俺が異世界から来たことと、俺の能力をみんなに話したあと、フィアちゃんを家に送ってから家に戻ってきた。ランジェさんも今日は宿を取っているから、そのまま宿に帰っていった。明日は依頼を受けることを冒険者ギルドに伝えてから、もう一度お店に来てさらに細かいことを話す予定だ。
「それにしても異世界か……不思議なこともあるのだな」
「さっきリリアが言っていたように、すごく遠くからやってきただけだよ。それに前にも言ったけれど、今はそれほど帰りたいと思っているわけじゃないんだ。今の生活はとても気に入っているしね」
元の世界に戻るための情報をリリアもランジェさんも知らなかったのは残念ではあった。とはいえ、家族や友人にまた会いたいこと以外は、今の生活を気に入っている。
「うむ、なによりこれから新しい店を開くのだろう。このお店を放り出して帰るなんてことはできないのではないか?」
「そうだね。お店を構えてリリアやフィアちゃん、ランジェさんの協力を得られてここからが本番だからね」
確かに今元の世界に戻ることができると言われても、戻ることはできない。みんなにもこれだけ手を貸してもらっているわけだしな。今はこちらの世界で頑張っていくとしよう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「……う〜ん、残念だけどテツヤには魔法の適性がなさそうだね」
「マジかあ〜氷魔法使いたかったな……」
ランジェさんからの協力を得ることができた次の日、ランジェさんは冒険者ギルドに依頼を受注したことを伝えてくれたあと、そのままうちの店まで来てくれた。ランジェさんは別の依頼も受けており、もう明日には別の街に出発するらしい。
そしてランジェさんにお願いして、魔法の使い方を教えてもらっている。しかし、どうやら俺には魔法の適性がないらしく、魔法は使えないようだ。この世界には魔法の適性がある人とない人に分かれているようで、適性のない人に魔法を使うことはできないらしい。
「こればっかりは種族とか運にもよるから仕方ないよね」
「そうだな。だが、魔法はあれば便利なものに過ぎず、なくても問題はまったくないぞ」
確かに魔法がなくてもリリアはBランク冒険者になれているし、魔法を使うにはかなりの鍛錬が必要となるようだ。俺にはチート能力のアウトドアショップがあるが、ほんの少しでいいから氷魔法を使いたかった。……もし次に人を雇うことがあるなら、魔法を使える人を雇いたいところである。
「そうだね。どちらにしろ魔法が使えたとしても冒険者にはならなかっただろうし」
「そうそう。それにテツヤには魔法よりもすごい能力があるじゃん! あの方位磁石もすごかったけれど、ファイヤースターターとかブルーシートとか本当に便利だよ!」
すでにランジェさんにはアウトドアショップで買えるものはひと通り渡してある。
「それになんといってもあのインスタントスープとアウトドアスパイスは最高だよ! スープのほうはお湯を注ぐだけであんなに美味しいスープになるし、スパイスのほうは普通の塩やコショウよりも全然美味しいからね!」
その中でも、特にインスタントスープとアウトドアスパイスに喜んでくれた。ランジェさんはいろんな場所へ移動するため、街と街の間で野営をする。その際にお湯を沸かすだけで美味しいスープができてしまうインスタントスープと、焼いた肉や魚や野菜にかけるだけで格段に美味しくなるアウトドアスパイスを気に入ってくれたようだ。
「インスタントスープはこのお店でも販売する予定だけど、アウトドアスパイスは販売しないから他の人には秘密にしておいてね」
元の世界のアウトドアショップにはもっと冒険者に役立ちそうな道具がいっぱいあるが、今の俺の能力ではこのあたりが限界だ。ちなみにアウトドアショップが次のレベルに上がるまで、まだ約金貨470枚の購入が必要になる。こればっかりはコツコツと頑張るしかないな。
「もちろんだよ。それにこんなにたくさん料理を作ってくれてありがとうね! 大事に食べさせてもらうよ」
ランジェさんの収納魔法は結構な容量があり、収納したまま時間が止まるということなので、ホットサンドや唐揚げやフライドポテトなど、いくつかの料理を作ってあげた。本当に収納魔法って便利だよなあ。
そして料理やアウトドアショップで買ったものの代わりに、依頼料はいらないと言われた。実際のところ仕入れは行わずに、他の依頼の合間に何ヶ所か寄るだけだから、料理や店の商品で十分だと言われた。
確かにいくつかの場所に寄ってもらうだけではあるが、それ以外に誰かに狙われる危険があるし、その場所へ行くにも移動費が掛かるので、多少は受け取ってほしいとも伝えたのだが、それよりもキャンプギアや俺の作った元の世界の料理のほうがいいらしい。
これからは屋台の時とは異なり、店の家賃、リリアやフィアちゃんの賃金、商店としての税金などといった結構な金額を払うことになる俺にとってはだいぶ助かる。
「今度来てくれた時には、もっといろんな料理を出せるようにいろいろと試しておくよ。あと、もし伝えておいた食材を見つけたら購入しておいてほしいな」
「うん、了解したよ!」
