「っ!? これはおいしいです! 良い味と香りのする香辛料がふんだんに使われておりますね! 塩をかけるだけの味とは全然違いますわ!」
「……こっちもおいしい! 甘くてちょっぴり辛くてお肉の味とすごくあってる!」
今回の味付けは例のアウトドアスパイスと前回も使っていた焼肉のタレと果汁のタレを使っている。しかも焼肉のタレのほうはいろいろと改良を重ねて甘口と辛口の2種類を作ってある。
やっぱり日々の食卓を試行錯誤しながら改良していくのって、結構楽しいんだよね。元が食文化レベルの低い異世界だと、すぐに結果が出て、料理や調味料がおいしくなっていくからなおさらだ。
「本当ですわ! こちらのタレでもおいしいですわ!」
「……このスパイスもおいしい! 味と香りがとても複雑!」
どうやらベルナさんとフェリーさんもこの味付けを気に入ってくれたようで何よりだ。
自画自賛ではあるがこの焼肉のタレも売れるくらいの味になっていると思うんだよね。まあさすがに手間や時間がかかるからやらないけど。さて、俺も初めてのワイバーンの肉をいただくとしよう!
「うおっ!? うまい!」
一番最初は本当にシンプルに塩をパラパラとかけただけのワイバーンの肉を食べてみた。もちろんアウトドアスパイスやタレを付けて食べるのもうまいのだが、最初だけは肉そのものの味を試してみた。
ワイバーンやドラゴンの肉と言えば、少し硬くてクセの強い肉の味かと思っていたのだが、全然そんなことはなかった。肉はとても柔らかく、軽く嚙むだけで簡単に噛み切れた。
口の中には脂の旨みが広がると同時にワイバーンの肉の旨みがゆっくりと溢れていく。牛や豚やこの前食べたダナマベアとは異なる味だが、その肉の旨みよりも明らかに上だ。確かにこれは超高級食材と言われるだけの味である。
「ふわあ~とってもおいしいです!」
「すっごくおいしいです! こんなにおいしいお肉は初めて食べました!」
「ああ。さすがワイバーンの肉だ。普段食っている肉よりも間違いなくうまい」
フィアちゃんもアンジュもドルファもおいしそうにワイバーンの肉を食べている。今日の主役であるアンジュも喜んでくれているみたいで何よりだ。
「すごいぞ、テツヤ。やはり前に王都で食べたワイバーンの肉よりもうまい!」
「うん! 僕も前に食べたワイバーンの肉よりもおいしいと思うよ! すごいなあ、本当に全然味が違うよ」
味付けが違うだけで料理の出来上がりの味はまったく異なる。アウトドアスパイスなんてこれをかけて焼いただけで、料理の完成といってもいいくらいだからな。
「とりあえず、ワイバーン肉のメインの料理ができるまではもう少し待っててくださいね。あと燻製料理もどうぞ」
一応今はもうひとつ料理を仕込んでいるが、完成するまでにもう少しかかる。その間に朝から準備していた燻製料理を取り分けていく。
「こちらの燻製もおいしいですわ! 市販の燻製肉とは全然味が違いますね!」
「少し良い肉を使っていますからね」
「……味付けがとってもおいしい」
「気に入ってくれたのならよかったです」
今回使っている燻製肉はいつもよりちょっと良い肉を使って、アウトドアショップで購入したスモークチップを使い、味付けにはアウトドアスパイスを使っている特製の燻製肉だ。
