「テツヤ、帰ったぞ」
「お帰り、リリア。ベルナさんとフェリーさんもお帰りなさい。アレフレアの街は楽しめましたか?」
「ええ、しばらく見ない間にこの街もいろいろと変わっておりましたね」
「……久しぶりにリリアと遊べて楽しかった!」
「ああ。私も久しぶりに2人と一緒に街をまわれて楽しかったぞ」
夕方になって、街へ遊びに出ていた3人が帰ってきた。どうやら久しぶりにこの街で遊んで、みんなで楽しく過ごしてきたようだ。
「それはよかったです」
「テツヤさんにはとてもお世話になりました。私達は明日の早朝にこの街を出て王都へと向かいます。方位磁石をありがとうございました。王都の冒険者ギルドにもしっかりと伝えておきますわ」
「よろしくお願いします。それではこっちは約束していたお土産です」
方位磁石100個はフェリーさんの収納魔法の中で、すでに代金も貰っている。それとは別にお願いされていたワイバーンの燻製肉とローストワイバーンだ。
「……嬉しい。ありがとう!」
フェリーさんが満面の笑みで喜んでいる。フェリーさんは普段無表情でいることが多いが、おいしいものを食べた時や、リリアと再会した時のように嬉しいことがあると、本当に可愛らしい笑顔になる。
う~む、異性として好きという感情ではないが、この可愛らしい笑顔を向けられるととても癒されるな。
ローストワイバーンもとてもおいしそうに食べていたので、これもワイバーンの燻製肉と一緒に作っておくか尋ねたところ、ぜひにと頼まれたので、これもあわせて作っておいた。
「こんなにたくさん。本当にありがとうございますわ!」
テーブルの上にはワイバーンの燻製肉とローストワイバーンが山になっている。2人からは結構な肉の量を預かっていた。
「それといくつかタレも作ったので、もしよろしければこちらも持っていってください」
「えっ!? よろしいのですか!」
「……いいの?」
「ええ。リリアの友達ですからね。その代わりにどこで手に入れたかは秘密でお願いします。普段はお店では販売していないので」
2人ともワイバーンの肉だけでなく、アウトドアスパイスや俺が作った特製タレなども結構褒めてくれていたからな。リリアの友達だし、これくらいはいいだろう。
ただアウトドアスパイスについてはまだ販売していないからな。アウトドアスパイスをこの店からもらったと広められるとちょっとまずいので、そこは2人を信じるとしよう。
「本当にありがとうございます! 実はテツヤさんが作ったこのタレもほしいと思っておりましたわ!」
「……めちゃくちゃ嬉しい!」
「あっ、はい……」
2人ともこんなに喜んでくれるとは思わなかったな。
「もしよければタレのほうはレシピを渡しましょうか? 王都のほうなら材料も売っていると思いますし」
アウトドアスパイスのほうは無理だが、焼肉のタレもどきは元の世界の味を元にこちらの世界の材料で作ったものだ。レシピを渡せばだれでも作ることができる。
商店とかに売らなければ別にタレのレシピを教えても構わないと思っている。
「い、いえ! そこまでしてもらうわけにはいきませんわ!」
「……さすがにそこまでしてもらうのは悪い」
あれ、意外とタレのレシピは必要なかったのか。このタレもそれほど難しいわけではないし、あったほうが便利かなと思ったのだが。
「テツヤ、実はベルナとフェリーは料理がまったくできないんだ」
「ちょっと、リリア!?」
「えっ、料理っていっても調味料を適量混ぜたり、野菜を細かく刻んだりするだけだよ」
「それでもだぞ。2人ともできるのは肉や魚を焼いたりするくらいだ。しかもただ焼くだけですら、たまに焦がしてしまうのだぞ」
「ええ……」
「……私は本気を出していないだけ」
あっ、これは料理ができない人のセリフだ。というか、まともな言い訳をする気があるのだろうか。ただ肉や魚を焼くだけでも駄目なんだ。
「わ、私はずっと料理をする機会がなかったもので……」
いや、冒険者である以上、料理をしないといけない場面は多々あると思うのだが……
「私も料理がそれほど得意というわけではなかったが、2人と臨時パーティを組んだ時はいつも私が料理を担当していたぞ」
