「ありがとうございました!」
「ありがとうございましたです!」
「……ふう、ようやく人の波が落ち着いたね。少し休憩しようか」
「はい。それにしてもすごかったです! いつもよりお客さんがいっぱい来てくれました!」
「確かに今日は忙しかったな。屋台で出しているお店だけど、少しずつこの街の人達に知ってもらえてきたのかもしれないね」
この街でお店を開いてからしばらく経ったし、少しずつお店を知ってくれている人が増えてきたのだろう。このアウトドアショップをオープンした時よりも多くのお客さんが来てくれて、とても嬉しい自分がいる。
「やっぱり浄水器とクールタオルはかなり売れたな。……でもこのローテーブルだけは、思ったよりも売れてないかな。どうしてだろう?」
「……他の商品よりも高いからです?」
確かにフィアちゃんの言う通り、このお店で売っている商品は銀貨1〜3枚の物ばかりだ。やはり駆け出し冒険者にとっては銀貨5枚とはそこそこの値段なのだろうか。
ファイヤースターターは他のお店で売っている火打ち石が金貨3枚と、結構な高値で売られているから、この店では金貨2枚で販売している。それでも毎日先着3名様の分は店を開いてすぐに売れるし、銀貨5枚がそこまで高すぎるということはないはずた。
「う〜ん、やっぱりそうなのかな。まあまったく売れないわけじゃないから、とりあえずはいいか」
「やっほ〜フィアちゃん、テツヤ!」
「ふう、なんとか間に合ったな」
「おっ、これが新しい商品か」
「ニコレ、ロイヤ、ファル、みんな来てくれてありがとうな!」
「いらっしゃいです!」
そろそろお店を閉めようと思っていたころ、ロイヤ達がお店に来てくれた。お客さんもちょうどいないから、ゆっくりと話せそうだ。そういえば先日一緒に食事をした時に、また来てくれると言っていたな。
「へえ〜なんか面白そうな道具がいろいろとあるなあ」
「この浄水器って便利そうよね。川で飲み水を補充できるのはとってもありがたいわ」
「こっちのクールタオルというのもすごいな。森ならともかく直接日が当たる草原だと、たまに暑くてたまらない日もあったりするから、持っておきたいところだ」
ロイヤ達に今日新しく販売を始めた商品を説明していく。
「ちなみにこっちの折りたたみテーブルの売り上げは他の2つに比べてそこまで良くないんだよなあ。やっぱり他の商品よりも少し高いからかな?」
さっきまで思っていた疑問をロイヤ達に聞いてみた。実際にこの街で冒険者として活動しているロイヤ達なら、俺やフィアちゃんよりも冒険者側の意見が聞けそうである。
「……う〜ん、確かにこのテーブルは便利なんだけど、たぶんあまり使う機会がない気がする」
「そうだな。別に荷物を置くのも地面に置けばいいだけだしなあ」
「ああ、なるほど。そういうことか……」
ロイヤ達に言われてようやく気が付いた。この世界では衛生意識が元の世界と違ってそこまで高くはない。リュックや荷物なども基本的には地面にそのまま置くし、この前ロイヤ達と一緒に森に護衛についてきてもらった時も、お皿やコップなどもそのまま地面や石の上に置いていたもんな。
元の世界のキャンプのように、のんびりと楽しみながら、ご飯や読書を楽しむというわけではないため、イスやテーブルはそこまで必要にならないのかもしれない。あるとしたら野営をしたり、外で料理をする時くらいなのかな。
「でも小さいテーブルとしてはとっても便利だし、見た目もいいから家の中でも使えると思うわよ。あとは解体作業をする時にもあると便利かもしれないわね」
「ふむふむ」
少なくとも需要がまったくないということではなさそうだな。……しかし、俺が普段キャンプでよく使っている折りたたみローテーブルの上で解体作業か。うん、冒険者のいる世界だし、使い方が違うのも当然といえば当然だな。やっぱり実際に冒険者として活動しているロイヤ達の意見は参考になる。
「ありがとう、いろいろと参考になったよ」
そのあとロイヤ達は浄水器とクールタオルを購入してくれた。そして忙しかったが、なんとか無事に今日の営業を終えることができた。
先日レーアさんとも相談して、フィアちゃんの給金は銀貨5枚としたのだが、今日は商品の実演販売も手伝ってもらったので、少しおまけしておいた。
とりあえずあと数日は屋台を借りたまま営業を続けて、それからしばらくは店を休んでから新しい店舗を借りて、護衛兼従業員も雇わないといけないな。
そしてなにより、ようやく休みが取れる! この世界に来てからずっと働きっぱなしだった。というのも屋台を借りるシステム上、連日で屋台を借りないと今までの場所が変わってしまう可能性がある。せっかく別のお客さんからの紹介でお店まで来てくれたのに、お店が違う場所になっていたら困るもんな。
それならば店を借りたまま休めばいいのではと思うが、それはそれで小市民だから借りるお金が勿体ないと思ってしまうんだよなあ。あと数日は忙しいが、そこを乗り越えれば休みがあると思って頑張るとしよう。