確かに香りや味付けは市販の物よりもおいしいかもしれない。他にもチーズや卵、塩漬けにした魚の燻製などを作ってある。燻製は一度火をつければ放っておいてもできるし、手間もかからないからな。
「先ほどいただいたワイバーンの肉でも燻製肉を作ろうと思っているのですが、よかったらお土産に持ち帰りませんか?」
「よろしいのですか!?」
「っ!?」
なんかものすごい食いついてきたな……
「午後はリリアと一緒に出掛けるんですよね。その間に作っておきますよ」
「い、いえ……さすがにそれはテツヤさんに悪いので……」
「……無理しないでいい」
「どちらにせよ従業員のみんなの分も作るつもりでしたからね。それに燻製って時間は少しかかりますけれど、手間はそれほどかからないので気にしないでください」
今回の燻製肉は塩漬けにした肉を燻製したものだ。生肉の状態のワイバーンの肉を塩漬けにするのは時間がかかるから、チャーシューを作ってからそれを燻製にしようと思う。
チャーシューを作るのも燻製肉を作るのも、煮込んだり燻したりする時間がかかるだけで、手間はあまりかからないからな。
チャーシューを元に使う分、塩漬け肉を使うよりも保存期間は長くないが、フェリーさんは収納魔法を使えるようだし大丈夫だろう。それにどちらにせよ、今日来られなかったレーアさんのお土産として作る予定だったからな。
「……あのもしもテツヤさんの負担にならないようでしたらお願いしてもよろしいでしょうか? もちろんお金は払いますので!」
コクッコクッコクッコクッ
フェリーさんが今まで見たことないくらいの勢いで頷く。そこまでなのか……
まあ冒険者だからこそ日々の食事のおいしさは大切なのかもしれない。
「お金もいりませんよ。そもそも材料のワイバーンの肉をおふたりからいただいてますから不要です」
ここははっきりと言っておかないとな。さっきまであまり考えないようにしていたが、このワイバーンの肉を購入したら結構なお値段になるはずだ。それをこんなにいただいたうえにこれ以上お金なんてもらえるわけがない。
「ありがとうございます。ご厚意に甘えさせていただきます」
「……ありがとう!」
むしろこんな良い肉をもらってこちらがお礼を言いたいのだがな。
ちなみにチャーシューの燻製ってマジで酒に合うんだよね。普通のチャーシューだけでも酒に合うのに、それを燻製にしてスモーキーな香りまでつけちゃうんだから、酒が止まらなくなってしまうぜ。
「……こっちもおいしい! 甘くてちょっぴり辛くてお肉の味とすごくあってる!」
今回の味付けは例のアウトドアスパイスと前回も使っていた焼肉のタレと果汁のタレを使っている。しかも焼肉のタレのほうはいろいろと改良を重ねて甘口と辛口の2種類を作ってある。
やっぱり日々の食卓を試行錯誤しながら改良していくのって、結構楽しいんだよね。元が食文化レベルの低い異世界だと、すぐに結果が出て、料理や調味料がおいしくなっていくからなおさらだ。
「本当ですわ! こちらのタレでもおいしいですわ!」
「……このスパイスもおいしい! 味と香りがとても複雑!」
どうやらベルナさんとフェリーさんもこの味付けを気に入ってくれたようで何よりだ。
自画自賛ではあるがこの焼肉のタレも売れるくらいの味になっていると思うんだよね。まあさすがに手間や時間がかかるからやらないけど。さて、俺も初めてのワイバーンの肉をいただくとしよう!