「あ、そうなんだ」
どうやらベルナさんとフェリーさんは料理がまったくできないらしい。
「いえ、まったく料理ができないというわけではないんですよ! 魔物の解体はできますし、お肉を焼いて塩を振って食べるくらいのことはできますわ!」
「……同じく!」
「な、なるほど……」
それを料理と呼べるかは怪しいところではあるな……
まあ、逆に料理ができない人のほうがアウトドアスパイスや焼肉のタレもどきが役に立つかもしれない。焼いた肉やサラダなんかにかけるだけでも十分だからな。
「ではレシピは大丈夫そうですね。それとこれもお店では販売していない特別製のお菓子ですので、一緒にどうぞ。これらはあまり日持ちしないので、普段は収納魔法で保管しておいてくださいね」
アウトドアショップの能力で購入したチョコレートバーとようかんを入れた箱を2人に渡す。
「えっと、こんなにもたくさんいただいたうえに、お菓子までいただいては……」
「いえいえ。ワイバーンの肉なんてとても素晴らしいお肉をいただいたお礼ですので、遠慮なく受け取ってください」
もちろんAランク冒険である2人に少しでも恩を売っておこうという打算がないわけではない。だがそれ以上に、今回のワイバーンの肉のお礼をしたい。
実は歓迎会が終わったあとにワイバーンの肉の値段をこっそりランジェさんに聞いてみたのだが、俺の想像の5倍くらい上だった……
これではさすがにこちらがもらいすぎなので、調味料やお菓子をお土産に渡そうと思ったわけだ。A5ランクの和牛もビックリのお値段だったぜ……
「本当にありがとうございます、テツヤさん!」
「……テツヤ、ありがとう!」
「いえいえ。ベルナさんもフェリーさんもお気をつけて。王都から少し離れているかもしれませんが、またいつでも遊びに来てください」
「ええ、リリアもいることですし、王都に出現したダンジョンの攻略が終わりましたら、また遊びに来ますね!」
「……また来る」
「ベルナ、フェリー、久しぶりに会えて嬉しかったぞ。またな!」
「お帰り、リリア。ベルナさんとフェリーさんもお帰りなさい。アレフレアの街は楽しめましたか?」
「ええ、しばらく見ない間にこの街もいろいろと変わっておりましたね」
「……久しぶりにリリアと遊べて楽しかった!」
「ああ。私も久しぶりに2人と一緒に街をまわれて楽しかったぞ」
夕方になって、街へ遊びに出ていた3人が帰ってきた。どうやら久しぶりにこの街で遊んで、みんなで楽しく過ごしてきたようだ。
「それはよかったです」
「テツヤさんにはとてもお世話になりました。私達は明日の早朝にこの街を出て王都へと向かいます。方位磁石をありがとうございました。王都の冒険者ギルドにもしっかりと伝えておきますわ」
「よろしくお願いします。それではこっちは約束していたお土産です」
方位磁石100個はフェリーさんの収納魔法の中で、すでに代金も貰っている。それとは別にお願いされていたワイバーンの燻製肉とローストワイバーンだ。
「……嬉しい。ありがとう!」
フェリーさんが満面の笑みで喜んでいる。フェリーさんは普段無表情でいることが多いが、おいしいものを食べた時や、リリアと再会した時のように嬉しいことがあると、本当に可愛らしい笑顔になる。
う~む、異性として好きという感情ではないが、この可愛らしい笑顔を向けられるととても癒されるな。
ローストワイバーンもとてもおいしそうに食べていたので、これもワイバーンの燻製肉と一緒に作っておくか尋ねたところ、ぜひにと頼まれたので、これもあわせて作っておいた。
「こんなにたくさん。本当にありがとうございますわ!」
テーブルの上にはワイバーンの燻製肉とローストワイバーンが山になっている。2人からは結構な肉の量を預かっていた。
「それといくつかタレも作ったので、もしよろしければこちらも持っていってください」
「えっ!? よろしいのですか!」
「……いいの?」
「ええ。リリアの友達ですからね。その代わりにどこで手に入れたかは秘密でお願いします。普段はお店では販売していないので」
