「さあ、今日で営業3日目だ! 今日も気を引き締めていこう!」
「……うん、そうだね。フィアちゃんも頑張ろうね!」
「はいです!」
どうやら昨日落ち込んでいたリリアは完全に復活したようだ。……というより以前よりもやる気になっているような気がする。俺なんかの言葉でも多少は役に立ったらしい。
「リリアお姉ちゃん、すっごく元気になっているね」
「そうだね。昨日フィアちゃんの家から帰る時に励ましたんだけど、元気になってくれたみたいでよかったよ」
開店準備をしながら、フィアちゃんと少しだけ会話をする。
「リリアお姉ちゃんになんて言ったの?」
「うん? えっと、リリアのことを何も知らない男が言った言葉なんて気にする必要はないとか、リリアは綺麗な女性だから気にするなとかかな」
「……ふ〜ん」
今思うとなかなか恥ずかしいことを言ったな。リリアが綺麗だと思うのは本当だけど、やはり本人に直接言うのはかなり恥ずかしい。
「テツヤお兄ちゃん、フィアは綺麗だと思う?」
「へっ、なんで?」
「いいから教えて!」
「う、うん……フィアちゃんは綺麗というよりは可愛いかな。でもフィアちゃんはこれから成長するだろうし、お母さんのレーアさんはとても綺麗だから、フィアちゃんもきっと将来は綺麗な女性になると思うよ」
「そ、そうなんだ! テツヤお兄ちゃんも格好良いよ!」
「あ、うん。ありがとうね、フィアちゃん」
フィアちゃんも子供ながらにしてやっぱり可愛いとか綺麗とか褒められたいのかな? 俺も格好良いと言われて満更でもない。さて、今日も頑張るとするか!
「「「ありがとうございました!」」」
今日の最後のお客さんを3人で見送った。今日もまだまだお客さんも多く忙しかったが、なぜかリリアとフィアちゃんがとても張り切って働いてくれていたので、無事に営業を終えることができた。
「ふう〜今日もお疲れさま。昨日と一昨日に比べたら、さすがに少しは落ち着いてきたかな」
「そうだな。インスタントスープ以外の商品は一度購入すれば、当分は購入する必要はないから、ある程度広まればお客さんも落ち着くだろう。とはいえ、この街には毎日のように新しい冒険者や商人がやってくるから、お客さんが途切れるということはないだろうな」
確かに方位磁石や浄水器などは一度購入すれば当分の間は購入する必要はなくなる。今日までの3日間で結構なお客さんが来てくれていたので、そろそろ客足は落ち着いてくるだろう。
「それじゃあフィアはこの木筒を洗っちゃいますね」
「私は店内の掃除をしておこう」
「俺は売り上げの集計だな」
今日からインスタントスープに使っていた木筒が少しずつ返却されてきたので、それを洗う仕事も増える。手分けをして閉店後の作業を行なっていく。
「よし、そろそろ終わりにしようか。フィアちゃん、今日もお疲れさま」
「はいです!」
閉店後の作業を終えて、遅くならないうちにリリアと一緒にフィアちゃんを家まで送る。そしてそこから買い物をしてお店まで戻り、晩ご飯を作って食べてから明日のお店の準備をする。
……うん、結構忙しい。やっぱり人手はもう少し必要になる。実際に商店を開くことは初めてだったから、だいぶ見通しが甘かったな。もう少し頑張れば2日間の休みに入る。そして今商業ギルドで出している求人の面接があり、新しい従業員を雇うことができるからもうひと踏ん張りだ!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「「「ありがとうございました!」」」
無事に5日目の営業が終わり、お店のオープン1週目が終了した。大きなトラブルは2日目にあった割り込んだお客が逆上して殴りかかってきた件くらいであった。あとはお客さん同士の小競り合いをリリアが収めてくれたり、フィアちゃんがインスタントスープの木筒を落としてしまい、店内に粉が舞ったくらいの小さなものだ。
あとは店の商品、特にインスタントスープを大量に仕入れたいというお誘いが何件もあったが、一律お断りをしている。インスタントとはいえ、この世界だと普通にお店に出してお金が取れるレベルの味だからな。今のところは断ると全員が素直に引き下がってくれた。
「ふう〜2人とも1週間お疲れさま。2人のおかげで無事に1週間を乗り切れたよ」
「ふむ、店での接客もなかなか忙しいものであったな。精神的には間違いなく冒険者をやっていた時よりも疲れたぞ」
「フィアも疲れたです……」
「2人ともありがとうね。とりあえず明日には商業ギルドで出していた求人の面接があるから、そこで新しい従業員を雇えれば、来週からもう少し仕事が楽になるはずだから」
とはいえ、こればかりはその時の運もあるからなあ。下手をしたらひとりも面接に来ないなんてこともあるかもしれない。できれば2人くらい雇えると助かるのだが……
とりあえずこの5日間のお店の売り上げで、予想以上の利益を出すことができた。来週からは少し売り上げが落ち着くことを差し引いても、従業員が2人くらい増えても問題なさそうである。アウトドアショップの能力の次のレベルアップまではまだまだかかるが、こっちのほうは時間をかけるしかないな。
「さあ、今日は美味しいものでも食べにいこう!」
まだお店を開いて1週間とはいえ、無事に大事なオープンして1週間を乗り切ったんだ。店の閉店作業は後回しにして、とりあえず今日はみんなと一緒に美味いものでも食べに行くとしよう!