「うおっ!? うまい!」
一番最初は本当にシンプルに塩をパラパラとかけただけのワイバーンの肉を食べてみた。もちろんアウトドアスパイスやタレを付けて食べるのもうまいのだが、最初だけは肉そのものの味を試してみた。
ワイバーンやドラゴンの肉と言えば、少し硬くてクセの強い肉の味かと思っていたのだが、全然そんなことはなかった。肉はとても柔らかく、軽く嚙むだけで簡単に噛み切れた。
口の中には脂の旨みが広がると同時にワイバーンの肉の旨みがゆっくりと溢れていく。牛や豚やこの前食べたダナマベアとは異なる味だが、その肉の旨みよりも明らかに上だ。確かにこれは超高級食材と言われるだけの味である。
「ふわあ~とってもおいしいです!」
「すっごくおいしいです! こんなにおいしいお肉は初めて食べました!」
「ああ。さすがワイバーンの肉だ。普段食っている肉よりも間違いなくうまい」
フィアちゃんもアンジュもドルファもおいしそうにワイバーンの肉を食べている。今日の主役であるアンジュも喜んでくれているみたいで何よりだ。
「すごいぞ、テツヤ。やはり前に王都で食べたワイバーンの肉よりもうまい!」
「うん! 僕も前に食べたワイバーンの肉よりもおいしいと思うよ! すごいなあ、本当に全然味が違うよ」
味付けが違うだけで料理の出来上がりの味はまったく異なる。アウトドアスパイスなんてこれをかけて焼いただけで、料理の完成といってもいいくらいだからな。
「とりあえず、ワイバーン肉のメインの料理ができるまではもう少し待っててくださいね。あと燻製料理もどうぞ」
一応今はもうひとつ料理を仕込んでいるが、完成するまでにもう少しかかる。その間に朝から準備していた燻製料理を取り分けていく。
「こちらの燻製もおいしいですわ! 市販の燻製肉とは全然味が違いますね!」
「少し良い肉を使っていますからね」
「……味付けがとってもおいしい」
「気に入ってくれたのならよかったです」
今回使っている燻製肉はいつもよりちょっと良い肉を使って、アウトドアショップで購入したスモークチップを使い、味付けにはアウトドアスパイスを使っている特製の燻製肉だ。
確かに香りや味付けは市販の物よりもおいしいかもしれない。他にもチーズや卵、塩漬けにした魚の燻製などを作ってある。燻製は一度火をつければ放っておいてもできるし、手間もかからないからな。
「先ほどいただいたワイバーンの肉でも燻製肉を作ろうと思っているのですが、よかったらお土産に持ち帰りませんか?」
「よろしいのですか!?」
「っ!?」
なんかものすごい食いついてきたな……
「午後はリリアと一緒に出掛けるんですよね。その間に作っておきますよ」
「い、いえ……さすがにそれはテツヤさんに悪いので……」
「……無理しないでいい」
「どちらにせよ従業員のみんなの分も作るつもりでしたからね。それに燻製って時間は少しかかりますけれど、手間はそれほどかからないので気にしないでください」
今回の燻製肉は塩漬けにした肉を燻製したものだ。生肉の状態のワイバーンの肉を塩漬けにするのは時間がかかるから、チャーシューを作ってからそれを燻製にしようと思う。
チャーシューを作るのも燻製肉を作るのも、煮込んだり燻したりする時間がかかるだけで、手間はあまりかからないからな。
チャーシューを元に使う分、塩漬け肉を使うよりも保存期間は長くないが、フェリーさんは収納魔法を使えるようだし大丈夫だろう。それにどちらにせよ、今日来られなかったレーアさんのお土産として作る予定だったからな。
「……あのもしもテツヤさんの負担にならないようでしたらお願いしてもよろしいでしょうか? もちろんお金は払いますので!」
コクッコクッコクッコクッ
フェリーさんが今まで見たことないくらいの勢いで頷く。そこまでなのか……
まあ冒険者だからこそ日々の食事のおいしさは大切なのかもしれない。
「お金もいりませんよ。そもそも材料のワイバーンの肉をおふたりからいただいてますから不要です」
ここははっきりと言っておかないとな。さっきまであまり考えないようにしていたが、このワイバーンの肉を購入したら結構なお値段になるはずだ。それをこんなにいただいたうえにこれ以上お金なんてもらえるわけがない。
「ありがとうございます。ご厚意に甘えさせていただきます」
「……ありがとう!」
むしろこんな良い肉をもらってこちらがお礼を言いたいのだがな。
ちなみにチャーシューの燻製ってマジで酒に合うんだよね。普通のチャーシューだけでも酒に合うのに、それを燻製にしてスモーキーな香りまでつけちゃうんだから、酒が止まらなくなってしまうぜ。