
どうやらリリアがランジェさんを中に入れてくれたらしい。俺は完全に熟睡していたからありがたいな。
「リリアから話は聞いたけれど、順調なようでなによりだよ。新しい従業員も雇ったんだってね」
「おかげさまでね。ランジェさんのほうは大丈夫だった? 変なやつに絡まれたりしていない?」
「うん、少なくとも今回は尾行されたり絡まれたりすることはなかったよ」
さすがにまだこの店に探りを入れてくる者はいなかったか。どちらかというと、この店を開いてから少し経ったこれからだな。
「このお店を開いて2週間が経ったし、そろそろランジェさんを尾行する人達が出てきてもおかしくない。今回は特に気を付けてね」
「了解〜バッチリ気をつけるよん!」
軽い感じだが、ランジェさんはBランク冒険者だ。それも隠密や逃げることは得意らしいし、ここはランジェさんを信じるとしよう。
「今から朝食を作るけれど、ランジェさんも食べる?」
「もちろん! テツヤが前に作ってくれた料理はとてもおいしかったからね! 今回も楽しみにしているよ」
「そう言ってくれると、こっちも作る甲斐があるよ。そういえば今日は昼からみんなで新しい従業員と親睦会をする予定なんだけれど、よかったらランジェさんも参加しないか?」
「うん、もちろん! さっきリリアに教えてもらったよ。喜んで参加させてもらうね!」
どうやらランジェさんもドルファ達との親睦会に参加してくれるようだ。ということは朝は軽めにしておいたほうがいいな。
「お待たせ。今日はお昼があるから軽めにしたよ。ワイルドボアの燻製肉と野菜のコンソメスープだ」
「うわっ、いい匂いだね!」
「おお、これは美味しそうだな!」
ロイヤ達からもらったワイルドボアの燻製肉を数cmほどに切り、玉ねぎ、アスパラ、ジャガイモのようなこちらの世界の野菜と一緒に軽く炒めてから、水を加えてコンソメのインスタントスープを加えて煮込み、仕上げにアウトドアスパイスを軽く振ったものだ。
「うん、独特の香りがついたワイルドボアの肉とコンソメスープがよく合っているよ! それにスープの味が染み込んだ野菜もとても美味しくていいね!」
「ああ、ワイルドボアの肉がこれほど美味しく感じるとは思わなかったな! 香辛料もふんだんに使われているから、パンと一緒に食べても美味しいぞ!」
うむ、我ながらなかなかの出来だな。とりあえずコンソメスープなら、大抵の野菜や肉によく合う。簡単だし身体も温まるし、寒い時期のキャンプの朝食にはピッタリなんだよね
さあ、朝食を食べたら昼からの親睦会の準備をするとしよう。
無事にドルファが入ってから1週間が経ち、正式に従業員として働くことになったわけだし、このお店での親睦会をしようと思っている。
もうリリアやフィアちゃん達とも普通に話せるようにはなっているが、ここらで息抜きと親睦を深めようというわけだ。
この世界の親睦会なら、元の世界のあまり嬉しくない会社の親睦会ではなく、ちゃんと楽しめるはずだ。俺も上司って感じではないからな。
「私は大丈夫だぞ」
「フィアも大丈夫です」
「ああ……いや、俺は……」
リリアとフィアちゃんは大丈夫で、ドルファは予定あるのかな。主役がいないなら別の日の方がいいな。それともこういう店員同士の交流とか煩わしかったりするのか。
「もし予定があるなら明後日はどうだ? それかあんまり大勢で酒を飲んだりとかは嫌か?」
「すまないが、休みの日はずっと妹のアンジュと一緒にいると決めているんだ」
「「「………………」」」
……さすがにこれは想定外の理由だった。まあ休みの日は各自の自由だしな。しかしアンジュさんはそれを認めているのか? 休みの日に勝手にストーカー行為とかしてないよな……
「もし良かったら妹さんも一緒にどうだ? 珍しい料理を用意しておくぞ」
「アンジュも? いいのか?」
「ああ、何人か増えても変わらないしな。それにこういうのは人が多いほうがいい。フィアちゃんも予定が空いていたら、お母さんも誘ってみてくれる?」
「はいです! テツヤお兄ちゃんありがとう!」
「わかった。明日アンジュの予定はないはずだが、念のためにすぐに確認してくる。もし大丈夫ならぜひ参加させてくれ」
「ああ、せっかくなら2人とも参加してくれると嬉しいよ」
妹さんの予定を当然のように把握していることについてはスルーしておこう……
閉店作業が終わったあと、一度家に帰って妹さんと一緒に参加するという連絡をもらった。フィアちゃんのお母さんはまだ仕事中だったが、明日は休みだからたぶん参加できるとフィアちゃんが言っていた。
明日の午前中で準備をして、お昼はみんなでパーっと過ごすとしよう!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「休みって素晴らしい!」
今日は休みだ。休みって素晴らしい! 最高だぜ、ヒャッハー!