2人ともワイバーンの肉だけでなく、アウトドアスパイスや俺が作った特製タレなども結構褒めてくれていたからな。リリアの友達だし、これくらいはいいだろう。
ただアウトドアスパイスについてはまだ販売していないからな。アウトドアスパイスをこの店からもらったと広められるとちょっとまずいので、そこは2人を信じるとしよう。
「本当にありがとうございます! 実はテツヤさんが作ったこのタレもほしいと思っておりましたわ!」
「……めちゃくちゃ嬉しい!」
「あっ、はい……」
2人ともこんなに喜んでくれるとは思わなかったな。
「もしよければタレのほうはレシピを渡しましょうか? 王都のほうなら材料も売っていると思いますし」
アウトドアスパイスのほうは無理だが、焼肉のタレもどきは元の世界の味を元にこちらの世界の材料で作ったものだ。レシピを渡せばだれでも作ることができる。
商店とかに売らなければ別にタレのレシピを教えても構わないと思っている。
「い、いえ! そこまでしてもらうわけにはいきませんわ!」
「……さすがにそこまでしてもらうのは悪い」
あれ、意外とタレのレシピは必要なかったのか。このタレもそれほど難しいわけではないし、あったほうが便利かなと思ったのだが。
「テツヤ、実はベルナとフェリーは料理がまったくできないんだ」
「ちょっと、リリア!?」
「えっ、料理っていっても調味料を適量混ぜたり、野菜を細かく刻んだりするだけだよ」
「それでもだぞ。2人ともできるのは肉や魚を焼いたりするくらいだ。しかもただ焼くだけですら、たまに焦がしてしまうのだぞ」
「ええ……」
「……私は本気を出していないだけ」
あっ、これは料理ができない人のセリフだ。というか、まともな言い訳をする気があるのだろうか。ただ肉や魚を焼くだけでも駄目なんだ。
「わ、私はずっと料理をする機会がなかったもので……」
いや、冒険者である以上、料理をしないといけない場面は多々あると思うのだが……
「私も料理がそれほど得意というわけではなかったが、2人と臨時パーティを組んだ時はいつも私が料理を担当していたぞ」
「あ、そうなんだ」
どうやらベルナさんとフェリーさんは料理がまったくできないらしい。
「いえ、まったく料理ができないというわけではないんですよ! 魔物の解体はできますし、お肉を焼いて塩を振って食べるくらいのことはできますわ!」
「……同じく!」
「な、なるほど……」
それを料理と呼べるかは怪しいところではあるな……
まあ、逆に料理ができない人のほうがアウトドアスパイスや焼肉のタレもどきが役に立つかもしれない。焼いた肉やサラダなんかにかけるだけでも十分だからな。
「ではレシピは大丈夫そうですね。それとこれもお店では販売していない特別製のお菓子ですので、一緒にどうぞ。これらはあまり日持ちしないので、普段は収納魔法で保管しておいてくださいね」
アウトドアショップの能力で購入したチョコレートバーとようかんを入れた箱を2人に渡す。
「えっと、こんなにもたくさんいただいたうえに、お菓子までいただいては……」
「いえいえ。ワイバーンの肉なんてとても素晴らしいお肉をいただいたお礼ですので、遠慮なく受け取ってください」
もちろんAランク冒険である2人に少しでも恩を売っておこうという打算がないわけではない。だがそれ以上に、今回のワイバーンの肉のお礼をしたい。
実は歓迎会が終わったあとにワイバーンの肉の値段をこっそりランジェさんに聞いてみたのだが、俺の想像の5倍くらい上だった……
これではさすがにこちらがもらいすぎなので、調味料やお菓子をお土産に渡そうと思ったわけだ。A5ランクの和牛もビックリのお値段だったぜ……
「本当にありがとうございます、テツヤさん!」
「……テツヤ、ありがとう!」
「いえいえ。ベルナさんもフェリーさんもお気をつけて。王都から少し離れているかもしれませんが、またいつでも遊びに来てください」
「ええ、リリアもいることですし、王都に出現したダンジョンの攻略が終わりましたら、また遊びに来ますね!」
「……また来る」
「ベルナ、フェリー、久しぶりに会えて嬉しかったぞ。またな!」