ランジェさんには行く先々で、この街には売っていない元の世界の食材が売っていたら買ってきてもらうようにお願いをしてある。特に米とかがどこかで売っていると嬉しいんだけどな。
「それにしても異世界か……不思議なこともあるのだな」
「さっきリリアが言っていたように、すごく遠くからやってきただけだよ。それに前にも言ったけれど、今はそれほど帰りたいと思っているわけじゃないんだ。今の生活はとても気に入っているしね」
元の世界に戻るための情報をリリアもランジェさんも知らなかったのは残念ではあった。とはいえ、家族や友人にまた会いたいこと以外は、今の生活を気に入っている。
「うむ、なによりこれから新しい店を開くのだろう。このお店を放り出して帰るなんてことはできないのではないか?」
「そうだね。お店を構えてリリアやフィアちゃん、ランジェさんの協力を得られてここからが本番だからね」
確かに今元の世界に戻ることができると言われても、戻ることはできない。みんなにもこれだけ手を貸してもらっているわけだしな。今はこちらの世界で頑張っていくとしよう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「……う〜ん、残念だけどテツヤには魔法の適性がなさそうだね」
「マジかあ〜氷魔法使いたかったな……」
ランジェさんからの協力を得ることができた次の日、ランジェさんは冒険者ギルドに依頼を受注したことを伝えてくれたあと、そのままうちの店まで来てくれた。ランジェさんは別の依頼も受けており、もう明日には別の街に出発するらしい。
そしてランジェさんにお願いして、魔法の使い方を教えてもらっている。しかし、どうやら俺には魔法の適性がないらしく、魔法は使えないようだ。この世界には魔法の適性がある人とない人に分かれているようで、適性のない人に魔法を使うことはできないらしい。
「こればっかりは種族とか運にもよるから仕方ないよね」
「そうだな。だが、魔法はあれば便利なものに過ぎず、なくても問題はまったくないぞ」
確かに魔法がなくてもリリアはBランク冒険者になれているし、魔法を使うにはかなりの鍛錬が必要となるようだ。俺にはチート能力のアウトドアショップがあるが、ほんの少しでいいから氷魔法を使いたかった。……もし次に人を雇うことがあるなら、魔法を使える人を雇いたいところである。
「そうだね。どちらにしろ魔法が使えたとしても冒険者にはならなかっただろうし」
「そうそう。それにテツヤには魔法よりもすごい能力があるじゃん! あの方位磁石もすごかったけれど、ファイヤースターターとかブルーシートとか本当に便利だよ!」
すでにランジェさんにはアウトドアショップで買えるものはひと通り渡してある。
「それになんといってもあのインスタントスープとアウトドアスパイスは最高だよ! スープのほうはお湯を注ぐだけであんなに美味しいスープになるし、スパイスのほうは普通の塩やコショウよりも全然美味しいからね!」
その中でも、特にインスタントスープとアウトドアスパイスに喜んでくれた。ランジェさんはいろんな場所へ移動するため、街と街の間で野営をする。その際にお湯を沸かすだけで美味しいスープができてしまうインスタントスープと、焼いた肉や魚や野菜にかけるだけで格段に美味しくなるアウトドアスパイスを気に入ってくれたようだ。
「インスタントスープはこのお店でも販売する予定だけど、アウトドアスパイスは販売しないから他の人には秘密にしておいてね」
元の世界のアウトドアショップにはもっと冒険者に役立ちそうな道具がいっぱいあるが、今の俺の能力ではこのあたりが限界だ。ちなみにアウトドアショップが次のレベルに上がるまで、まだ約金貨470枚の購入が必要になる。こればっかりはコツコツと頑張るしかないな。
「もちろんだよ。それにこんなにたくさん料理を作ってくれてありがとうね! 大事に食べさせてもらうよ」
ランジェさんの収納魔法は結構な容量があり、収納したまま時間が止まるということなので、ホットサンドや唐揚げやフライドポテトなど、いくつかの料理を作ってあげた。本当に収納魔法って便利だよなあ。
そして料理やアウトドアショップで買ったものの代わりに、依頼料はいらないと言われた。実際のところ仕入れは行わずに、他の依頼の合間に何ヶ所か寄るだけだから、料理や店の商品で十分だと言われた。
確かにいくつかの場所に寄ってもらうだけではあるが、それ以外に誰かに狙われる危険があるし、その場所へ行くにも移動費が掛かるので、多少は受け取ってほしいとも伝えたのだが、それよりもキャンプギアや俺の作った元の世界の料理のほうがいいらしい。
これからは屋台の時とは異なり、店の家賃、リリアやフィアちゃんの賃金、商店としての税金などといった結構な金額を払うことになる俺にとってはだいぶ助かる。
「今度来てくれた時には、もっといろんな料理を出せるようにいろいろと試しておくよ。あと、もし伝えておいた食材を見つけたら購入しておいてほしいな」
「うん、了解したよ!」
ランジェさんには行く先々で、この街には売っていない元の世界の食材が売っていたら買ってきてもらうようにお願いをしてある。特に米とかがどこかで売っていると嬉しいんだけどな。