「ありがとうございましたです!」
「……ふう、ようやく人の波が落ち着いたね。少し休憩しようか」
「はい。それにしてもすごかったです! いつもよりお客さんがいっぱい来てくれました!」
「確かに今日は忙しかったな。屋台で出しているお店だけど、少しずつこの街の人達に知ってもらえてきたのかもしれないね」
この街でお店を開いてからしばらく経ったし、少しずつお店を知ってくれている人が増えてきたのだろう。このアウトドアショップをオープンした時よりも多くのお客さんが来てくれて、とても嬉しい自分がいる。
「やっぱり浄水器とクールタオルはかなり売れたな。……でもこのローテーブルだけは、思ったよりも売れてないかな。どうしてだろう?」
「……他の商品よりも高いからです?」
確かにフィアちゃんの言う通り、このお店で売っている商品は銀貨1〜3枚の物ばかりだ。やはり駆け出し冒険者にとっては銀貨5枚とはそこそこの値段なのだろうか。
ファイヤースターターは他のお店で売っている火打ち石が金貨3枚と、結構な高値で売られているから、この店では金貨2枚で販売している。それでも毎日先着3名様の分は店を開いてすぐに売れるし、銀貨5枚がそこまで高すぎるということはないはずた。
「う〜ん、やっぱりそうなのかな。まあまったく売れないわけじゃないから、とりあえずはいいか」
「やっほ〜フィアちゃん、テツヤ!」
「ふう、なんとか間に合ったな」
「おっ、これが新しい商品か」
「ニコレ、ロイヤ、ファル、みんな来てくれてありがとうな!」
「いらっしゃいです!」
そろそろお店を閉めようと思っていたころ、ロイヤ達がお店に来てくれた。お客さんもちょうどいないから、ゆっくりと話せそうだ。そういえば先日一緒に食事をした時に、また来てくれると言っていたな。
「へえ〜なんか面白そうな道具がいろいろとあるなあ」
「この浄水器って便利そうよね。川で飲み水を補充できるのはとってもありがたいわ」
「こっちのクールタオルというのもすごいな。森ならともかく直接日が当たる草原だと、たまに暑くてたまらない日もあったりするから、持っておきたいところだ」
ロイヤ達に今日新しく販売を始めた商品を説明していく。
「ちなみにこっちの折りたたみテーブルの売り上げは他の2つに比べてそこまで良くないんだよなあ。やっぱり他の商品よりも少し高いからかな?」
さっきまで思っていた疑問をロイヤ達に聞いてみた。実際にこの街で冒険者として活動しているロイヤ達なら、俺やフィアちゃんよりも冒険者側の意見が聞けそうである。
「……う〜ん、確かにこのテーブルは便利なんだけど、たぶんあまり使う機会がない気がする」
「そうだな。別に荷物を置くのも地面に置けばいいだけだしなあ」
「ああ、なるほど。そういうことか……」
ロイヤ達に言われてようやく気が付いた。この世界では衛生意識が元の世界と違ってそこまで高くはない。リュックや荷物なども基本的には地面にそのまま置くし、この前ロイヤ達と一緒に森に護衛についてきてもらった時も、お皿やコップなどもそのまま地面や石の上に置いていたもんな。
元の世界のキャンプのように、のんびりと楽しみながら、ご飯や読書を楽しむというわけではないため、イスやテーブルはそこまで必要にならないのかもしれない。あるとしたら野営をしたり、外で料理をする時くらいなのかな。
「でも小さいテーブルとしてはとっても便利だし、見た目もいいから家の中でも使えると思うわよ。あとは解体作業をする時にもあると便利かもしれないわね」
「ふむふむ」
少なくとも需要がまったくないということではなさそうだな。……しかし、俺が普段キャンプでよく使っている折りたたみローテーブルの上で解体作業か。うん、冒険者のいる世界だし、使い方が違うのも当然といえば当然だな。やっぱり実際に冒険者として活動しているロイヤ達の意見は参考になる。
「ありがとう、いろいろと参考になったよ」
そのあとロイヤ達は浄水器とクールタオルを購入してくれた。そして忙しかったが、なんとか無事に今日の営業を終えることができた。
先日レーアさんとも相談して、フィアちゃんの給金は銀貨5枚としたのだが、今日は商品の実演販売も手伝ってもらったので、少しおまけしておいた。
とりあえずあと数日は屋台を借りたまま営業を続けて、それからしばらくは店を休んでから新しい店舗を借りて、護衛兼従業員も雇わないといけないな。
そしてなにより、ようやく休みが取れる! この世界に来てからずっと働きっぱなしだった。というのも屋台を借りるシステム上、連日で屋台を借りないと今までの場所が変わってしまう可能性がある。せっかく別のお客さんからの紹介でお店まで来てくれたのに、お店が違う場所になっていたら困るもんな。
それならば店を借りたまま休めばいいのではと思うが、それはそれで小市民だから借りるお金が勿体ないと思ってしまうんだよなあ。あと数日は忙しいが、そこを乗り越えれば休みがあると思って頑張るとしよう。