「……うん、そうだね。フィアちゃんも頑張ろうね!」
「はいです!」
どうやら昨日落ち込んでいたリリアは完全に復活したようだ。……というより以前よりもやる気になっているような気がする。俺なんかの言葉でも多少は役に立ったらしい。
「リリアお姉ちゃん、すっごく元気になっているね」
「そうだね。昨日フィアちゃんの家から帰る時に励ましたんだけど、元気になってくれたみたいでよかったよ」
開店準備をしながら、フィアちゃんと少しだけ会話をする。
「リリアお姉ちゃんになんて言ったの?」
「うん? えっと、リリアのことを何も知らない男が言った言葉なんて気にする必要はないとか、リリアは綺麗な女性だから気にするなとかかな」
「……ふ〜ん」
今思うとなかなか恥ずかしいことを言ったな。リリアが綺麗だと思うのは本当だけど、やはり本人に直接言うのはかなり恥ずかしい。
「テツヤお兄ちゃん、フィアは綺麗だと思う?」
「へっ、なんで?」
「いいから教えて!」
「う、うん……フィアちゃんは綺麗というよりは可愛いかな。でもフィアちゃんはこれから成長するだろうし、お母さんのレーアさんはとても綺麗だから、フィアちゃんもきっと将来は綺麗な女性になると思うよ」
「そ、そうなんだ! テツヤお兄ちゃんも格好良いよ!」
「あ、うん。ありがとうね、フィアちゃん」
フィアちゃんも子供ながらにしてやっぱり可愛いとか綺麗とか褒められたいのかな? 俺も格好良いと言われて満更でもない。さて、今日も頑張るとするか!
「「「ありがとうございました!」」」
今日の最後のお客さんを3人で見送った。今日もまだまだお客さんも多く忙しかったが、なぜかリリアとフィアちゃんがとても張り切って働いてくれていたので、無事に営業を終えることができた。
「ふう〜今日もお疲れさま。昨日と一昨日に比べたら、さすがに少しは落ち着いてきたかな」
「そうだな。インスタントスープ以外の商品は一度購入すれば、当分は購入する必要はないから、ある程度広まればお客さんも落ち着くだろう。とはいえ、この街には毎日のように新しい冒険者や商人がやってくるから、お客さんが途切れるということはないだろうな」
確かに方位磁石や浄水器などは一度購入すれば当分の間は購入する必要はなくなる。今日までの3日間で結構なお客さんが来てくれていたので、そろそろ客足は落ち着いてくるだろう。
「それじゃあフィアはこの木筒を洗っちゃいますね」
「私は店内の掃除をしておこう」
「俺は売り上げの集計だな」
今日からインスタントスープに使っていた木筒が少しずつ返却されてきたので、それを洗う仕事も増える。手分けをして閉店後の作業を行なっていく。
「よし、そろそろ終わりにしようか。フィアちゃん、今日もお疲れさま」
「はいです!」
閉店後の作業を終えて、遅くならないうちにリリアと一緒にフィアちゃんを家まで送る。そしてそこから買い物をしてお店まで戻り、晩ご飯を作って食べてから明日のお店の準備をする。
……うん、結構忙しい。やっぱり人手はもう少し必要になる。実際に商店を開くことは初めてだったから、だいぶ見通しが甘かったな。もう少し頑張れば2日間の休みに入る。そして今商業ギルドで出している求人の面接があり、新しい従業員を雇うことができるからもうひと踏ん張りだ!
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「「「ありがとうございました!」」」
無事に5日目の営業が終わり、お店のオープン1週目が終了した。大きなトラブルは2日目にあった割り込んだお客が逆上して殴りかかってきた件くらいであった。あとはお客さん同士の小競り合いをリリアが収めてくれたり、フィアちゃんがインスタントスープの木筒を落としてしまい、店内に粉が舞ったくらいの小さなものだ。
あとは店の商品、特にインスタントスープを大量に仕入れたいというお誘いが何件もあったが、一律お断りをしている。インスタントとはいえ、この世界だと普通にお店に出してお金が取れるレベルの味だからな。今のところは断ると全員が素直に引き下がってくれた。
「ふう〜2人とも1週間お疲れさま。2人のおかげで無事に1週間を乗り切れたよ」
「ふむ、店での接客もなかなか忙しいものであったな。精神的には間違いなく冒険者をやっていた時よりも疲れたぞ」
「フィアも疲れたです……」
「2人ともありがとうね。とりあえず明日には商業ギルドで出していた求人の面接があるから、そこで新しい従業員を雇えれば、来週からもう少し仕事が楽になるはずだから」
とはいえ、こればかりはその時の運もあるからなあ。下手をしたらひとりも面接に来ないなんてこともあるかもしれない。できれば2人くらい雇えると助かるのだが……
とりあえずこの5日間のお店の売り上げで、予想以上の利益を出すことができた。来週からは少し売り上げが落ち着くことを差し引いても、従業員が2人くらい増えても問題なさそうである。アウトドアショップの能力の次のレベルアップまではまだまだかかるが、こっちのほうは時間をかけるしかないな。
「さあ、今日は美味しいものでも食べにいこう!」
まだお店を開いて1週間とはいえ、無事に大事なオープンして1週間を乗り切ったんだ。店の閉店作業は後回しにして、とりあえず今日はみんなと一緒に美味いものでも食べに行くとしよう!