……いかんいかん、久しぶりのまともな休みでテンションがおかしくなっていた。こっちの世界に来てからはブラックな環境で働いていたわけではなかったが、それでも起きる時間をそれほど考えなくていい休日は最高である。
もうこんな時間か。いつもリリアは早起きだし、もうとっくに起きているに違いない。
「やっほ〜! お久しぶりだね、テツヤ!」
「……久しぶりだね、ランジェさん」
自分の部屋の扉を開けて居間へ行くと、そこにはエルフのランジェさんが当たり前のように座っていたので驚いた。
「おはよう、テツヤ。朝ランジェが来たから、中に入ってもらったぞ」
「おはよう、リリア。大丈夫だよ、ありがとうね」
どうやらリリアがランジェさんを中に入れてくれたらしい。俺は完全に熟睡していたからありがたいな。
「リリアから話は聞いたけれど、順調なようでなによりだよ。新しい従業員も雇ったんだってね」
「おかげさまでね。ランジェさんのほうは大丈夫だった? 変なやつに絡まれたりしていない?」
「うん、少なくとも今回は尾行されたり絡まれたりすることはなかったよ」
さすがにまだこの店に探りを入れてくる者はいなかったか。どちらかというと、この店を開いてから少し経ったこれからだな。
「このお店を開いて2週間が経ったし、そろそろランジェさんを尾行する人達が出てきてもおかしくない。今回は特に気を付けてね」
「了解〜バッチリ気をつけるよん!」
軽い感じだが、ランジェさんはBランク冒険者だ。それも隠密や逃げることは得意らしいし、ここはランジェさんを信じるとしよう。
「今から朝食を作るけれど、ランジェさんも食べる?」
「もちろん! テツヤが前に作ってくれた料理はとてもおいしかったからね! 今回も楽しみにしているよ」
「そう言ってくれると、こっちも作る甲斐があるよ。そういえば今日は昼からみんなで新しい従業員と親睦会をする予定なんだけれど、よかったらランジェさんも参加しないか?」
「うん、もちろん! さっきリリアに教えてもらったよ。喜んで参加させてもらうね!」
どうやらランジェさんもドルファ達との親睦会に参加してくれるようだ。ということは朝は軽めにしておいたほうがいいな。
「お待たせ。今日はお昼があるから軽めにしたよ。ワイルドボアの燻製肉と野菜のコンソメスープだ」
「うわっ、いい匂いだね!」
「おお、これは美味しそうだな!」
ロイヤ達からもらったワイルドボアの燻製肉を数cmほどに切り、玉ねぎ、アスパラ、ジャガイモのようなこちらの世界の野菜と一緒に軽く炒めてから、水を加えてコンソメのインスタントスープを加えて煮込み、仕上げにアウトドアスパイスを軽く振ったものだ。
「うん、独特の香りがついたワイルドボアの肉とコンソメスープがよく合っているよ! それにスープの味が染み込んだ野菜もとても美味しくていいね!」
「ああ、ワイルドボアの肉がこれほど美味しく感じるとは思わなかったな! 香辛料もふんだんに使われているから、パンと一緒に食べても美味しいぞ!」
うむ、我ながらなかなかの出来だな。とりあえずコンソメスープなら、大抵の野菜や肉によく合う。簡単だし身体も温まるし、寒い時期のキャンプの朝食にはピッタリなんだよね
さあ、朝食を食べたら昼からの親睦会の準備をするとしよう。